医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

気管支喘息、アレルギーとビタミンCとの関係について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2015-11-29 19:56:09 | 健康・病気

アレルギー疾患である気管支喘息(喘息)患者は、IgE抗体の産生過剰により、肥満細胞からヒスタミンやロイコトルエンが過剰に分泌され、それらは気管支の炎症をもたらし、気道狭窄やそのむくみに繋がり、息苦しさや呼吸困難を生ずると考えられています。今回は、それらの対策としてIgEの過剰産生とヒスタミンの過剰分泌に対する、ビタミンCの効果について、外国の研究を基に考えていきたい、と思います。

Hochwald博士らの研究によると、規則的にビタミンCを摂取すると、気管支喘息の症状を防ぐのに有益であることがわかりました。5g/日のビタミンCの経口摂取は、ヒスタミンに対する気管支の過敏性を52%ほど減少させました。また、2g/日では40%減少し、4時間、その値は変化しませんでした。

また、Rozanov EH 博士らの研究によると、ナイアシンアミド(ビタミンB3)とビタミンCの欠乏は、気管支喘息の憎悪期間中、その患者の大部分において認められました。

一般的には、ビタミンCは、傷の治癒を促進し、潰瘍性大腸炎患者の鉄の吸収を促進し、鉄欠乏を防ぎます。また、ビタミンCの大量点滴は、dehydroepiandrosteroneやcortisolと併用することにより、間質性肺炎のコントロールに有益です。

気管支喘息では、点滴などビタミンCの大量投与は、IgE値を低下させ、重要な抗炎症作用を有しています。鼻炎がないがIgE値の高い人は、倦怠感、疲労感、病気の前兆の不快感などを経験しますが、抗ヒスタミン剤や抗ロイコトリエン剤、それに、ビタミンC、Mg、EPA、DHA、ビタミンE、それに、にんにく、ショウガなどの適正量の摂取により、それらの症状が改善されると、米国では報告されています。

ビタミンCは、血中ヒスタミン値を減少させることにより、喘息などアレルギー疾患のコントロールに有益である可能性が報告されています。喘息では、肺と気道において、ビタミンCの抗酸化機能に対する強い必要性を有する傾向にあります。1,000mg/日から2,000mg/日の投与量では、喘息の症状を改善し、炎症の基となるヒスタミンの産生を減らします。なお、ビタミンCには、ロイコトリエン値を減らす作用は、今までのところ、報告されていません。それらは、ある種のビタミンEやDHA、EPAには、抗ロイコトリエン作用が報告されています。これらを適正量、摂取することにより喘息も徐々に改善すると考えますが、効果がマイルドなので、長期の摂取が必要です。薬剤に比べて、適正量摂取しておれば、安全性は高いようです。これらに詳しい専門家への相談が必要です。

米国の喘息少年患者の症例では、lyposphericビタミンCを毎日1g/日、時々、2g/日を摂取し、春の間中、鼻からの吸入ステロイド剤が必要なくなり、症状も有りませんでした。

更なるロングスパンの研究の積み重ねが必要ですが、不快な、生命に関わる喘息の症状が、食事療法やプロバイオティクス、プレバイオティクスを含む食事と共に、ビタミンCなど抗酸化栄養素を多く含む食品の摂取により、少しでも喘息の症状が軽減されれば、喘息患者への福音になると考えます。

References
Home remedies for asthma: HEALING HACKER
Jennifer Brett,N.D.: Benefits of VitaminC
Kin Leung: Antihistamine Action of VitaminC. Youngevity Organic health. Aug 16,2013