大方の予想通り新人王は石毛と原でしたが2人以外の選手も活躍し、前評判通りの
「当たり年」と呼んで差し支えないと思います。
・中尾 ( プリンスH→中日1位指名 980試合 699安打 109本塁打 打率 .263 )
「光栄です。満塁本塁打を放った気分」 ドラフト前夜は本人以上に父親が高ぶる気持ちを抑える為に近所の神社で
「お百度」を踏んだとのこと。その甲斐あってか意中の中日が1位指名し気色満面の記者会見は、まるで入団会見のよう。
近藤監督は「木俣の後継者。唯一の難点はスローイングだが、それを直せばすぐ使える。木俣と併用するのは勿体ない。
外野手としての二本立ても考えている」
・中田 ( 日産自動車→阪神1位指名 226試合 33勝 23敗 14S )
横浜高では愛甲の前代エースで亜細亜大進学後に家庭の事情で中退。その後に日産自動車に入社、スカウトの目に
留まったのは今年夏の世界アマ野球日本代表との壮行試合で先発して、全日本を3回1安打に抑える好投がきっかけ。
会社側は「都市対抗に出るまであと1年…」と慰留の姿勢を見せるも「本人の意思を尊重する」としている為、阪神入りに
大きな支障にはならない。
・石本 ( 滝川高→近鉄1位指名 267試合 35勝 19敗 48S )
昨秋の近畿大会、石本は名門滝川高のエースナンバー「1」を付けながらも登板する事が無かった。兵庫県予選で露呈した
ノーコン病のせいで一塁手で起用されたからだ。「名前だけのエース」から脱却する為に練習に明け暮れ遂にエースの座を
取り戻したのだ。そして今春センバツ大会で四国の鳴門高戦で完封勝利し、プロの評価もAランクに一変した。愛甲投手と
比べても完成品であり即戦力に近い投手である。
・駒田 ( 桜井商→巨人2位指名 2063試合 2006安打 195本塁打 打率 .289 )
高校通算本塁打はドカベン香川を超える。駒田を一躍有名にしたのが今年の奈良県春季大会の強豪天理高戦での出来事。
無死満塁で駒田をむかえると何と敬遠したのだ。「本塁打で4点取られるより押し出しの1点の方が得策」とは相手の監督談。
ただ香川が太り過ぎで論議を呼んだように「いい打撃センスを持っているのは認めるが果たしてあの巨体を使いこなせるのか
(ヤクルト・片岡スカウト)」と体格を懸念する声も。球審の判定にクレームをつける異色選手が優等生そろいの巨人に馴染む
ことが出来るのかどうかも注目のひとつ。
他に指名された選手の中にも、大石(近鉄)・高木(横浜)など結果を残せた選手がいた一方で
芽が出なかった選手もいましたが、その筆頭が竹本由紀夫投手でしょう。
・竹本 ( 新日鉄室蘭→ヤクルト1位指名 37試合 0勝 5敗 0S 防 4.71 )
「彼ひとりで成果は90%以上」と武上監督に言わしめる程の男なのだ。昨年のロッテ1位指名、ロッテの追い込みは一説には
「契約金7千万、年俸6百万円」と破格だったが頑として拒否、「在京セ希望」を貫いた。近鉄との競合となったが見事ヤクルトが
引き当て満願成就となった。ヤクルトが提示する条件は「契約金5千万、年俸5百万円」とロッテの条件を下回る予想だが本人は
「条件は二の次」とのこと。今夏の世界アマ野球では4勝をあげるなど実績は木田(日ハム)に引けをとらず、新人王は原ではなく
この竹本が本命である。
ドラフトで当たり・ハズレがあるのは当然ですが、この竹本くらい大ハズレだったのはあまり
記憶に有りません。社会人野球のエースとして全日本にも選ばれ国際試合でも結果を残し
ドラフトでも2度の1位指名。過去にもドラフトで複数回指名された選手がいましたが、その
多くがプロで結果を残しました。森繁和(ロッテ・西武)、小池(ロッテ・近鉄)、藤沢(計5回指名)
特に竹本の様に2年連続で1位指名された投手となると江川(クラウン・阪神)以来です。