医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

潰瘍性大腸炎とビタミンCについて その一 栄養医学ブログ

2011-10-13 22:39:29 | 健康・病気

ビタミンCナトリウムは、傷の治癒を促進させ、免疫システムをサポートし、体の鉄の吸収を促進させます。これらの作用は、潰瘍性大腸炎(UC)の患者に欠くことができません。炎症性腸管疾患(IBD)は、結腸に並んだ、擦り?けた、潰瘍部分を残します。これらの部分は出血し、感染します。それは鉄欠乏のリスクをもたらし、消化管に腫れものを生じさせます。ビタミンCナトリウムは、体の治癒に役立ち、感染を防止し、鉄の利用を促進させます。

メリーランド大学の研究では、ビタミンCを豊富に含む食物と、低脂肪食と他の栄養素は、UCの再燃を防ぐのに役立ちます。ビタミンCの豊富な食事を摂取した人々は、UCの発生率が低いことが、発見されました。UCの原因は不明ですが、遺伝的因子、免疫システムの異常、それに環境要因などが関係している可能性がありますが、日本などの研究で解明されることが、期待されています。また、栄養面では、砂糖の多い食事、飽和脂肪酸それにコレステロールの多い食事は、UCに深い関係がある可能性があります。しかるに、野菜や果物の豊富な食事は、UCの症状を軽減させる可能性があります。

UCにより生じた腹痛、下痢は食欲不振をもたらし、栄養素の欠乏をもたらします。UCが再燃している時、食物繊維の多い食事は、結腸での再燃の悪化をもたらし、そんな時、野菜や果物などの高繊維食は食べるのによくありません。ビタミンCナトリウムやマルチビタミンのサプリメントを摂取することは、それらを食品で摂取できない場合、賢明な方法です。UCの合併症に貧血がありますが、ビタミンCナトリウムは貧血を防いでくれます。

UCによる腸管の損傷は、結腸に腫れものの形成をもたらす可能性が有ります。炎症を抑えるのに用いられているコルチコステロイドと免疫システムを抑制する医薬品は、感染症に罹りやすくします。健康な免疫システムを促進さす、適切量のビタミンCナトリウムの摂取は、胃腸管の感染やUCによる合併症を防ぐのに、役立ちます。また、副腎皮質ホルモンやペンタサなどの副作用を軽減し、その効果を高める可能性もあります。

ビタミンCは、蛋白質代謝を促進することにより、潰瘍化した消化管組織の再生を促進させます。また、ビタミンCは細胞や組織、器官の構成成分を提供します。結合組織の必須成分であるコラーゲンを合成するのに、ビタミンCは必要です。ビタミンCの欠乏は、結合組織や微細血管を弱くします。ビタミンCは、胃腸管の健康と修復をサポートし、腸管の損傷や感染から回復する能力を高めます。なお、ビタミンCは弱酸性なので、UCの場合、弱アルカリ性のビタミンCナトリウムの方が、胃腸にやさしく、安全性も高いので、こちらを摂取するのがよい、と考えられます。インターネットで入手できますが、自己責任を伴います。

Reference

VitaminC &Ulcerative Colitis: Livestrong. Com