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Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 892 756号 ⑤

2025年04月16日 | 1977 年 



初めて守ったライト
8月31日の大洋戦の1回裏に世界タイの755号を打ったあとに王選手はペナントレースでは初めて1イニング限定で右翼の守備位置に就いた。新人時代にオープン戦で右翼から一塁に転向して以来、公式戦では一塁以外を守ったことはない。この日で通算2426試合出場。2000試合以上の出場した10人の選手の中で一つのポジションしか就かないのは王選手だけだ。 " 生涯一捕手 " と呼ばれている野村監督だが実は捕手以外に一塁を6試合、外野を3試合守っている。

公式戦以外では昭和44年の東西対抗第2戦、翌45年のオールスター第2戦、更に今年のオールスター戦では2試合右翼を守っている。幸い?なことに右翼手・王選手の所には一度も打球は飛んでこなかった。公式戦で初めて守った今回は長崎選手が放った右翼前打を無難に処理しただけで済んだ。右翼手・王選手の通算守備成績は5試合で依然、守備機会(刺殺・補殺・失策)はゼロである。


四球も世界新
今シーズンの王選手は本塁打記録より前に " 世界新記録 " を達成している。それは四球である。大リーグの最高記録はベーブルースの2056四球。ハンクアーロンはグッと少なく1420四球。王選手は昨シーズンまで1989四球(死球は除く)。7月16日の広島戦で今シーズン67個目の四球を選んでルースの記録に並んだ。翌17日の広島戦の2四球で世界新を樹立し、目下97四球で着々と世界記録を更新し続けている。死球を含めると100個を超えるだけに本塁打を放つ機会を失うことにもなる。

10.4打席に1本塁打を放っている割合の王選手なら、せめてアーロン並みの四球数なら600打席は多いわけで割合からすれば60本ちかい本塁打が加算されていてもおかしくない。日米の球場の広さや野球のレベルの違いがあるので世界新記録と呼ぶことに議論が交わされているが、王選手が物凄いペースで本塁打を放っているのは厳然たる事実だ。アーロンは1万2364打席で755号を放ったが王選手は7871打席で達成したのである。


三振も多いけど
四死球で断然トップの王選手は通算三振数は1125個で1354個でトップの野村監督に次ぐ2位。洋の東西を問わず長距離砲にとって三振は付き物でルースの1330個は長らく大リーグ記録だった。プロ2年目の昭和35年には101個、同37年には99個と三振が多い選手だった。昭和35年7月31日の阪神戦で4三振を喫し、7月15日以来12試合連続三振を記録した。一本足転向直後の昭和37年7月22日の対国鉄ダブルヘッダー戦では両試合3三振ずつ計6三振もしている。

そんな王選手も最近はめっきり三振が少なくなった。昨シーズンは45個、今シーズンは開幕から43打席目が最初の三振だった。8月20日の阪神戦で3三振したが26個目と少ない。あれだけの本塁打を放つ選手としては驚異的に少ない三振数だ。昨年までシーズン年間40本塁打以上を放った延べ34選手の年間平均三振数は58.6個なので王選手の三振数は明らかに少ない。王選手は取りも直さず今や技術の頂点を極めたという感じである。



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