面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ムカデ人間」

2011年09月29日 | 映画
ニューヨークからやってきた二人の若く美しいアメリカ人女性、リンジー(アシュリー・C・ウィリアムス)とジェニー(アシュリン・イェニー)は、レンタカーでヨーロッパ各地を旅行していた。
ドイツに滞在したある夜、彼女たちは道に迷い、さらには車のタイヤがパンクして、森の中で孤立してしまう。
偶然通りかかった車に助けを求めようとするが、ドライバーの男は英語が分からず話が通じない。
携帯電話も電波圏外で繋がらず、途方に暮れた二人は、歩いて助けを求めることにした。
雷鳴が轟き、雨が降り出す中、二人はようやく一軒の大きな家の灯りを発見。
その家には、隠遁生活を送っている高名な外科医のヨゼフ・ハイター博士(ディーター・ラーザー)が一人で住んでいた。
博士は二人をリビングへ通すと、電話をかけるふりをしながらグラスの水に睡眠薬を入れ、二人に手渡した。
何の疑いも無くその水を飲んだジェニーとリンジーは意識を失う。

二人は、博士自ら拉致してきた日本人男性カツロー(北村昭博)と共に、地下室に並べられた患者用のベッドに拘束されていた。
博士は三人に対して、自分が結合双生児の分離手術のエキスパートとして知られる外科医で、半年前に三匹の犬の口と肛門を結合させ一つの生命体に変えることに成功したことを自慢げに解説する。
そして今回、それを人間で行うという。
三人は、博士のおぞましい目的のために集められたのだった…


オランダの鬼才トム・シックスが放つ、「衝撃のインモラル・センセーション」。
オランダ、イギリスの合作でドイツ人俳優ディーター・ラーザーを主役に迎えた本作は、誰しもの想像を絶するショッキングな内容から、本国やアメリカで公開された途端、大きな物議を醸し映画界を震撼させたというが、当たり前だ!

かつて結合双生児の分離手術の権威であった博士は、これまで「分離」し続けてきたことの反動からか何なのか、「結合」により新たな生命体を創ることを夢見ている。
博士の夢は、複数の人間の口と肛門をつなぎ合わせ、胃腸を一体化させることで一つの生命体となる「ムカデ人間」を創りあげることなのだ。
どう考えても、誰が何と言おうと、この博士は頭がおかしい。
頭がおかしい博士が作り出すおぞましい世界の中で、泣き、呻き、蠢く「ムカデ人間」の痛々しい姿に胸苦しくなってくる。

マッドサイエンティストの狂気を描く、タイトルからしてイッてる本格的カルト・ホラー。
久しぶりに観終わった瞬間、どっと脱力した。
あー、顔とお尻が痛い…

そういえばシリーズ化の話もあるようだが、あの悪夢の続きがどうなるのかというところは物凄く気になるが、観たいような、しかし痛いような……!


ムカデ人間
2009年/オランダ=イギリス  監督 トム・シックス
出演 ディーター・ラザール、北村昭博、アシュリー・C・ウィリアムス、アシュリン・イェニー


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