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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

伊豆半島ジオパークの皆さんと。(1日目)

2014年09月07日 | ツアー
週末の2日間、まちこん伊東「伊豆を学ぶ」の講座の一環で、伊豆大島を訪ねて下さった皆さん(伊豆半島ジオパークのガイドさんも多い)を案内しました。目的は大島の火山と災害を学ぶこと、と聞いていました。

で、昨日は「昨年の台風26号土砂災害」をテーマに、元町地区を歩いて回りました。(災害現場や砂防ダムは、道が細くて大型バスが入れないので、大人数のツアーは歩きになります。)

集合場所は、火山博物館駐車場。昨年、土石流の流れた駐車場横の沢には、現在上流まで何重にも金属ネットが張られているようです。

昨日のツアーは、このネットからスタートしました。

続いて、およそ1700年前の激しい噴火で、山から流れ下って積った地層を観察。

大小さまざまな白っぽい石が、いくつも入っています。

次に、博物館の前にある赤い大きな岩を観察。(写真では岩がよく見えませんが…)

”赤い大きな岩”が、どうやってできたのかを皆で考えました。
(火山専門家の方の意見を載せた9ヶ月前のブログはこちら)
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/ce7623e2b7c62ba15b2e0fc0f99a1d7f

火山博物館の中も、皆さん熱心に観察されていました。

一番評判が良かったのは、地層の剥ぎ取り標本でした。

気象庁の火口が見えるライブカメラも、新たに設置されていました!

リアルタイムで火口の様子が見られるのは嬉しいです。
(濃霧の時は真っ白なので、他の映像に変わるようです。)

博物館を出た後は、ホテル椿園さんへ。

台風26号の土砂災害で被害にあわれたホテル椿園の奥様(清水さん)は、現在語り部として活動されています。

この日はNHKの取材も入っていました。

清水さんは、被災当時の状況や、お客様が助け合って避難をできたこと。なくした物も多かったが新たな出会いもあり、災害を転機に学んだことも沢山あったことなどを、語ってくれました。

そして「亡くなった方達のことを思うと、こうして語ることもどうだろうという思いもあるが、私が話したことを皆さんに持ち帰ってもらい周りの人に伝えてもらうことで、これから被害に遭う人が少しでも減ればと思って続けている。」という主旨のことを話されていました。

室内を案内してもらいながら屋上へ。

壁に残った土砂の跡から、当時の状況が実感できます。

崩れた斜面を見上げながら、今後の復興計画などについても話してくれました。

伊豆半島の皆さんからも、いくつか質問が出ていました。

ところで台風26号の土砂災害では、ほんのわずかな違いで無事な建物とそうでない建物に分かれましたが、ホテルの敷地内にもその両方が残っています。

こちらは半壊と評価された建物。

すぐ裏には、全く被害のなかった建物もあります。
両方を見学してから、大金沢の砂防ダムへ移動。

災害当時の写真を見ながら、傷だらけの鉄パイプを観察。
歩き続けて疲れたので、ここで少しだけ休憩しました。


太陽の日差しが照りつけて蒸し暑く、熱中症が心配になるほどでしたが、さらに頑張って1986年の溶岩流まで歩きました。

皆さんかなり疲れたと思いますが、全員無事に歩ききることができました。
(この日の歩数は10、000歩越え…本当にお疲れさまでした!)

この後は、希望者のみお寺で、昔の島の暮らしに欠かせなかった「井戸」を観察。
これは屋根から流れてくる水を、トヨで集めて溜めておく仕組みです。

我々の騒がしさにガラリと窓を開けたお寺の住職さんは…「この井戸は防火用で、飲み水の井戸は別にある」と教えてくれました。(驚かせてスミマセン)

元町では今も、飲料用の水はこの井戸から得ている方が多いのだそうです。

「雨の降り始めは屋根のゴミが入るので、しばらくたってからパイプをつないでキレイな水を溜める。」とのこと。なるほど!(感心)

椿油の製油所も立ち寄りました。
ここでも4代目のご主人が、新しいパネルを使って、椿油の作り方を説明してくれました。

大島の伝統を、快く語ってくれる皆さんに感謝です。

さて、ツアーの最後にホテルの一室を借りて、土砂災害について私が知っている限りのことを説明し、伊豆半島の皆さんと語り合いました。

「災害をどう伝えていくか?」「どうやって忘れないようにするのか?」「ジオパークだからこそ、できることがあるのではないか?」などなど…。皆さんと一緒に考えることができて、嬉しかったです。

伊豆半島ジオパークの皆さん、ありがとうございました!

(カナ)






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