「風の時代」を生きる

人生に必要なのは、勇気と想像力、そしてsome moneyだ。

チャールズ・チャップリン

一文無し(番外編)

2017-09-04 09:49:11 | ・世界一周2周り目編
2010/9/13 (月)

これはグァテマラを旅していた時に、本当に起きたことだ。

この旅は私の妄想の旅なので、お金を盗まれ辛い思いをしたことなど書く必要はないのだが、外国で一文無しになるなど、めったにできるものではない貴重な体験だったのであえて書きたい。

また、不幸にも私のようにお金をほとんど盗まれた時の対処として、思い出してもらえたらいいと思っている。


一文無しになってしまった。パスポートを含む貴重品を全て盗まれたのだ。残されたのは大きなバックパックの中にある服と着替えだけ。

それはある朝、グアテマラ・シティーのバスターミナルのバスの中で起こった。

ホンジュラスとの国境近くの町チキムラ行きのチケットを購入し、服などの盗まれても構わないものが入ったバックパックをバスのトランクに入れ、パスポートやお金(米ドル)等の貴重品を小さなナップサックに入れ手荷物としてバスに乗った。

バスに入ると私よりも早く一人の男がバスの中で何か作業をしていた。私はバスの車掌か何かがバスの掃除でもしているのだろうと気にも留めないでいた。

するとその男がしきりに荷物を棚の上に置けと言う、自分で持つから大丈夫だと言ったが、あまりにしつこく言うので、そんな規則もあるのかと頭上の棚に置いた。

出発まで何をするでもなくくつろいでいた。しばらくして何かをナップサックから取り出そうと上の棚に手をやると置いたはずのナップサックが無くなっていた。男はすでに立ち去っていた。

サーと血の気が引いた。そして盗まれたと気づいた。あの男があんなに執拗にナップサックを上の棚に置けという意味がわかった。

しかし、もうどうすることもできない。

しばらくこの現実をどのように解釈していいか解らなかった。これは何かの間違いだ。悪夢よ早く去ってくれ。バスを降りる気力もなく、ずーと中にいた。

しばらくすると他の乗客も乗り込んできて運転手まで乗り込んできた。このままここにいたらまずいと、とりあえずトランクに入れてあったバックパックを取り出しバスの待合室で心と頭の整理をしていた。

手持ちのお金はわずか80円相当の現地通貨しか持っていなかった。




(続く)
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