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「ターミネーター:新起動/ジェニシス」

2015年07月21日 | 映画
2029年のロサンゼルス。
1997年の「審判の日」に、人類を守るためのシステムのはずだったスカイネットが核兵器で30億人もの人類の命を奪って以来、機械軍によって支配され続けてきた人類が、その闘いにようやく終止符を打とうとしていた。
機械軍中枢への攻撃態勢を整え、とどめを刺すべく全軍を鼓舞する抵抗軍のリーダーはジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)。
機械軍との戦い方を指導し、敵の動きを常に先取りして人類を指揮してきた彼は“預言者”と呼ばれていた。
そんなジョンに付き従っていたカイル・リース(ジェイ・コートニー)は、彼と共に機械軍の“最終兵器”を破壊するべく最終決戦に臨む。

戦闘が始まり、激戦が展開されたが、ついに別働隊が機械軍中枢の破壊に成功。
人類は勝利を収めたかに見えたものの、ジョンとカイルの部隊が突撃したときには、自らの敗北を悟ったスカイネットは既に“最終兵器”を作動しいていた。
ジョンの母親であるサラ・コナー(エミリア・クラーク)を抹殺し、ジョンが産まれなかったことにしようと、タイムマシンを使ってターミネーターを過去に送り込んでいたのである。
ターミネーターは1984年に送り込まれていることが判明。
サラ抹殺を阻止するため、カイルはタイムマシンで過去に向かうことを志願、タイムマシンが起動してカイルが時を超えようとしたその瞬間、ジョンが何者かに襲われる姿が彼の目に映る…


1985年、日本で公開された「ターミネーター」を観たときの衝撃は凄かった。
サラ・コナーを抹殺することだけをプログラミングされ、現代の攻撃では容易に破壊することのできな超合金で作られたボディを持つ、未来から送り込まれてきた殺人マシーンが、どこまでもサラを追いかけてくるスリルに、手に汗握りながら瞬きも忘れてスクリーンを凝視し続けたもの。
世界的なヒットとなった「ターミネーター」は続編が作られて人気シリーズとなり、無機質な殺人マシンを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーが一躍スターダムにのし上がるとともにターミネーターも“善玉”となった。

第一作の「ターミネーター」から30年。
アンドロイドという機械であるはずのターミネーターが歳をとるという設定が作られ、12年ぶりにアーノルド・シュワルツェネッガーが戻ってくることになった「ターミネーター:新起動/ジェニシス」。
スカイネットが“切り札”として送り込んだターミネーターT800は、昨今のVFX技術を駆使して往年の姿(若かりし頃のアーノルド・シュワルツェネッガー)が復元されて現れるが、その日を待っていたという“現在の”アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT800に倒される。
その瞬間、30年前に受けた衝撃の思い出と恐怖の殺人マシンに対するノスタルジーは雲散霧消。

エミリア・クラーク演じるサラ・コナーも、リンダ・ハミルトン演じる“初代”より肉感的でセクシーで魅力はアップした(感想には個人差があります)。
しかも登場シーンでいきなり、ピンチに陥ったカイルを助ける戦闘能力を備えた強い女性となっていて、“初代”の初登場時のか弱さは微塵もない。
なんとなればまだ彼女が幼い頃、何の前触れもなく家族ともども未知の相手から襲撃を受けたところを突如現れたT800によって救出され、彼によって育てられたのだから強いのも当然。

更には、人類の救世主たるジョンまでもが予想だにしないシチュエーションでカイルとサラの前に現れるに至っては、これはもう全く新しい物語。
過去の作品に対する思いはすっかり消え去って、物語が正に「新起動」するのである。


人間が作り出し、人類を守るべくプログラミングされているはずのスカイネットが、自我を持ち、人類を駆逐し始める展開は、これだけインターネットが普及し、スマートフォンによって常にネットワークとつながっている状況が生まれ、しかも人工知能がどんどん発達していく今、第一作の「ターミネーター」が公開された頃よりもはるかに信憑性が高くてゾッとする…

往年の人気SFアクションシリーズが新たな命を吹き込まれ、より娯楽度を高めたアトラクションムービーとして「新起動」♪


ターミネーター:新起動/ジェニシス
2015年/アメリカ  監督:アラン・テイラー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、エミリア・クラーク、ジェイソン・クラーク、ジェイ・コートニー、イ・ビョンホン、J・K・シモンズ、マット・スミス、コートニー・B・ヴァンス、マイケル・グラディス、サンドリーヌ・ホルト、オットー・サンチェス


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