医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

超加工食品と発がんリスクの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-07-31 15:23:53 | 健康・病気
超加工食品と発がんリスクの関係については、英国での研究では、超加工食品を多く消費する習慣は、ガンの発症と死亡のリスクの増加と結び付いている可能性があることを、示唆しています。英国王室公衆衛生院の研究者等は、超加工食品とガン発症リスクの関係を示すデータに対し、包括的な評価を実施しました。なお、超加工食品は、発泡性ドリンク、練り食品、加工パン、惣菜、カップヌードル類、ハムバーガー類、それに朝食のシリアルなど、製造過程でよく加工された食品です。その成分は、糖質、脂肪分、塩分などを多く含み、いろんな添加物も含んでいます。

超加工食品は、相対的に安価で便利、かつ多く出回っており、選びやすいが、しかし、一般的には塩分、脂肪分、糖が多く含まれ、人口食品添加物を含んでいます。そして、これら超加工食品は、肥満、2型糖尿病、それに心臓血管病などの健康上の問題があります。

イギリスでのこの種の最初の研究は、20万人の中年被験者の食事に関する情報を集めるため、英国ボバンク(bobank)の記録を利用しました。この研究では、超加工食品の消費の増大は、特に、卵巣ガンと脳腫瘍では、ガンによる死亡リスクの増加を伴い、特に、卵巣ガンと乳ガンでは著明でした。

超加工食品摂取の10%の増加は、6%ほどガンによる死亡率の増加を伴っており、乳ガンでは16%増え、卵巣ガンでは30%増えました。これらの関連は、喫煙、身体的活動、それにBMIのような社会・経済的要因、食事の要因、行動要因、などを調整後、認められたものです。なお、これらの研究は、いろんな要因を考慮してしなければいけないので、実験室の研究と違って複雑です。

References
Conrad Duncan. Ultra-processed foods may be linked to increase risk of cancer. Imperial News. February 2023
Elizabeth Pratt. Ultra-processed foods linked to heart disease ,cancers and 30 other health conditions. Medical News Today. March,2024