面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「アメリカン・グラフィティ」

2007年01月04日 | 映画
1985年4月のある日。
1年間の浪人生活にピリオドを打ち、志望校に合格して意気揚々。
これからのキャンパスライフにはどんな楽しいことが待ち受けているのだろうと、輝ける未来のみを夢見て、春の陽光が心地よい大学構内を闊歩していた。

ふと、学生生協の入口で目にとまった「カレッジリング受付中!」のポスター。
映画「アメリカン・グラフィティ」の場面が鮮やかに甦る。
高校卒業後、それぞれの道に進もうとする若者達が、旅立ち前に最後の夜を楽しもうと、いつもの仲間たちとドライブインに集まる。
大学進学を目前に、故郷を離れる不安を募らせるカート(リチャード・ドレイファス)と、大学生活を夢見て心弾ませるスティーブ(ロン・ハワード)。
浪人生活真っ最中だった自分は、二人の揺れる思いどちらにも共鳴し、この青春映画の名作に魅了されたのだった。
そして、スティーブの恋人ローリー(シンディ・ウィリアムズ)が、ネックレスにして身に付けていたのが、彼にもらったカレッジリングだったのだ。
輝ける大学生活の記念すべきスタートとなったその日、このビラに出会ったのは運命だ!
勝手に盛り上がり、生協の思う壺に見事にはまって、即座に誕生石であるルビーの指輪を注文した。
まだ見ぬ“彼女”のネックレスとなることを夢見て。

そして1年の月日が流れた。
ルビーのカレッジリングが、彼女のネックレスになるまで…。

アメリカン・グラフィティ
1973年/アメリカ  監督:ジョージ・ルーカス
出演:リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、ポール・ル・マット、チャールズ・マーティン・スミス、シンディ・ウィリアムズ