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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

火山性ウィルス感染中

2014年09月11日 | 
以前、学生さんを連れてツアーに参加してくれた帝京科学大学の古瀬さんから、木に止まったまま青カビを生やして死んでいるセミと、アオバハゴロモの大量死について以下の情報をもらいました。菌に詳しい知り合いの方からの情報とのことでした。

ちなみにこれは3年前の夏の写真ですが…

森ではよく、こんなふうにカビが生えたまま死んでいるセミを見るので、私はなにも不思議に思いませんでした。

でも、古瀬氏は不思議に思い,調べてくれたようです。
いただいた情報によると…

「これは「セミカビ」というカビの一種で、セミが生きているときに感染し、だんだん水分が奪われてミイラ化する。枝などにくっつく理由はハッキリしていないが、胞子を遠く飛ばすために、菌がそこまで誘導するという説もある。」とのことでした。

へえ~!
菌が誘導!!←俄然興味が湧いて来ました。

そしてアオバハゴロモ。

大島にはウジャウジャいる、樹液を吸って生きる薄緑色の虫ですが…

今年は樹海の中に、木に止まったまま白くなっているアオバハゴロモが沢山います。

昨年まで、このような状態のものは見たことがなかったので、最初はとても驚きました。

これについても…
「詳しいことはわからないが、菌類のしわざとするならばボーベリア菌と考えられる。http://kuwashima.jp/hoshino/inai/kabi.html」とのこと。

またまた「へぇ~。」

このメールをもらって「ちゃんと写真を撮って来よう」と思っていました。
いつもツアー中で、まともな写真を撮れていなかったからです。

で、森に写真を撮りに行ってきたのです。

ちょうどCeMI( 環境防災総合政策研究機構 )のスタッフHさんが仕事明けで大島に残っていたので、つき合ってもらいました。Hさんは、洞爺湖有珠山のジオパークに立ち上げ当時から関わり、私と同じように「火山性ウィルス」に感染している女性です(笑)。

白くなったアオバハゴロモたちは、ひところより少なくなりましたが、まだこんな状態で見られました。

菌に感染したと考えれば、この状態も納得できる気がします。
「菌」ってスゴイ…。

樹海に入ってすぐに目的の写真を撮ることができたので、あとは雨上がりの溶岩の森を楽しみながら歩きました。

台風で倒れた木の幹から、沢山の若い枝が伸びていました。


再生する命!


ここでも、若い枝が瑞々しいです。


木のうろから、コケの胞子嚢が伸びていました!

これから森の中に、胞子を飛ばすのでしょうか?

体を支えるために、溶岩の隙間に入り込む樹木の根のたくましさも、この森の見所です。


時には溶岩を突き破ったり…


溶岩の上を這うように根を伸ばすことも。


時には戦い負け、このような姿になることもあります。


溶岩に寄りそって嬉しそうなHさん。

火山好きには、たまらない森です。

私も同じウィルスに感染しているので、反応する場所が同じです。
ここでも…

木に取り囲まれた溶岩を見て、
2人で「スゴイですよね!この風景!!」と惚れ惚れ(笑)。

溶岩の上に“顔”を見つけ…

(え?顔に見えません??)

クネクネしながら遊び…


崖崩れの様子を観察して…


最後にようやく、緑色のカビをつけたセミの死骸を見つけました。

手を伸ばしても届かないぐらい高い位置でミイラ化しています。

緑色のカビは、幹の上の方までビッシリ生えていました。

これならセミに頼らなくても、自力で充分胞子を飛ばせそうですが…?
それとも、菌に感染したセミを介して菌が広がることができるとか…??

知れば知るほど疑問が増える…火山も、植物も、虫も菌も、本当に奥深いです。

(カナ)

PS.今日の写真のほとんどは、CeMIのHさんからいただきました。
私のカメラには電池が入っていなかったので…笑。

Hさん、ありがとうございました!
コメント (2)
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