面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「魍魎の匣」

2008年01月04日 | 映画
大学生の頃観た「ドグラ・マグラ」を思い出した。
前作の「姑獲夏の夏」よりも伝奇小説的雰囲気が醸し出されていて、気色悪さが心地よい(別に猟奇趣味は無いが)

舞台は戦後間もない東京。
女優、柚木陽子(黒木瞳)の娘が行方不明になり、探偵・榎木津(阿部寛)が調べていた。
一方、作家・関口(椎名桔平)と記者・中禅寺敦子(田中麗奈)は、不幸を“箱”に封じ込める謎の教団の実態と陰謀を掴むべく調査を進めていた。
更に、巨大な箱型の建物と連続美少女バラバラ殺人事件の謎を追う刑事・木場(宮迫博之)。
全ての事件は複雑に絡まり、一つに繋がっていた。
それぞれの謎を解くため、彼らは古書店・京極堂の店主、中禅寺秋彦(堤真一)のもとに集まった…

以前流行った都市伝説、「いもむし人間」をもとにしたような物語。
手足を切り落とされ、箱の中に詰め込まれる美少女たち。
新興宗教の裏に隠されたマッド・サイエンティスト(柄本明が怪演)の狂気に翻弄される悲劇。

もうひとつ、映画「ボクシング・ヘレナ」を思い出した。
もっとも本作は、愛する人を箱詰めにして独占したいという歪んだ愛情を描くものではなく、突拍子も無い科学実験の犠牲者としての「いもむし人間」であるが。
自身が狂気にまみれ、最後には狂気の犠牲となる久保をクドカンが好演。


魍魎の匣
2007年/日本  監督・脚本:原田眞人
原作:京極夏彦
出演:堤真一、阿部寛、椎名桔平、宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳、宮藤官九郎、柄本明、清水美沙、篠原涼子、マギー、堀部圭亮、荒川良々、笹野高史


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