医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

PM2.5対策と抗酸化食品摂取の効果について 栄養医学ブログ 藤井毅彦

2014-07-07 17:58:29 | 健康・病気

当方が住んでいる四国東部は、少年の頃の空は青く澄んで、美しかった記憶がありますが、最近は汚れて、いつも濁っているようです。特に、春先の2月から3月にかけて、汚れがひどく、咳き込む人が多いようです。なお、この空には、PM2.5が漂い、我々の健康に悪さをしています。今回は、米国ユタ州で行われた、これに関する研究について考えていきたい、と思います。

ユタ州キャシュバレー(Cache Valley)は、空気の質が悪く、それに伴う健康への影響が問題になっている地域です。そこで、ユタ州立大学では、PM2.5と野菜と果物(抗酸化物質を多く含む)の摂取量の増加の関係の研究を、Michael Lefevre博士らは、2011年に、キャシュバレ―の45~80歳の66名より多い参加者でニ重盲検試験を始めました。

そこで、彼らは、呼吸系へのリスクに及ぼす微細粒子による汚染である、PM2.5のインパクトと食事性抗酸化物質(抗酸化栄養素)の間の関係を調べるべく、臨床試験を実施しました。キャシュバレ―は、冬季に高気圧が蓋の役目をし、頻繁に空気の質の悪化がもたらされ、その中にPM2.5が高濃度に含まれます。ユタ州以外の州では、空気の質の悪化が見られますが、それが、地形の影響や風の流れの変化で入れ替わります。

研究は、環境汚染協会による、低い、もしくは普通と考えられるpM2.5濃度に焦点を合わせ、開始されました。なお、pM2.5は肺に留まり、気道の狭窄をもたらし、過敏症と炎症をもたらし、肺の機能を低下させる、恐ろしい微粒子です。そして、PM2.5が低値から普通の値でさえ、呼吸器系の過敏症をもたらします。

キャシュバレ―の参加者は、血液検査と呼吸テストのため、一か月に二度、検査を受けました。
研究の結果は成功でした。プらセボに比べて、食事性抗酸化物質をより多く摂取したグループは、pM2.5による疾病リスクが低値でした。そこで、ユタ州立大学は、ユタ州北部の住人の野菜と生の果物の摂取を40%増やすことを、勧めています。日本国でも、近年、PM2.5濃度の上昇が認められるので、抗酸化栄養素を多く含む野菜と生の果物の摂取量を増やすことが必要、と考えられます。

References

 

Nutritional supplement study concludes at Utah State University: Utah State University News. Apr.5,2012

Contact and writer : Jacoba Poppleton, 435-797-9608, jacoba.poppleton@usu.edu