医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

潰瘍性大腸炎とカビ中毒症について その一 栄養医学ブログ

2011-10-26 22:22:45 | 健康・病気

炎症性腸疾患もしくはIBDは、腸の炎症を引き起こす一連の症状の呼び名です。その症状は長期にわたり続き、通常、慢性状態です。潰瘍性大腸炎はクローン病と共に、炎症性腸疾患です。菌類に見出されるカビ毒素と潰瘍性大腸炎の間には関連がある、という研究があります。

潰瘍性大腸炎(UC)は、消化管の慢性的炎症を生じる炎症性腸疾患です。UCは体の衰弱をもたらし、時には、生命を脅かす合併症をもたらすことがあります。UCは、通常、直腸と大腸のもっとも深い内層のみに影響を及ぼします。そして、大腸に炎症と潰瘍を生じさせます。また、通常、直腸に始まり、結腸の深い内層の、連続した部位に影響を及ぼします。また、何がUCの原因となるかについては、はっきりしていませんが、日本の研究が進んでいるので早晩解明されると、期待されています。ある研究では、ウイルスや細菌がUCの引き金になる可能性があると、考えている科学者もいます。体がウイルスもしくは細菌と戦う時、消化管が炎症を引き起こします。また、遺伝的素因が一因となる可能性を、考えている科学者もいます。

潰瘍性大腸炎(UC)の症状は、炎症の激しさやそれがどこで発症するかによって、いろいろ変化します。UCが直腸のみに影響し、直腸出血がある時、それに伴ういくつかの兆候や症状があります。直腸の痛み、腸運動の切迫感、それに腸の運動不全感などが、それに該当します。このタイプは中等度です。下血性下痢、腹部痙攣、痛みなどが、直腸や結腸の下部に、影響するUCの症状です。結腸全体が影響を受ける時、腹部痙攣、その痛み、疲労感、それに著しい体重減少などが一般的症状です。重篤なUCは稀ですが、それは結腸全体に影響する、生命を脅かすタイプです。重篤なタイプの症状は、激しい痛み、おびただしい下痢、脱水とショック症状などです。また、それはいろんな合併症のリスクが有ります。それらは、結腸が大きく膨らんだ時、発症する結腸破裂と毒性巨大結腸などです。これらは大腸内視鏡で観察できます。

研究は限定されていますが、カビ毒素の摂取は、UCを含む炎症性腸管症候群(IBD)を発症すると、信じられています。カビ毒素(真菌毒素など)は、腸管を含む多くの組織や器官に影響することが知られています。このことは、よく研究されていませんが、カビ毒素はIBDに罹った人々に見られる症状とよく似ている、腸管の変性をもたらします。

UCは脂肪肝や肝炎、肝硬変、皮疹、葉酸欠乏症、ビタミンB群欠乏症、関節炎、腎結石、それに骨そしょう症などの合併症の発症の可能性があります。なお、これらはUCが治療により寛解すると、軽快したり、治る場合が有ります。

カンジダ菌もしくは細菌の異常増殖が存在する場合、UCの更なる回復は抗菌剤もしくは抗カビ剤によって、そのインバランスを正常化することにより予防と治療が達成できる可能性が、考えられます。外国では、そのためにメトロニダゾールなどの抗菌剤が使われていますが、リスクがあるので、医師に相談して下さい。こちらでは、情報を提供はしますが、責任は取りかねます。なお、和歌山医科大学の研究では、梅エキスが潰瘍性大腸炎に有効との論文発表が有りますが、当方は、梅エキスの抗菌作用による、と考えています。また、当方の近くの美郷地区(旧美郷村)は、南部と並ぶ梅の産地で、行くたびに梅干し、梅エキスなどよく買います。

Reference

Mycotoxicosis&Ulcerative Collitis: eHow. com