医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

コ―ヒ―摂取と心臓発作の引き金の可能性について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-07-29 00:32:11 | 健康・病気

当方の小数調査では、インスタントコ―ヒーを飲んだ後、背中が痛くなったり、心臓に違和感を感じる人がいる一方、そのような症状を感じない人もいます。それを感じる人は、遺伝的素因や何らかの問題を心臓に抱えている、と考えられます。そこで、問題を抱えている人は、コ―ヒ―の飲用を控えると、その症状がでなくなりました。このようなことから、今回は、コーヒーの飲用と心臓発作の関連について考えていきたい、と思います。

"Epidemiology"誌によると、コーヒーは、幾人かの人々では、摂取後1時間以内に 心臓発作の引き金になるようです。Java junkies博士によると、これらのリスクは、頻回にコ―ヒ―を飲まない人で、最も高いようです。なお、それは1杯/日までです。なお、これらの人々にとって心臓リスクは、コ―ヒ―をたっぷり飲んだ時、4倍に高まります。

ある研究によると、コウチポテト族と心臓病のその他のリスク因子を有する人々は、1杯のコ―ヒ―を飲んだ後、心臓発作を起こす、より大きいリスクがあります。

ブラウン大学のAna Baylin博士によると、これらの発見の結果として、時々、コーヒーを飲む人や習慣的にコ―ヒ―を飲む人で、高い心臓発作リスクを有する人々は、どちらもコ―ヒ―の飲用を止める必要がある、と述べています。それは命取りになるかもしれません。

その博士によると、コーヒーの飲用は、血圧の短い間の上昇と心臓発作の引き金になるかもしれない交感神経の活性化を促進さすことを、示唆しています。一方、米国や中南米のコーヒー愛飲家で証明されたパーキンソン病、2型糖尿病、ある種のタイプのガンに対するリスクの減少が認められるという研究も有ります。しかし、日本人での研究は今までのところ聞いておりません。

新しい研究によると、2~3回/日、コーヒーを飲む人は、1回/日、飲む人に比べて60%だけ心臓発作になるリスクが高まりました。しかし、コーヒーを少ししか飲まない人は、1杯のコ―ヒ―で4倍以上心臓発作のリスクが高まりました。よく飲む人では、そうでありませんでした。さらに、1杯のコ―ヒ―を飲み終えた後、そのリスクが、心臓病のリスク因子を有する、コーヒーをよく飲む人の2倍でした。なお、この研究は、コスタリカの致命的でない心臓発作を有する人の503症例に基づいていました。また、これらのコ―ヒーをよく飲む国とそうでない国の比較は、人種の遺伝的素因や食習慣など複合的因子が関係するので、国によって結果が異なる、と考えます。なお、
コスタリカでの研究は、その結果が米国と関連が有り、両国ともコ―ヒ―のようなカフェイン飲料をよく飲む習慣があります。

カナダのトロント大学のAhmed EL-Sohemy博士によると、心臓発作に対する複合的リスク因子を有する人や、ほとんど体を動かさないライフスタイルの人にとって、一杯のコーヒーが命取り(final straw)になる可能性があります。人々は、心臓病のリスク因子を取り除き、活発なライフスタイルを取り戻す必要があります。また、習慣的にコ―ヒ―を愛飲せず、心臓病のその他のリスク因子がある人にとって、カフェインによるショックは、おそらく、ヒトの体内システムへのショックとなります。

また、カフェインが一時的に血圧上昇をもたらすので、習慣的なコ―ヒ―愛飲者でない人は、それに慣れていません。それ故、弱点のある心臓に対し血圧が急上昇します。そのことが心臓発作の引き金になります。

最近、EL-Sohemy博士の研究によると、カフェインの代謝がより遅い、遺伝上の変異を有する人は、コーヒーを飲む時、致命的でない心臓発作のリスクが高まる、と報告しています。従って、このような体質の人、あるいは心臓に問題を抱えている人は、コーヒーを控えることが賢明、と考えられます。更なる研究を期待しています・

 

References

Baylin, A:et al: Epidemiology, Aug. 2006

Coffee may trigger heart attack. WebMD Health News. Aug. 15,2006