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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 864 週間レポート 大洋ホエールズ

2024年10月02日 | 1977 年 



流れ流れてどうなんの…
猛暑が続いたと思ったら今度は秋の長雨が連日シトシト。この影響を良きにつけ悪しきにつけ受けたのが大洋ナインだ。12日の巨人戦を平松投手の力投で勝ち、「さぁ残りの試合も頂きだ(別当監督)」と意気上がったのも束の間、13・14日の巨人戦が雨天中止に。「まぁいい休養になる」とここまでは大洋ナインの表情も穏やかだった。だが後が悪かった。16日の練習は3日分の練習不足を取り返そうと多摩川で泥まみれになって猛練習となり大洋ナインはヘトヘトになり、翌日は18日の静岡での阪神戦の為に新幹線で移動した。曇り空を眺めながら「阪神戦は大丈夫かな」と不安な表情を浮かべた。

その不安は的中した。大洋ナインが草薙球場に入ったとたんに待っていたかのように土砂降りとなり試合は中止に。「俺たちは何しに静岡まで来たんだ」と愚痴った。しかもお盆の時期と重なって全員一緒に帰京する新幹線のチケット入手が難しく、牛込マネージャーは「各自めいめい帰って下さい!」とヤケ気味に指示をしたが、なんと大半の選手が座れず立ちっ放しで帰京する有り様だった。ツイてないのはこれだけではない。翌19日の阪神戦(川崎)も雨天中止となり7日連続の休養となり、手持ち無沙汰の大洋ナインを横目に頭を悩ませているのが堀本投手コーチだ。

投手のやり繰りは普段でも大変なのにこの雨の影響で苦労は増した。「雨でグラウンドが使えず走り込み不足、投げ込み不足になってしまった。かといって登板予定の投手に無理な練習はさせられない。どうすりゃいいんだ」と堀本コーチは雨空を見上げてブツブツ。投手陣の中でも最大の被害者は斎藤明夫投手。新人ながらローテーション入りしているが何度か先発起用を告げられてもその都度雨で中止になり精神的に追い込まれた。「胃の当たりがキリキリと痛い。食べ物にあたったわけじゃあるまいし何でやろう。こんなの初めての経験」と日頃の強気な態度も消えてダンマリを決め込んだ肝っ玉ルーキー。


貫 禄
にぎやかな選手が帰って来た。今シーズン開幕当初に二軍落ちしていた関本投手が8月11日のヤクルト戦から一軍に復帰した。10日に合流した関本投手は先ずは「やぁ君たち俺の留守中は元気だったかい?」と二軍暮らしもなんのその、得意の舌先での先制攻撃に大洋ナインは意表を突かれた。特に投手陣は若手主体なので関本投手の貫禄ぶりに返す言葉もなかった。「そろそろ働かないとオマンマの食い上げ。せっかく大洋に来て戦力にならずじゃチームに申し訳ない。今までの分も取り返すよ」と言うが、肝心の直球のスピードは往年には程遠く首脳陣の評価も芳しくない。関本投手にとって前途は多難のようである。

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