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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 381 ドラフト展望 ⑤

2015年07月01日 | 1983 年 
【阪神タイガース】:高野、池田、和田、とにかく投手が欲しい…元々が弱体投手陣の所に加えてエースの小林が突然引退してしまい何が何でも投手の補強が必要となった。❶高野(東海大)❷池田(日産)❸和田(法大)❹中西(リッカー)これが大雑把に見ての1位指名入札候補(順番は現段階でのスカウト陣の評価)である。とにかく " 今すぐ使える投手 " が必要なのだ。「マスコミの皆さんは宣伝上手だから名前の出た投手は全員が直ぐにでも2ケタ勝てるように勘違いするけど実際は社会人出身でも2~3年は鍛える必要がある」が安藤監督の持論だがこれはここ数年の「即戦力」の筈だった中田や大町あたりでの実体験から得た結論であろうか?

安藤監督の意見を好意的に受け取ればドラフトだけではなくトレードも含めた補強に目途が立っているのかもしれない。何はともあれ投手を指名するのは間違いなく抽選次第では水野(池田)や仲田幸(興南)といった高校生も1位指名と成り得る。また「投手、投手と言いますが長期的なチーム展望からすれば野手も補充しなければならない(小林スカウト部長)」から池山(市立尼崎)を狙う動きもある。昨年の1位は木戸の単独指名に成功した。それは田丸・小林両スカウトの法大OBラインの賜物だったが今年も和田(法大)獲得に大いに利用する腹づもりだ。



【中日ドラゴンズ】:藤王は譲れないが山内新監督は投手に未練…近年の中日のドラフトで今年ほど方針が明確な年はない。1位指名入札は地元の藤王(享栄)以外あり得ない。「ポスト谷沢は彼しかいない(田村スカウト部長)」「何が何でも藤王を獲れ(堀田球団社長)」と日を追って藤王獲得熱はヒートアップしている。球団は故障中で出番の無かった水谷投手を6月にスカウトに転身させ藤王番としてピッタリマークさせている。その水谷は11月のスカウト会議で「外堀はほぼ埋めた。両親は勿論、学校関係者の支持は取付けた」と豪語した。藤王獲りは中日本社の意地とメンツがかかっている。

フロント主導となった今年のドラフト。新任の山内監督と言えども口を挟む余地はない。山内監督は「守ってこそ野球」と高野(東海大)や水野(池田)の名前を挙げているが、過去に槙原(巨人)や工藤(西武)をミスミス他球団に獲られた事に東海地区の反発は強く再び地元のスター選手を逃がしたら堀田球団社長の責任問題に発展しかねない。首尾よく藤王を獲得できた後は野中・紀藤(共に中京)、仲田幸(興南)、池山(市立尼崎)、穴吹・林(共に岐阜第一)、伊藤(享栄)あたりを獲得する狙いだ。



【ヤクルトスワローズ】:水野に御執心。一方で左腕投手と捕手に色目…中途半端な即戦力よりもパワーとスピードに溢れた素材の獲得、これが今ドラフトの方針だ。田口スカウトの「朝9時の新幹線に乗って午後2時くらいに着く所にいる選手が欲しい」によるとそれは水野(池田)という事になる。パワーとスピードの条件にピタリと嵌り人気も申し分なし。また使える左腕がベテランの梶間ひとりという事情から将来のエース候補として小野(創価)や仲田幸(興南)もリストアップされている。チームの弱点は捕手陣にもあり大矢が兼任コーチとなった以降は八重樫ひとりと心もとない。そこで仲田秀(興南)、野村(熊本工)を調査中だ。

野手に関しては武上監督から「内野手でチームリーダーになれる選手が欲しい。出来れば大学で揉まれていて統率力のある選手を獲って欲しい」と注文が出されている。主将、もしくは副主将で全日本クラスとなると的は絞られてくる。主将を務めた銚子(法大)か白井(駒大)、或いは小早川(法大)か西浦(近大)あたり。このうち銚子は大洋が1位に指名するのではとの情報があり分析を進めている。「とにかく欲しい選手を指名する。重複も覚悟だ(田口スカウト)」と昨年は荒木を抽選で獲得しているだけに運には自信があるようだ。

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