医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

糖尿病による睡眠時無呼吸症候群について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2018-09-01 12:53:55 | 健康・病気

Deepak khandlmal 博士やLyer SR博士によると、二型糖尿病、糖尿病予備軍、それに高齢者は、少年時代に比べて、不眠症などになり、睡眠の質が低下していると、感じています。睡眠の質の低下や睡眠時無呼吸症候群には、その根底の原因に二型糖尿病での高血糖や酸化コレステロールによる動脈硬化症が関係している場合が多いと、報告されています。

体のシステムは、その適切な機能維持のために、良質の睡眠と適切な睡眠時間を必要としています。体は、いろんな睡眠障害により悪い影響を受けます。睡眠時無呼吸症候群は、グルコース代謝の異常が深く関係しており、ヒトは、栄養状態の悪化や老化プロセスにより、グルコース代謝がうまくいかず、高血糖状態や終末糖化物質の産生をもたらし、睡眠障害や老化、それにメタボリック症候群を発症します。これらに対する対策として、食事療法、腸内環境の改善、栄養サプリメントの補給、それに適度な身体活動、ストレスの改善などが管理栄養士により推奨されています。

睡眠時無呼吸症候群と二型糖尿病の間には関係が有り、睡眠不足㋨影響は、糖尿病の悪化に影響し、REM睡眠不足は、肥満の発症に関係しています。インスリン抵抗性と睡眠時無呼吸症候群の間には密接な関係が有り、二型糖尿病による脂肪肝や多嚢性卵巣症候群での睡眠時無呼吸症候群の原因と考えられます。また、持続的に気道内圧を高めておくことによる睡眠時無呼吸症候群の治療では、インスリン感受性を高めると、報告されています。糖尿病患者は睡眠障害を有する人が大変多く、それがいろんな病気の素地を作ります。また、脳と腸は相互に連携しているので、プロバイオティクスやプレバイオティクスで腸内環境を改善し、ビタミン合成能の弱った腸をカバーするため、ギャバやグリシン、マルチビタミン、必須ミネラルの補完も必要かと、考えています。更なる研究が待たれます。

References

Deepak Khandelmal, et al. Sleep disorders in type2 diabetes. Indian J Endocrinol Metab.2017 Sep-Oct;21(5):756-761

Lyer SR.Sleep and type2 diabetes mellitus-clinical implications.J Assoc Physicians India.2012 Oct;60:42-7