医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ショウガの健康上の利点(アルツハイマー病、過敏性腸症候群、がん、息苦しさなど)について 栄養医学ブログ

2014-07-25 15:47:05 | 健康・病気

 中高年の人々が感じている体不調は、将来に対する健康不安につながり、その人の運命をも左右します。この不安に対し、少しでも役立つ栄養医学的対策はないか、といつも頭を痛めています。そして、その対策は、以前のブログで述べましたが、更に、今回は、ショウガの健康上の利点について考えていきたい、と思います。

アルツハイマー病対策
皆さまの中には、認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症)の不安を抱えている人が多くいると思います。そうした人々や家族、親戚にアルツハイマー病に罹っている人がいるか、もしくは、体を弱らせる病気に悩んでいるなら、毎日の食事にすりショウガを取り入れたり、栄養サプリメントのビタミンB3(niacinamide)、ビタミンB群、ビタミンD、EPA,DHAなどの摂取を考えてみることです。ある研究では、一般的には、アルツハイマー病の前兆である脳細胞の損失を遅らせるのにショウガが有益であることを示しています。これらの脳細胞を保護することにより、認知機能障害を防ぎ、脳の健康寿命を延ばせる、と研究は示しています。なお、niacinamideは通販などで米国から輸入できます。認知症予防のために、それを摂取している人も周りで見かけます。

ガン対策
卵巣ガンなどを含む特殊なガンの治療にショウガが有益である、という証拠が増えつつあります。ある研究によると、ショウガは、卵巣ガンを実際、消退させ、卵巣ガン自身のガン細胞を自己攻撃し、殺すことはありうる、と研究は示しています。その他のガンに対してもショウガの効果を、多くの研究者が研究していますが、当方も他のガンにも有益、と考えています。また、まだガンに罹っていない人も予防栄養医学的見地から、食事にどしどしショウガを導入すべきだ、と考えています。なお、重度の胃腸障害の人や妊婦、授乳婦らは、使用量を減らしたり、中止する必要があります。3g/日以上の摂取は、人により吐き気などの副作用をもたらす可能性がありますが、全然平気の人もいます。また、空腹時でなく、食事と共に摂取するか、食後に摂取するのが安全です。

過敏性腸症候群対策
ある調査研究では、過敏性腸症候群の患者は、もっとショウガを摂取すると、その症状の緩和に気付き、喜んでいると報じられています。ショウガ入り料理、ショウガサプリメント、ジンジャティなどでも穏やかな効果が報告されています。

呼吸作用の改善
ニンニクのような食品でなく、ショウガには、呼吸作用(息苦しさ)を改善する作用があります。食事の終わりにショウガを食べると、胃に負担をかけないだけでなく、口内を清浄にし、すっきりします。お湯に入れ飲料として飲むと、口臭を消します。また、コ―ヒを飲むことによる、恐ろしい"coffee breath"も防ぐ、と研究は報告しています。なお、ドリップ式コ―ヒでなく、インスタントコ―ヒは"心臓の弱い人には"coffee breath"をたびたび起こす、と報告されています。コ―ヒ依存症の人は気を付ける必要があります。

一般的健康効果
体重減量、疲れた筋肉の回復、グルコース値のコントロール、栄養素の吸収促進、食欲刺激、モーニング症候群の改善、関節炎の緩和、喘息や風邪、それにPM2.5で炎症を起こした気道の拡張、血液循環の改善などに対するショウガの効果が報告されています。

マイナーな効果
体不調の改善、しもやけの治療、気分変動の改善、胃酸による胸やけの改善、ガスの減少、痛みの軽減、副鼻腔炎の改善などに対するショウガの効果が報告されています。

Reference

22 health benefits of ginger root &ginger tea: bembu. com

筆者の栄養医学ブログ記事は、bloggerブログのnutr-blog.blogspot.comとgooブログのblog.goo.ne.jp/h35p39の両ブログで発信しています。