青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

日本の蝶 Ⅳ アサギマダラ(当初予定していたイチモンジセセリ=オオチャバネセセリの項目の「下」=に換えて)

2021-08-23 07:14:03 | コロナ、差別問題と民主化運動、日本と中国の蝶




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

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昨日(2021.8.19)、午前中にABEMA-TVで大谷8勝目&40本塁打を見届けたあと、この記事を書き終えてアップしようと思っていたのですが、予想外に(いつものことです、笑)天気が良かったため、昼からフィールド観察に出かけました。バス代(計3回)1000円近く使って、5時間余り歩いて、やはりほとんど蝶の姿を見なかった(それでもって記事掲載が一日遅れになってしまいました)。

さらなる追記:今日(2021.8.20)も何故か快晴で、、、朝からフィールド探索8時間(疲れた、、、)。アパートの裏山(霞丘陵)の入口で、オオムラサキ(雌)を撮影していました。今、戻ってきたところです(ブログ記事のアップが更に先送りになっていきます ^^;)。

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さて、唐突に“アサギマダラ”の記事です。一昨日の午後、突然記述を思い立ち、半日かかって書き上げました。さっき一応書き終えてから、やっぱり唐突で場違いかな?と躊躇していたのですが、エイヤ、とアップしてしまうことにします。アサギマダラとかのマダラチョウの仲間は、蝶の中で僕が最も苦手な(興味が薄く知識も少ない)グループ*なので、今アップしておかないことには、次の機会はいつになるか分かりません。

*「中国のチョウ」(1998年刊行)に於ける、例えば、同じタテハチョウ科のコムラサキ亜科と比較してみましょう(中国にはマダラチョウ亜科Danainae・コムラサキ亜科Apaturinae共に40種前後が分布)。僕のこの本では、コムラサキ亜科(オオムラサキ・ゴマダラチョウなどを含むコムラサキ族)については、計46頁に亘り紹介しています。解説文26頁、解説した分類群26セクション(subsectionを含む)、カラー生態写真20頁16種58個体、雄交尾器図70個体。一方、マダラチョウ亜科については、解説文1頁(1/5頁分)、生態写真2枚(2種2個体)。

そんなアサギマダラについての記事を何でまた書き始めたのか、、、というのは、ちゃんと理由があって、ブログ一時中断以前は、次は(オオチャバネセセリの項目の「下」として)イチモンジセセリの記事と決めていたことに関わります。

6月18日に“アパートの近くの蝶”54種目のオオチャバネセセリを撮影してから、丸々2か月間、一種も新規撮影を追加出来ていない(追記注:今日2021.8.20に55種目のオオムラサキを撮影)。2か月余で54種撮影した後、次の2か月で新規撮影ゼロ(写し損ねたのが2種)というのは、異常事態です。新規出現種どころか、この二か月間、チョウ自体の姿をほとんど見ません。7時間‐8時間歩き回って、成果ゼロ、と言う日が何日も続いています(一応セミの鳴き声を録音したりしている)。

季節が例年より3週間ほど早く進行しているようです(フィールドで出会った何人かのベテラン・フィールドワーカーも口を揃えてそう言っていた)。ということは、多くの蝶が姿を消してしまった「6月後半」は、実質的には「7月中旬」頃に当たることになります。8月にかけての一年で最も暑い時期に6月半ばから突入していたわけです。例年を考えれば、東京近郊の低地では、7月下旬~8月の盛夏にチョウがいないのは当然と言えるのかも知れません。

でもそれならば、本来7月前半辺りに出現する年一化性の種(例えばオオムラサキとか、ゼフィルスの一部とか)は、どうなってしまうのでしょうか?“さて出陣”となった時に、暑すぎて出てこれなくなってしまった?秋まで待つことは出来んでしょうし、キャンセルするわけにもいかんでしょう。一応出現するにはする、でも表立ってはどこかに隠れている。暑い夏の間は“休眠” (越夏)している種もいるのですね。ヒオドシチョウやヤマキチョウなどが知られていますが、ほかにも案外結構多くの種が、様々なステージ(卵・幼虫・蛹・成虫)で生理的なコントロールを行っているのかも知れません。

*房総半島産のヤマキマダラセセリは、他の(より寒冷な)地域の個体群より長期に及ぶ夏眠期間を有する事を、同所的分布するサトキマダラヒカゲ、異所分布のヤマキマダラヒカゲ原名亜種との比較で、突き止めました。40年余前の仕事で未発表のままです(後に別の研究者によって正式発表されています)。

まあ、それらの性質の獲得は遺伝的に為されているものと思うのですが、案外「本来ならしない」それを、(場合によっては)「臨機応変」にしている、という“臨時の生理的コントロール”があったりするのかも知れません(そこら辺の実態については僕は余り知識がない)。

ということで、(暑い夏の期間を挟んで)次に多くの蝶を見かけるのは、秋(9月‐10月)ということになるのでしょうが、「3週間前倒し」ということは、今はそろそろ、秋の真っただ中に突入、という時期なのかも知れません。

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その、たまたま「蝶の姿を見なくなった」時期に、あやこさんが手の怪我をして、ブログが中断されてしまったのですね。治癒が進んで再開すれば、中断していた「オオチャバネセセリ(下)」に取り掛かろう、と思っていたわけです(そういえば「ダイミョウセセリの仲間」とか、その他幾つかの項目も「上」だけで「下」は未完 ^^;)。

属単位(オオチャバネセセリ属Polytremis)よりも少し幅広い分類単位で、GegeniniあるいはBaorini(Polytremisの他にもイチモンジセセリ属Parnaraやチャバネセセリ属Pelopidasなど含む族)の紹介。メインはイチモンジセセリです。

イチモンジセセリParnara guttataは、僕が最も好きな蝶です。蝶(Skipperは“チョウ”には数えられないのかも知れませんが、、、その話題は前回書いたっけ?)のうち、最も地味で、かつ(少なくても一年の後半に於いては)最もポピュラーな種です。「著しく地味」で「超普通種」ということから、その人気の無さが分かります。

けれども、興味深い実態の宝庫でもあるのですよ。昔、「イチモンジセセリ研究会」というのがありました。僕のテーマは「水田耕作の発展に伴うイチモンジセセリの生態的変遷」。

同所的に分布する近縁別属種のチャバネセセリPelopidas mathiasとの比較。異所的分布の姉妹種オガサワラセセリ
Parnara ogasawarensisとの比較。その双方向から、イチモンジセセリのアイデンティティを探ろう、という目論見です。しかし
途中で中断してしまった。それから50年近くが経ちます。

日浦先生が亡くなられた後、「イチモンジセセリ研究会」はどうなってしまったのだろう(今でも存在しているのでしょうか?)。

それはともかく、僕は今年になって、ほとんど40年ぶりぐらいの期間を置いて、日本の「普通種」の蝶たちの探索を再開したのです。イチモンジセセリについても、一から調べ直さなければなりません。

当初、「イチモンジセセリ」の分布域は、日本列島の南部から東南アジアを経てヒマラヤ地方に至る、いわゆる「東亜半月弧」照葉樹林帯に相当する、と認識されていました。

しかし、その実態は、(日本に於いてはともかく)複数の分類群が混在する複雑多様な要素から成っているらしい、ということが、分かり始めてきました。そこら辺りの問題から再検討していかねばなりません。

実は、ということで言えば、当時(「イチモンジセセリ研究会」を始めた数十年前)から、イチモンジセセリの「移動」は、「“南から北”といった単純な図式ではなさそう」である、ということが、指摘されてはいたのです。しかし、おそらく現在に至るまで、その実態は詳しく検証されていないものと思われます。

少なくとも、昔は漠然と認識されていたのであろう「熱帯広域分布種」といった存在なのではなく、意外に狭い範囲の分布域を持つ種であるようなのです。その(ある程度の限られた)分布域の中で(「水田耕作の展開」も加えた)何らかの要因に基づいて、「特殊な動き(集団移動)」を示すようになった、、、。

大陸での実態はどうなのでしょうか? 1989年の初秋、重慶の大学に留学した際には、校庭の花壇に、おびただしい数のイチモンジセセリが訪れている様に遭遇しました。中に数頭、近縁別種(おそらくParnara ganga)が混じっていましたが、大多数の個体は真正のイチモンジセセリ(Parnara guttata guttata)でした。その様子は日本の都市部の初秋と同じで、必ずしも郊外に多く見られるわけではないことや、晩夏~秋以外の季節にはポツポツとしか見られないことなども、日本の場合と同様だったように記憶しています。

そこまでは確認できたのです。しかし、(前述したように)そこから先には進めなかった。

Parnara batta、Parnara ganga、Parnara apostata等々の近縁種(Parnara guttataの亜種とされるものを含む)の、中国に於ける分布状況(それ以前に分類群の認識/特定)を、一から洗い直さねばなりません。それは、とめどもなく困難な作業です。

それに、現状では(怪我の回復がまだ万全ではない)あや子さんを煩わせて写真を数多く載せることは出来ません。

そのように逡巡していた折、ふと思い立って、手っ取り早い手段を見つけたのです。イチモンジセセリの代わりにアサギマダラを紹介する。

本質的には良く似た立場にある両種ですが、一般的な視点から言えば、正反対の立ち位置にあります。外観上限りなく地味で、おそらく大多数のチョウ愛好家には見向きもされないだろうイチモンジセセリとは逆に、アサギマダラは蝶の中でも ナンバー1と言っても良い「見栄え」のする種です。

同じように「不思議な移動」をする興味深い生態を持っていても、見栄えの点で圧倒的に勝るアサギマダラは、いわゆるミーハー自然愛好家に(見向きもされないイチモンジセセリとは対照的に)諸手を上げて大歓迎されています。その、移動状況の実態調査に加わることが、ちょっとしたブーム、自然愛好家必須のムーブメント*みたく成っているわけです。

*(一応皮肉です→)その“健全な自然観察者”を意識共有する「空気」は、例えは悪いのだけれど「マスク」「ワクチン」絶対支持の「平均的正義」の集団や、(実際に信じられないほどの空前絶後の実績を残しているにしろ)“日本の誇り”と殊更持ち上げることで僕にはちょっと気持ち悪くさえ感じられる「大谷翔平信者」のイメージなどと、どこか重なります。

というわけで、「本質的なことは何も分かっていない」という点ではイチモンジセセリと50歩100歩としても、アサギマダラの場合は(ミーハー的かつ直截的な)資料だけは、掃いて捨てるほどあります。(本質探求への)取っかかりは、ずっと容易に得られるはずなのです。

アサギマダラも、イチモンジセセリ同様に、日本の多くの地域では夏の後半以降になって一気に姿を現します。ということは、そろそろ、その季節がやってくるわけですね。
*追記注:今年のイチモンジセセリ撮影は、5月23日に1頭、6月28日に1頭、これまでに出会った個体はその2頭だけでしたが、今日8月20日、一気に大量出現し始めました!←この事実は(アサギマダラの場合も併せ考えて)かなり大きな意味を持っています。

以下、アサギマダラについて、(たぶん大方の読者の方からみれば“斜め上”あたりの視点から、、、いや、“斜め下”かも、笑)僕の想うところを徒然(つれづれ)に語って行くことにします。

アサギマダラは、北は北海道稚内(利尻島も)から南は沖縄県与那国島(小笠原や大東諸島も)まで、それこそ日本中を行ったり来たりして飛び回っています。その様子を“オール蝶マニア”が寄ってたかって調べ倒している(笑)のです。資料はどんどん増えていきます。そのこと自体は、歓迎すべきことです(敬服に値する数多くの方々による調査・研究報告があります)。

しかし、敢えてへそ曲がりな事を言いますが(笑)、「井戸の中の蛙」状態ですね。無数の蛙(おたまじゃくし)が、限られた空間をぐるぐると廻り続けている。細部の細部まで徹底して(それこそ言葉通りにマニアックに)調べ尽くしているのですが、井戸の外側から俯瞰的に見ようとは、なぜか誰もしない。いくら細かいところを調べても、いつまで経っても本質的な部分には辿り着けない、と僕は思うのですが、、、。国内における「蝶愛好家全員参加」といってよい程の“移動情報調査(キャッチ&リリース&リキャッチ)”のムーブメントと対照的に、国外に於ける情報は、何一つといって良いほど入ってこない(たぶん皆が求めていない~興味の対象外~なんでしょうね)。

現時点で分かっていること。どうやら台湾には(日本と同一分類群に属する集団が)分布している。それから、中国大陸(華南)との間にある澎湖諸島にも分布している。澎湖諸島では、単に分布している、と言う事に留まらず、「日常的に」と言っても良い程の多くの個体が、日本と行き来している。

あるテレビ番組からの情報だと思うのですが、「650頭が日本から飛来した」と紹介されています。日本でリリース(マーキング)された個体のうち、650頭が澎湖諸島で再捕獲された、と言う事ですね。でも、幾らなんでも650組確認は多すぎやしないでしょうか?(マーキング個体の再捕獲ではなく、単に捕獲された、またはマーキングされた個体の総数?)

確かに、澎湖諸島への(日本からの)飛来個体の具体的報告例は、少なくはない(ネットでも10例前後をチェックできる)ですね。冬季集結地のひとつであることには違いないでしょう。ただし、いわゆる“故郷”というイメージではありません。

日本⇔香港の飛行機に乗った事のある人は、香港到着の小一時間ほど前に(あるいは香港離陸後小一時間ほど経って)、機上からこれらの島々を見下ろした覚えがあるはずです。島と言っても、ほとんど全く山の無い、平坦な地形です。近い過去まで何度も繰り返し、水没と陸化が繰り返し為されたであろうことが知れます。まあそのような場所だからこそ、現在ターミナルのひとつに成り得ているのかも知れませんね(人間だって平坦地により繁栄しているし)。ただし、そのような空間は、繁栄地点ではあっても、少なくとも“発祥地”ではない。

ちなみに、(、、、というか、このことは最も大事なことだと思うので、最初に言っておくべき事だったのですけれど)澎湖諸島に於いてもそうだし、日本の各地に於いても大多数がそうなのですが、リリース→キャッチの大半は、晩夏~秋に「北(東北)から南(西南)に向かう個体です。当然のことながら、春~初夏には、南(西南)から北(東北)に向かう個体も数多くあるわけですが、何故かそれら(南→北)の組み合わせのリリース→リキャッチの記録は、北→南の組み合わせに比べて、圧倒的に少ない。

いや、「当然のことながら」と記したのだけれど、本当にそうなのでしょうか? 実は、イチモンジセセリに於いても、これまで確認されている「集団移動」の大半は、南(南西)→北(東北)ではなく、逆方向です。「移動」は、我々が考えているほど単純なものではなく、極めて多様で複雑な要素が組み合わさって為されたものであるはずです。「常識」とは異なる視点で捉える必要があるのではないでしょうか? 例えば「南方や熱帯の蝶」の概念であるとか、「南から北へ、北から南へ」の概念とか、、、、今私たちが当たり前のように考えているのとは、別の視点から捉える、、、アサギマダラ(イチモンジセセリも同様)
の“謎”を解くカギは、そこいら辺にあるのではないかと。

このあと説明する、日本亜種としてのアサギマダラParantica sita niphonica(独立種Parantica niphonicaとして大陸産原名亜種と分けることも可能?)は、日本のまさに全域(分布域に於いて、よく「日本全域」という表現が為されるけれど、本当に「全域」を覆っているのは、この蝶のほかはヒメアカタテハぐらい?)と、北は朝鮮半島(およびおそらくロシア沿海地方も)、南は台湾(および、澎湖諸島、緑島、紅頭嶼)。

中国大陸には、僕の知る限り、2か所から記録されています。上海(出発地点:能登半島)と香港(出発地点:紀伊半島)です。そして、そのことには、結構大きな意味があります。

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上海や香港といった東シナ海-南シナ海沿海部からやや内陸寄りに位置する中国の南部山地帯が、(日本列島への)移動個体の出発点ではないか?と考えたのが、日浦勇先生の直系のお弟子さん筋に当たる、大阪自然史博物館の金沢至氏
です。僕は6年前(2014年)に、その金沢氏と共に、広西壮族自治区の花坪原始森林(標高1200m~1800m)にアサギマダラの調査に赴きました。

その数年前、多数のアサギマダラの生態写真を、そこで撮影していたのです。そして、僕も金沢氏の考え(中国南部の山地帯が移動の出発/到着地点)に賛同していました。

その時は、あいにく天候が悪く、余り多くの成果は得られなかったのですが、調査の結果と実態の推察について、共同論文として発表しました。

その報文では特に触れてはいませんが、僕の考えは、「そこから東北方面に向けて行き来しているのが日本亜種で、西北方面に向けて行き来しているのが原名亜種(中国南部山地には両者が混在する?)」。

先に(その後に知り得た実態に於ける)「答え」を言っておくと、少なくても前者については「違う」という事です。もっとも、ただ「違う」と一言では言い表し得ない、様々な意味を含んでいるのですが、、、。そのことについて、一から話して行きましょう。

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マダラチョウの仲間(タテハチョウ科マダラチョウ亜科)は、主に熱帯地域に繁栄する蝶です。その中で唯一アサギマダラが、温帯域の日本列島まで分布しています(新大陸に於いてはオオカバマダラDanaus plexippusがそれに対応する)。

日本の主に南西諸島などには、東洋熱帯に分布する数多くの種が“迷蝶”となって飛来します。ルリマダラ属Euploeaの種やコモンマダラ(コモンアサギマダラ)属Tirumalaの種です(他にカバマダラAnosia chrysippusやスジグロカバマダラSalatura genutia)。これらの“迷蝶”は、移動とは言っても、いわば突発的なもので、原則としてアサギマダラのように、移動先に定着(次世代が発生)したり、再び南下したりすることは有りません。

コモンマダラ属の各種は、外観がアサギマダラと良く似ています(古くは“コモンアサギマダラ”と呼ばれていた)が、両者の血縁はかなり離れています。

ちなみに、ヒメコモンアサギマダラParantica agleaは、真正のアサギマダラ属の種。(和名から“アサギ”を外した)コモンマダラ属とは反対に、現在では(“コモン”を外して)ヒメアサギマダラと呼ばれています。

もう一種、コモンマダラ属に似た別属種に、リュウキュウアサギマダラIdaopsis similisがあります。「別属なので“アサギマダラ”と付くけれど“アサギマダラの仲間”ではない」と説明されたりしますが、それも間違いです。一応別属(IdaopsisまたはRadena)には置かれているけれど、コモンマダラ属とは違ってアサギマダラ属に極めて近縁です(雄交尾器の形状から判断して両者=アサギマダラとリュウキュウアサギマダラ=を同属として扱っても良いのではないかと僕は思います)。しかしながら、「空気」と「お上の決定」、、、それが判断の全てなんでしょうね。

それ(「空気」「お上の決定」)との関連で言えば、これも一般の説明ではリュウキュウアサギマダラの日本に於ける分布は「トカラ列島以南」となっているようです。その根拠は何処にあるのかな?「なんとなく(空気)」「学術的(お上)に」“そうされているから”と言うことでしょう。南から北に、だんだん棲息密度が少なくなっていく。別にトカラ列島と屋久島の間で、突然少なくなるわけではありません(屋久島でも以前から結構記録されている)。教科書的「渡瀬線」バイアスの典型ですね。

ということで、アサギマダラから見ると、
「似ているけれど別グループに属するコモンマダラの仲間(カバマダラやスジグロカバマダラなども同様です)」
「一応別属とされるが近い関係にあるリュウキュウアサギマダラ」
「同じ属の一員でかつ明らかな別種ヒメアサギマダラ」
という図式で示すことが出来ます。

さらに、
「同属種であるだけでなく、実は別種かどうかわからないほど近縁な関係にあるタイワンアサギマダラ(クロアサギマダラ)Parantica melaneus」
もうひとつさらに、
「同じ種Parantica sitaで、しかし(日本のアサギマダラParantica sita niphonicaとは)明らかに別集団の(原名亜種)タイリクアサギマダラParantica sita sita」
の存在があります。

“アサギマダラの不思議”に肉薄するためには、出来ればタイワンアサギマダラとの、少なくともタイリクアサギマダラとの関係性の探索は不可欠だと思うのですが、これだけ寄ってたかって「調べ尽くされ」ているにも関わらず、ほとんど誰一人(上記金沢氏以外は)その事へのアプローチを試みない。

でもって、そこにアプローチしていこう、と言うわけです(もっとも僕は問題提起を行うぐらいしか出来ないので、実際のアプローチは若い人たちに任せます)。



上左:アサギマダラ日本亜種(屋久島)/上中:同(沖縄本島)/上右:アサギマダラ原名亜種=タイリクアサギマダラ(広西花坪)/下左:同(雲南梅里雪山)/下中:タイワンアサギマダラ(広西花坪)/下右:同(雲南大理)
*あや子さんの手の骨折が完治するまでは写真を多く掲載出来ないのでワードに張り付けたものをパソコン画面を通して撮影。

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タイワンアサギマダラはクロアサギマダラとも呼ばれ、台湾だけでなく大陸にも広く分布しています。大雑把に見て分布域はアサギマダラとほぼ同じですが、日本に分布していない事だけが相違点です(沖縄や屋久島などでは屡々見つかっている)。

僕も、広西壮族自治区花坪原始森林、雲南省大理蒼山山麓、ラオス北部、台湾合歓山中腹などで撮影していて、日本を除く大多数の地で、アサギマダラ(日本亜種または原名亜種)とセットになって分布しているようです。

両種の雄交尾器の差も微妙です。もし異所的に分布していたなら同一種として扱う事も可能かも知れない、という程度の差です(プロポーションと細部の形状が僅かに異なる、、、ヤマキマダラヒカゲとサトキマダラヒカゲの差ぐらいの感じ)。

両者が別種であることは間違いないとしても、完全に「別種」と言い切って良いのだろうか、、、、という思いがあります。「種が同じかどうか」とは別の立脚点から両種の関係を見渡したい、と思うのです(他の生物に関しても言えるのですが“メガ・スペーシス”といった概念)。

改めて「アサギマダラの組み合わせ」について見渡すと、片方(タイワンアサギマダラ)がいないところで、もう一方(アサギマダラ日本亜種)が顕著な特殊な動きをしている、、、、、そのことからも、両者の間には、何か根本的な部分での相関関係があるように思えてならないのです。

ほかにも台湾(合歓山山麓の太魯峡)で、アサギマダラと混飛する多数のタイワンアサギマダラの個体を撮影しています(ポジフィルムを探し出すのに時間がかかるため詳細については割愛)。「アサギマダラ」が、酷似した2つの種から成っていることを知ったのは、その時からです。

ところで、この「アサギマダラとほぼ同所的に分布する近縁種タイワンアサギマダラ」のほかに、いや、「ほかに」と言うよりも「別の次元から見て」“アサギマダラ”はもう一つの「近縁集団」とのセットで成り立っています。

それは、日本産の亜種Parantica sita niphonicaと、大陸産の原名亜種Parantica sita sitaの組み合わせです(台湾産はどうやら日本亜種に所属するようです)。

以下、この記事でのアサギマダラの和名使用は、種「Parantica sita」全体の名として使ったり、日本亜種に限定して使ったり、そのシチュエーションごとに、異なってきます。後者に於いては、原名亜種に対する和名は「タイリクアサギマダラ」とします。

(比喩的に言うならば)その関係性を、先に「アサギマダラとタイワンアサギマダラは、見解選択によっては同じ種と見做すことも可能かも知れない」と述べたわけですが、それとは別の次元で、「アサギマダラ(日本亜種)とタイリクアサギマダラ(原名亜種)は同一種ではあるのだが、見解選択によっては別種と見做すことも可能」と考えることも出来ると思います。

アサギマダラ(原名亜種/日本亜種)の分布を地図上に示します。

インターネット情報をチェックしたところ、さすがに“ブーム”だけの事はあります。日本中からの映像写真が挙げられていました。そのうち、確実にアサギマダラ(日本亜種)の特徴を持つ個体をピックアップし(まだ途中までしかチェックしていないけれどほぼ全国からの情報を得ることが出来た)、それらの記録地を『青丸』で示しました。大きなのは、自分の写真を示したもの(屋久島産と沖縄本島産(写真の角度が良くないので当該部位の把握がし難いけれど明らかに日本亜種特徴を示している)で、小さなのはネット上の写真で(特徴が)認められたもの。



アサギマダラ日本亜種Parantica sita niphonica [青丸]と原名亜種Parantica sita sita[赤丸]の記録地点。大きな丸は青山自身の撮影写真、小さな丸はインターネットで特徴を確認できた資料による。

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アサギマダラの特徴を述べておきます。

まず、タイワンアサギマダラと(原名亜種と日本亜種を含めた)アサギマダラとの違い(*共に雌雄差は微小で性斑の有無以外に特に相違点はない)。

➀腹部の色。
aアサギマダラ:後翅の地色と特に変わらない。
bタイワンアサギマダラ:後翅の地色とは全く異なる(鮮やかな黄褐色)。

②前翅と後翅の色調。
aアサギマダラ:顕著に異なる(後翅は明るい茶褐色)。
bタイワンアサギマダラ:地色色調は余り変わらない(ほぼ黒褐色)。

③前翅第9室の半透明水色斑。
aアサギマダラ:縊れない。
bタイワンアサギマダラ:縊れる。

④後翅内縁沿い第12室。
aアサギマダラ:やや不明瞭または出現せず(原名亜種には現れるがタイワンアサギマダラ程くっきりはしていない)。
bタイワンアサギマダラ:ごく明瞭に出現。

それらで判別できるのですが、デリケートな差である事には違いなく、ときに分からなくなってしまったりすることも有ります(改めて客観チェックすればほぼ判別できる、、、細部に拘っていると迷路に落ち込む)。



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さて、種としてのアサギマダラのほうですが、日本には(小笠原や大東諸島を含む)隅から隅まで記録されていて、原則(僕がネットに写真が示されている個体をチェックした限り)全て日本亜種の特徴を備えています(*後述する一例を除く)。

日本亜種“アサギマダラ”と、原名亜種“タイリクアサギマダラ”の相違点は、種アサギマダラとタイワンアサギマダラの組み合わせような“全体的な印象”、、、と言うわけではありません。それに関しては「全く同じ」と言っても良いでしょう。

唯一の相違点、それは④として示した、アサギマダラ(日本亜種)とタイワンアサギマダラの区別と同様の部位(後翅内縁)です。日本亜種のアサギマダラでは、その部分に水色の条線が生じません(褐色部が薄明るく広がることはある)。原名亜種タイリクアサギマダラでは、タイワンアサギマダラ同様に明らかな空色条線が生じます。ただし、タイワンアサギマダラの様に、 幅広くクッキリとは示されず、(タイワンアサギマダラに比べれば)やや細めで曖昧ではあります。

両亜種に於けるその部位の形質差は、(種差に相当するかどうかはともかくとして)かなり安定的に示されます。2つの分類群の分布域は、2つの地域に分かれ、原則として重ならないのではないかと推察されます(その辺りの検証が今後の大きな課題です)。言い換えれば、その部分の形質表現のチェックで、かなりの高い確率での亜種の振り分けが出来るわけです。

日本亜種の特徴を持つ個体は、インターネット上で全都道府県に於いてチェックすることが出来ました(原名亜種の特徴をもつ一個体ついては後記)。

南西諸島産も原則として日本亜種の特徴を示します。ただし南琉球(先島諸島)では、リュウキュウアサギマダラやコモンマダラ類の各種が(季節的飛来明蝶として)数多く記録されているのとは対照的に、余り多くは見られないようです。

僕の写真の、沖縄本島の個体は、角度の関係で後翅内縁が良く見えないとしても、明らかに日本亜種の特徴を示しています。ネットでチェックした他の多くの個体も日本亜種の特徴を持ちます。

屋久島では、11月‐12月と4月‐5月に、山麓部で非常に数多くの個体を見ることが出来ます。他に山上部で7月‐8月に多く見られることから、「水平移動」と「垂直移動」が組み合わさっているのではないか、とも考えられます。

台湾産は、日本亜種の特徴を示します。例えば、杉坂美典氏のインターネット図鑑「台湾の蝶」に紹介されている43例の生態写真も、そのほとんどが日本亜種の特徴を持っています(ただし、2~3の例では、原名亜種的な特徴が認められるような気がする)。

僕自身が撮影した合歓山山麓の数多くの個体も、そのうちにチェックしておきたいと考えています(ネット情報では台湾南部からも記録がありますが、特徴の確認できなかったので地図にドットは入れていません)。

ちなみに(アサギマダラのアイデンティティ考える上に於いて、これが最も重要なポイントなので、繰り返し述べておきます)長距離移動の記録(リリース→リキャッチ)の大半は、おそらく一般に想像し得るであろうパターンに反して、南から北ではなく、北から南なのです(そのことは、イチモンジセセリの場合でも共通します)。

一体、何を意味しているのでしょうか?

そして、そう多くは確認されていない、南から北への移動記録の大半が、台湾北部が出発点となっているらしい。これも気になります。

台湾西南方の澎湖諸島からも、数多くのアサギマダラが記録されています。こちらは(たぶん全て)日本起点の到着個体。既述したように、地形から見ても、“ホーム”というわけではなく、ターミナルのひとつでしょう。650例?の長距離飛来個体のほとんどが日本亜種と思われますが、1例だけ原名亜種(タイリクアサギマダラ)の特徴を持つ個体が混じっています(佐世保からの飛来個体)。これまで日本でチェックされた、唯一のタイリクアサギマダラの特徴を持った個体です。大陸南部から九州への飛来個体に基づく?それとも単なる個体変異?謎ではあるのですが、とりあえず余り深く考えることはやめておきます。

朝鮮半島での記録は、チェックした限り1例がありました。南→北。東北岸(江原道)への日本(五島列島)からの飛来です。

さて、問題は中国大陸。

日本亜種の記録が、次の2例。
上海。石川県からの飛来。
香港。和歌山県からの飛来。

一方、やや内陸寄りの沿海に近い地域としては、湖北省の武漢東方と、僕のフィールドの(金沢氏と共に探索を行ったこともある)広西壮族自治区花坪原始森林。こちらは、チェックした限り全て原名亜種(タイリクアサギマダラ)の特徴を示しています(データや写真の紹介は末尾に)。

更に内陸部に向かうと、僕の写した写真では、四川省成都市西郊山地、雲南省昆明(都心のホテル屋上と西南林業大学校庭)、雲南省麗江、雲南省梅里雪山明永氷河下(写真をパソコンから取り込んだので色合いなどがよく示されていませんが、タイワンアサギマダラではなくタイリクアサギマダラです)。ちなみに、梅里雪山明永氷河下では、全く同じ場所・同じ日時に、別亜科(ミスジチョウの仲間)のアサギマダラに酷似した稀産種Aldania imitans(仿斑伞蛱蝶)も見られます。

そのほか、ネットで検索し得た中国大陸産は、(僕のパソコンの状態もあって)ごく僅かです。チェックし得た限り、(日本から飛来した上海と香港の2頭を除き)全て原名亜種タイリクアサギマダラの特徴を示しています。

四川省や雲南省の西の延長の、インドシナ半島北部や、ヒマラヤ地方(西北部のインド・ヒマチャルプラディシュなど)の個体
も、チェックし得た限り、タイリクアサギマダラです。

なお、ここに示した地図の左下方、マレー半島やスマトラには、それぞれ原名亜種や日本亜種とは異なる別亜属が分布しています。また、ジャワ、ボルネオ、パラワン、ルソンなどには、近縁別種とされるルソンアサギマダラが分布します。

*アサギマダラ属全体としては、ウィキペディアによると35種ほどが含まれることに成っていますが、それらが単系統上にある(アサギマダラと同一分類群と認められる)のか否かについては、僕の知識では把握し得ません。アサギマダラ(各亜種)とタイワンアサギマダラ以外は、全て熱帯アジア産だと思います。

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日本にやってくる(?)アサギマダラは、何処が“故郷”なのでしょうか?

この「設問」は、それ自体が変ですね。

分かっている事は、アサギマダラに最も近縁な種は、(日本以外では同所的に広く分布している)タイワンアサギマダラ。

そして、種アサギマダラ自体は、東と西に(たぶん異所的に)分布する2つの分類群(一応亜種)から成っている(他に熱帯アジアに数亜種)。

日本各地(日本海周縁地域、南西諸島など)、台湾周辺、および中国大陸の一部(おそらく東シナ海や南シナ海の沿岸都市周辺部など)に、季節移動?をする日本亜種。

そこからさほど離れていない内陸寄りの山地に、原名亜種タイリクアサギマダラ。こちらは日本との行き来はしない。

アサギマダラ日本亜種のほうは、確かに日本周辺の南北を中心に長距離移動(一応“行ったり来たり”だとしても、その実態は、今のところ「北から南」が大半)しているわけですが、その「メインフィールドは何処か(供給源というか本来の発生地みたいなところの特定)」となると、何一つと言って良いほど分かっていない。このように指摘する研究者もいますね→「データが増えれば増えるほど実態が掴めなくなってしまう」。

「答えはない」というのが「答え」のような気がします。敢えて僕の答えを示せば、動いていること自体が「本来の姿」であり、「曖昧である」ということが「明確な実態」なのです。

地球の自然の成り立ちを考える際に於いての僕の基本概念である「動き続ける極相」とも重なります。

原名亜種タイリクアサギマダラは、日本との行き来はしない、と書きました(近接した台湾や南西諸島などには例外的な飛来個体が混じり得るかも知れない~佐世保→澎湖諸島の一例もその一つ?~としても)。

しかし、日本亜種同様に、季節的な長距離移動を行っている可能性は大いにあります。原名亜種は、比較的沿海部に近い広西壮族自治区だけではなく、(日本列島とは逆の西北方向)四川、雲南、インドシナ半島北部、ヒマラヤ地方などにも分布していて、それら大陸の奥地では夏の終わりから秋にかけて数多くの個体が現れる傾向があるからです。ただし、僕がチェックしたうち、雲南省西北部の大理や梅里雪山で撮影したのは春(前者)と初夏(後者)。(年間を通して探索している)広西壮族自治区で多数の個体に出会ったのは6月中旬~7月はじめ。移動と定着の組み合わせも考えられます。

*ちなみに北米大陸のオオカバマダラも、西南(メキシコ、カルフォルニア半島)からと、東南(カリブ海諸島、フロリダ半島)から、それぞれ合衆国西海岸と東海岸の間で移動を行っている、と言われています。

アサギマダラの場合も、2つがセットに成っているのかも知れません。ただしオオカバマダラの場合は、南のターミナル?の距離が相当に離れている。それに対しアサギマダラでは、南の記録地(“ターミナル”と認識してよいのかどうかは分からないけれど)が隣接している。「華南の山地が(日本にやってくる)アサギマダラの供給源」とした金沢氏の推察は、あながち間違いではないのかも知れません。広西や広東の、しかし距離的により香港に近い、華南の背部山地のどこかに隣接して、2つの集団(原名亜種/日本亜種)が棲息している可能性もあります(日本から移動したアサギマダラの記録がある上海西郊と、原名亜種タイリクアサギマダラの複数記録がある武漢東方も、位置関係は「香港/広西」と似ている)。

それぞれ「アサギマダラ+タイワンアサギマダラ」「タイリクアサギマダラ+タイワンアサギマダラ」の組み合わせで、いまのところ判明しているのは、桂林近郊・花坪原始森林の後者の集団と、香港に於ける日本からの前者の一飛来例だけなのですが、もしかすると「アサギマダラ+タイリクアサギマダラ+タイワンアサギマダラ」が混在している地域があるのかも知れない。 

でも、現時点では、(原名亜種/日本亜種に関わらず)アサギマダラとタイワンアサギマダラの組み合わせの実態さえも良く分かっていないわけで、、、、。圧倒的な見栄えの、プロの研究者やアマチュア愛好家が寄って集って(隅から隅まで)調べ尽くして?いるアサギマダラでさえ、本質的な部分へのアプローチは、この程度しか為されていないわけです。それを考えると、圧倒的に関心度の低いイチモンジセセリの実態なんて、、、、いつまで経っても分からないんだろうなぁ~。

・・・・・・・・・

話は全然変わりますが、「移動」という言葉に対する認識。時空の物差しは全く異なるのですけれど、ふとセミの例を思い浮かべてみました。「山をぐるりと回って、ずいぶん時間が経った後、同じ個体が同じ木の同じ位置に戻って、また鳴き始める」

もっと一般的な例では、「アゲハの蝶道」「ゼフィルスの追飛(同じ位置に戻る)」等々、、、。

命、生物界、自然界、、、、私たち人間が知り様もない“不思議”で満ちている。ウイルスだって、、、という話は、とりあえず止めておきましょう(笑)。

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僕の写真に於けるデータ(今手許にあるデジタル撮影写真)。

Parantica sita sita タイリクアサギマダラ
広西壮族自治区永福県花坪原始森林 標高1200m~1800m付近 2010.6.26ほか
四川省宝興県東拉渓谷 標高1400m付近 2010.8.8
四川省天全県二朗山中腹 標高1600m付近 2010.8.10
雲南省昆明市(都心) 標高1800m付近 2014.11.30ほか
雲南省徳欽県梅里雪山山麓 標高2300m付近2012.6.29

Parantica sita niphonica アサギマダラ
屋久島(南部) 標高0m~200m付近 2005.11.8ほか
沖縄本島(北部) 標高100m付近 2005.10.31

Parantica melaneus タイワンアサギマダラ
広西壮族自治区永福県花坪原始森林 標高1200m~1800m付近 2010.6.26ほか
雲南省大理市蒼山山麓 標高2200m付近 2013.5.4
ラオス(北部)ルアンパバン近郊2008.2.11

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広西壮族自治区永福県花坪原始森林に於ける(現時点でチェック可能な)撮影個体の詳細を記しておきます。

2010.6.25-7.1
アサギマダラ原名亜種 20♂♂ 7♀♀
タイワンアサギマダラ 7♂♂ 8♀♀
(うち、汚損個体は、アサギマダラ、タイワンアサギマダラ各♂2頭)
初見時刻:午前6時25分/終見時刻:午後5時43分
全てキク科シオン連の一種(黄花)での吸蜜個体。

2015.8.7-8.8
アサギマダラ原名亜種 5♂♂ 汚損個体2頭
タイワンアサギマダラ 2♂♂ 汚損個体1頭
(うち、やや汚損した個体が、アサギマダラで2頭、タイワンアサギマダラで1頭)
全てキク科ヒヨドリバナ属の一種(白~薄ピンク)での吸蜜個体。

いずれも花坪原始森林の標高1200m~(1400m~1600m)~1800m地点。



広西花坪で撮影した一個体。前翅第9室の斑はタイワンアサギマダラ同様に縊れ、後翅第12室の斑の出現程度が弱いが、総合的にはタイリクアサギマダラと判断できる。






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