ご存知シルベスター・スタローンの当たり役ロッキーの最終話である(はず)。
前作から16年も経っていたとは知らなかった。
ぶっちゃけた話、ロッキーを劇場で観たことがなかった。
だいたいロッキーシリーズ自体、第1作の「ロッキー」をテレビで観ただけ。
2作目以降のシリーズは、実はテレビでさえも観ていない。
基本的に格闘技系の映画にあまり興味が無いし、シルベスター・スタローンも好きな俳優でもない(ファンの皆さんには申し訳ないのだが、どちらかと言うと暑苦しくて嫌いな部類に入る)。
しかし、世界中に多くのファンを獲得し、彼・彼女らを魅了してきたシリーズの、復活編であり最終回でもある本作に敬意を表する意味を込めて、今回は観ておこうと思っていた。
1日に4本の映画をハシゴした最後に観るには丁度イイ、実に単純明快なストーリーにして潔い仕上がりの、非常に“後口”の良い作品だった。
随所に「ロッキー」の“名場面”が引用されていて、ファンにはたまらんのだろうなぁと思いつつも生卵をイッキ飲みするシーンとフィラデルフィア美術館前でのガッツポーズには、ノスタルジックなキモチにさせられた。
その一方で、「ロッキー」のシーンをフラッシュバックさせつつ、仲間のポーリーに過去に浸るロッキーをこき下ろすセリフを言わせるところは面白い。
途中の説教臭いシーン(息子に対して説教するのだから当り前だが)で退屈したり、ロッキーが自ら経営するレストランで客に対するサービスとして過去の試合を語って聞かせるシーンに侘しさを感じたり、はたまた現役の若きチャンピオンとの対戦で相手に本物のボクシングを気付かせたり。
やはりロッキーも歳を取ったものよ…と感嘆せずにはいられないところは、何となく痛々しさを感じた。
しかし、年老いたヒーローの役割(とでも言えばいいだろうか、そういうもの)を、物語の中に巧く織り込み、嫌味の無い仕上がりになっている。
現役チャンピオンとのエキシビジョンゲームを戦うラストシーンは、かつて一世を風靡したロッキー・バルボアというヒーローの引き際に相応しく清々しい。
正真正銘のファイナルとして、過去のシリーズにも輝きを与える“行儀の良い”作品。
スタローンて、案外イイヤツなのかも。
(…これで続編を作ったら大悪人だ)
「ロッキー・ザ・ファイナル」
2006年/アメリカ 監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、ジェラルディン・ヒューズ、マイロ・ヴィンティミリア、トニー・バートン
前作から16年も経っていたとは知らなかった。
ぶっちゃけた話、ロッキーを劇場で観たことがなかった。
だいたいロッキーシリーズ自体、第1作の「ロッキー」をテレビで観ただけ。
2作目以降のシリーズは、実はテレビでさえも観ていない。
基本的に格闘技系の映画にあまり興味が無いし、シルベスター・スタローンも好きな俳優でもない(ファンの皆さんには申し訳ないのだが、どちらかと言うと暑苦しくて嫌いな部類に入る)。
しかし、世界中に多くのファンを獲得し、彼・彼女らを魅了してきたシリーズの、復活編であり最終回でもある本作に敬意を表する意味を込めて、今回は観ておこうと思っていた。
1日に4本の映画をハシゴした最後に観るには丁度イイ、実に単純明快なストーリーにして潔い仕上がりの、非常に“後口”の良い作品だった。
随所に「ロッキー」の“名場面”が引用されていて、ファンにはたまらんのだろうなぁと思いつつも生卵をイッキ飲みするシーンとフィラデルフィア美術館前でのガッツポーズには、ノスタルジックなキモチにさせられた。
その一方で、「ロッキー」のシーンをフラッシュバックさせつつ、仲間のポーリーに過去に浸るロッキーをこき下ろすセリフを言わせるところは面白い。
途中の説教臭いシーン(息子に対して説教するのだから当り前だが)で退屈したり、ロッキーが自ら経営するレストランで客に対するサービスとして過去の試合を語って聞かせるシーンに侘しさを感じたり、はたまた現役の若きチャンピオンとの対戦で相手に本物のボクシングを気付かせたり。
やはりロッキーも歳を取ったものよ…と感嘆せずにはいられないところは、何となく痛々しさを感じた。
しかし、年老いたヒーローの役割(とでも言えばいいだろうか、そういうもの)を、物語の中に巧く織り込み、嫌味の無い仕上がりになっている。
現役チャンピオンとのエキシビジョンゲームを戦うラストシーンは、かつて一世を風靡したロッキー・バルボアというヒーローの引き際に相応しく清々しい。
正真正銘のファイナルとして、過去のシリーズにも輝きを与える“行儀の良い”作品。
スタローンて、案外イイヤツなのかも。
(…これで続編を作ったら大悪人だ)
「ロッキー・ザ・ファイナル」
2006年/アメリカ 監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、ジェラルディン・ヒューズ、マイロ・ヴィンティミリア、トニー・バートン