医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

真菌(カビ)中毒症とプロバイオティクス・ビタミンCについて その一 栄養医学ブログ

2011-10-29 22:11:24 | 健康・病気

真菌(カビ)中毒症は、カビなど菌類へさらされることが原因となる疾患のことで、一般的には真菌(カビ)が混入している食品を通じて起こりますが、患者、本人はそのことに気づくことは、不可能ですし、検査でもなかなか難しいようです。

目には見えないけれども、真菌毒素が摂取され、皮ふ、粘液、それに空気を通じて体に取り込まれます。真菌毒素が体に入った後、コロニーを形成し、それが広がり、免疫システムに入り、体内の日々の反応に障害を与えます。

アフラトキシン中毒症などの真菌中毒症は、体に大変有害です。真菌中毒症になると腎臓や肝臓にダメージを与える慢性疾患をもたらす可能性が有りますが、ある極端な症例では、死亡した場合がありました。免疫システムや消化器系のダメージは、やはり真菌毒素にさらされた結果です。また、研究によると、ガンや潰瘍性大腸炎の病因の一つに、真菌中毒症による、その毒素への暴露が原因と考えられています。

真菌中毒症には多くの症状があり、これらの症状に伴う特異的症状を正確に述べることは、むつかしいです。症状の多くは呼吸器系の周辺に集まり、呼吸困難、セキ、ゼンメイ、くしゃみ、それに副鼻腔炎などを発症します。症状の多くは、息切れ、胸やけ、などの喘息症状と似ているので、誤診する場合があります。

その他の症状は、消化器系の周辺に集中し、激しい下痢や痙攣を伴う過敏性腸症候群を伴います。また、他の症状は、食物の飲み込みにくさ、息苦しさ、胸やけなどが有ります。

より激しい症状は、神経系にも影響を与えます。また、記憶喪失、脳の混迷、発声の不明瞭さ、それに視力上の問題点をもたらすことが有ります。このように原因を絞りにくい難病です。

外国の研究では、フラボノイド、VC,VE,セレンなどは、真菌中毒症による急性中毒を減少さすと、報告されています。Elltox博士は、真菌中毒症によるストレスや害を、大量のビタミンCの投与で防ぐと、述べています。また、少なくとも2g/日の投与量のVCは免疫機能を高めるのに必要です。VE,Zn、ベターカロテンも免疫システムのサポートに有益なので、併用摂取が必要と、考えられます。グルタチオンの点滴も真菌を体から出すのに必要で、炎症を鎮めます。

ニワトリの実験的真菌中毒症において、BPS-44の乳酸菌のプロバイオティクスが、真菌毒素が消化管に吸収されることから、ニワトリを守ってくれたようです。プロバイオティクスは、真菌毒素の作用を減らすことにより、免疫システムの機能を高め、真菌毒素の免疫システム抑制作用を減殺し、患者が真菌中毒症と戦うのを、サポートします。

Reference

Mycotoxicosis &Ulcerative Colitis. eHow.com