面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「さくらん」

2007年03月23日 | 映画
写真家である蜷川監督の面目躍如たる映画。
絢爛豪華な映像芸術が、スクリーンいっぱいに展開される様は壮観。
大門の上に金魚の水槽が乗っていたり、花魁の部屋に飾られる生け花のデザインなど、実際の吉原とはかけ離れた装飾もあるが、浮世と吉原を隔てる象徴として分かりやすいモチーフとなっている。

人工的で毒々しいまでの妖艶な色彩の画面から、一転して満開に咲き誇るラストシーンの桜は圧巻。
別世界から現実世界への転換を思わせる。
しかし、はらはらと散る桜の花びらは、その先に待ち受けるシャバの厳しさをほんのひとときだけ忘れさせてくれているものとして、悲しく寂しい…

そんな花魁おれへんで!いや、もしかしたらおったかも!?という不思議なキャラクターを土屋アンナが好演。
男性諸氏は“エロティシズム”を期待して観に行ってはいけない。
(土屋アンナ、菅野美穂、木村佳乃の各ファンには違うかもしれないが)

女性監督による、“ならでは”の切口で女性を描いた作品として、洋画の「マリー・アントワネット」と邦画の「さくらん」は今年の双壁。
合わせて見ると、ちょっと面白い。


さくらん
2006年/日本  監督:蜷川実花
出演:土屋アンナ、椎名桔平、成宮寛貴、木村住乃、菅野美穂、安藤政信、石橋蓮司、夏木マリ

夏川純

2007年03月23日 | よもやま
3つ歳をサバ読んでいるという年齢詐称騒ぎで、ちょっと前から話題になっていた。
昨日、ついに本人が直筆FAXをマスコミに送り、真相が明らかになった。

26歳のところを23歳としていたとのこと。
別にエエやん。
芸能界入りを目指したものの目が出ず、今の事務所に移った彼女。
名前も変えて刷新デビューを図るのに合わせての営業戦略。

アイドルとは、所属事務所がキャラクターを作り上げて芸能界に送り込むもの。
事務所の「商品」である彼女をどう売り出すかは、その会社のマーケティング活動の一環である。
現事務所からのデビュー時に、3歳サバ読みして19歳としたのは売り込み戦術のひとつ。
それで売れたのだから、戦略としては大正解である。
それで彼女の全てを否定するようなことは間違っているし、彼女は何も悪くない。
もうひとつ言えば、別に誰が悪いというものでもない。
まあ、自分より年下だと思ってたら年上だった!というファンにはショックかもしれないが。

イマドキは歳のサバ読みも話題のひとつとなる。
「おいしい」として羨ましいと言った若槻千夏に拍手。