中國の不動産バブル崩壊の兆し (2014-06.13.)
中國の不動産市場が崩壊の兆しをみせている。中国当局が発表した4月の主要70都市の住宅価格動向は前月水準を下回る都市がふえ、価格が上昇した都市でも値上がり率が鈍るなど、頭打ち感が顕著であった。景気の先行き懸念に住宅供給過剰が追い打ちをかけており、アナリストの一部は不動産バブルの崩壊が始まっている事を示唆している。
新築物件の価格が前月比で下落したのは、8都市で、都市数は前月の2倍、特に浙江省は不動産投資が盛んな温州をはじめとして、金華・杭州・寧波の4都市が揃って下落、最も高い下落率は、杭州市の0.7%である。
中古住宅市場でも、前月比で値上がりしたのは35都市と、3月調査より7都市減少し、下落は8都市ふえ22都市となった。
野村証券の関連会社は5月上旬、衝撃的なリポートをまとめた。中国の不動産市場は、「調整(下方修正)が、もはや『有るか無いか』ではなく、『どれほど深刻になるか』のレベルに達している」としている。つまり、中國は不動産バブルの崩壊が進行中と示唆したのだ。
複数の経済アナリストは、中国の国内総生産(GDP)の16~20%が不動産とうしによるもので、世界各国のなかでも異質な偏りが中國経済の最大の弱点と指摘している。
野村のリポートは、最悪のシナリオをたどった場合、中國のGDPの伸び率が6%を下回ることも有り得るとした。
中國の不動産は“バブル”と呼ばれて久しいが、このバブルが膨れ上がったのは、2008年のリーマン・ショック後に中国政府が行なった、4兆元(約66兆円)もの緊急経済対策と言っても過言では有りません。
この資金がハコものや鉄道などのインフラにまわり、金融緩和政策を背景に民間の不動産ブームに火をつけた。これが土地の異常な高騰や住宅などの過剰供給につながり、不動産バブルを膨れ上がらせた。国策の失敗以外の何物でもないのである。
中國経済の崩壊は必ず世界経済に影響を及ぼす。世界経済の平穏の為にも中国がソフトランディングを目指すべきなのは言うまでもない。それだけに、中國は国内でのテロ事件、国際的に非難を受ける尖閣諸島や、東南アジアでの無理な領有権主張等々の問題を抱え、身動きが出来なく成る様にも見える。
(えびなたろう)
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