面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「サロゲート」

2010年02月02日 | 映画
近未来。
人類の98%は、「サロゲート」と呼ばれるロボットに日常生活を代行させていた。
街中を歩いている美男美女は、実は人間ではなく全て「サロゲート」。
人々は自宅で、「サロゲート」と“リンクをはる”ための通信装置に身を委ねたまま、代理ロボットを通じて世の中と関わっているのだった。

ある夜、クラブの前で青年と若い女性が殺された。
と言っても二人は「サロゲート」で、どちらも眼球を破壊され、後頭部に埋め込まれているIDチップも黒こげになっていた。
FBI捜査官のグリアー(ブルース・ウィリス)とピータース(ラダ・ミッチェル)は、女性の「サロゲート」の持ち主を訪ねると、そこには太った男が目から血を流し死んでいた。
「サロゲート」の破壊によって持ち主まで死んでしまうという、安全神話を覆す、ありえない事件が発生したのだった…

「サロゲート」の持ち主は、自らが事故や犯罪に遭う心配はなく、また危険な仕事や汚い不潔な作業などは「サロゲート」にさせればよい。
しかも「サロゲート」は、何も自分自身をそのままモデルにする必要はないのだから、必然的に街中には美男美女が溢れる。
「サロゲート」を通した生活を謳歌する人類。
その世界は正にユートピア♪
…のはずだったが、「サロゲート」を介した殺人事件が勃発し、一気にその理想が崩れていく。

しかしそもそも、「サロゲート」なる代行ロボットを介した生活が、本当に理想的な生活なのか?
もともと「サロゲート」は、身体に障害を持った人々が、健常者として生活できるようにとの意図で開発されたもの。
それが、戦場で兵士の代わりに戦う武器となって量産され、改良が加えられて日常生活で用いられるものとなっていく。
人間が本来持っている“ズボラな心”と“虚栄心”をくすぐり、瞬く間に全世界へと普及したのだろうが、生活の全てを委ねてしまったとき、果たしてそれは“生きている”と言えるのだろうか?

「ネトゲ廃人」なる本が話題になったりしているが、バーチャルな世界でしか生活できない人間が増えている昨今に一石を投じ、警鐘を鳴らすSF活劇。
ツルンとした肌に、フサフサした金髪のブルース・ウィリスの姿は一見の価値アリ♪


サロゲート
2009年/アメリカ  監督:ジョナサン・モストウ
出演:ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザムンド・パイク、ジェームズ・クロムウェル


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