フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

高難度の樹木伐採とブルマン

2011-09-25 | 人々との交流

今朝はやや雲が多いものの青空が見られる。外気温8度、室温18度、湿度45%。
朝食をモーツァルトのディヴェルティメント(K334、K247)を聴きながらゆっくり食べる。両曲とも優雅で美しく楽しいので、昨夜の残り物の朝食も俄然美味しくなる。

10時、轟音をとどろかせながらBMWがやってきた。今日はKITAHOさんに、庭の東側にある難度の高い木を伐採するのを手伝ってもらっていることになっている。

ちなみに自分なりの樹木伐採の難度をランク付けした。難度Aは、樹木が細く、倒す方向を特に考えずに、ただ単に切ればいいというもの。難度Bは、樹木が20センチ以下だが、やや倒す方向を考慮する必要があるもの。難度Cは、樹木が20センチ以上で樹木の倒す方向に何らかの物(家の屋根、大切な樹木や花)があるため、ロープで牽引する必要があるもの、もしくは脚立の上に乗りチェーンソーを扱うもの。難度Dは、ロープで牽引しなおかつ、脚立の上でチェーンソーを扱うもの。難度Eは、巨大で太いもの、もしくは複雑なロープワーク、枝払い等の複合テクニックがいるもの。この基準によると、今回は難度Dということになる。

KITAHOさんの「やってみましょう」という掛け声で作業が始まった。切り倒す樹木は3本ある。2本のコナラと1本のヤマザクラだ。家の屋根~デッキ側に傾いていて、普通に倒すと家を傷つけてしまう。しかも、近くに電気の引き込み線があるので、間違って電線の上に倒せは、停電の恐れがある。

まずは、3.5Mの脚立に乗りコナラの上の方の二股枝にカラビナ付きの赤いザイルをひっかける作業だ。3Mの棒の先にカラビナを着けて、上手くひっかけることができた。そのザイルを、隣の太い木に結び付け牽引し、コナラを倒す方向を定める。これには、重力の方向とロープの張力との物理計算が必要だ。


最後に脚立の上でチェーンソーに受け口を刻み、追い口から切っていく。

あるところまで来たら、ミシミシと音を出しながら、静かにコナラは、定めた倒す方向に倒れていった。その後は、枝を主幹から切り離す作業だ。これは私も参加して、一緒に作業した。

続いてもう1本のコナラの伐採だ。こちらの木の二股は上にあるためにどうしてもザイルが届かない。丁度、フジの蔓がからみついていたので、これを巧みにザイルと結びつけ、隣の木に牽引した。今度も脚立の上でのチェーンソー作業だ。無事、電気引き込み線をかわして伐採することができた。最後に、残った2本の下側の幹を切り倒して、コナラ伐採は終了。

次は、ヤマザクラだ。普通に切ると、家のデッキに倒れかかるだけでなく、大切なハウチワカエデとメグスリノキをなぎ倒してしまう。KITAHOさんは、脚立に乗り、下から1本ずつ枝を切り離す作戦に出た。私は、下で
ハウチワカエデを斜めに引っ張り、上に倒れないようにする。これも上手く行った。KITAHOさんから、最後は、
ヤマザクラの主幹は私が切ってくださいと勧められた。何やら時代劇の「親の仇打ち」のようだ。無事切り倒すことができて、今日の「共同作業」は終了した。時間が午後2時近くになっている。あたりは、びっくりするほど明るい日差しが射しこみ、広くなった。嬉しい限りだ。

昼食は、パスタにする。ニンニクとタマネギをオリーブオイルで炒め、トマトを小さく切ってソースを作り、エリンギ、カラーピーマンを加えた。スモークしたエビをトッピングする。KITAHOさんから「美味しいですね」と褒めていただいた。

私がパスタを作っている間に、KITAHOさんは持ってきた特製焙煎器を使って、持ってきた「ブルマン」を丁寧に焙煎してくれてた。


食後は、それをいただく。「煎る、挽く、淹れる」の三拍子揃った「ブルマン」は香り高く、深いコクでうっとりするほどの旨さだ。これは大切に置いておこう。

ガーデニング、バラ作り、八ヶ岳のさまざまな情報など話は尽きない。気がつくと4時を回ってしまった。KITAHOさんは、これからJマートで野芝を買い足し、芝張り作業をするという。また、「紅葉が美しくなる頃会いましょう」と声を掛け合い、BMWが去って行った。

その後、部屋の掃除などをした後、夕食作りに取り掛かる。今夜は、畑で採れた小さなジャガイモを使って肉ジャガを作ろう。芋が小さいので、皮をむかずにそのまま煮ることにする。仕上げに、オクラを散らす。今日も三陸産ワカメとキュウリの酢物、それにクン玉とエビを添える。よく働いた後なので押し麦ごはんが美味しい。

 


蕎麦の実が熟れてきた

2011-09-24 | 日記

今日は、真っ青な青空が広がっている。おかげで、外気温4度、室温16度、湿度45%で気温はぐっと冷え込んできた。窓を開けると入ってくる空気は冷たいので、余り広くは開けることはできない。

今日の朝食は卵焼き定食にしよう。先日作った一番出汁に卵4個を入れ、砂糖、麺つゆを少し入れて味を調える。ゆっくり焼くと出来上がりだ。


昨夕、「ほうとう」に里芋を入れたときに一緒に作った里芋とイカの旨煮を添える。

 

朝食後、付近の撮影に出る。南アルプスは、くっきりとどっしりと連なっている。甲斐駒ケ岳の迫力。

近くの萱拭き農家。


蕎麦畑の蕎麦の実が少し熟れてきた。

 

庭に戻って、今日も庭仕事に取り掛かろう。昨日に続いて薪小屋西側の木を切りたいのだが、庭を見て回ると、これまでに切った丸太があちこちに散らばっていて、余りにも雑然としている。切る前に、散らばっている丸太を薪小屋に運ぶことにする。ところが、この作業が一筋縄ではいかなかった。相当な重量である上に薪小屋が上の方にあるので、そこまで持ち上げねばならないのだ。一通りの丸太を運び終えると、くたくたになってしまった。結局、樹木の伐採ができずに、今日の庭作業はこれで終了となった。森の中を動き回っていると思わぬところに思わぬ木が生えていたりしているのがわかる。これは、これでいい勉強になった。

午後からは、「ロープの結び方の練習」を30分ほどする。「ふた結び」「ねじ結び」「巻結び」「二重巻き結び」「てこ結び」、ここまでは昨日やった復習だ。右からは入ったり、左から入ったりと、ややこしい。今日は新たに「おいはぎ結び」を練習する。これは、馬の結び方で、片方を引くと縄がほどけるという優れもの。おいはぎが逃げるときに逃げやすかったからと名付けられた、とのこと。面白いがややこしい。

夕方は、町に買い物に出よう。ついでに、「燃えるゴミ」をゴミステーションに運ぶ。溜まりに溜まったワインのボトルは「きらら」に持っていこう。R141は、連休のためか車が多かった。きららでは、いつも通り、刺身や魚などを買いそろえる。店内で、八ヶ岳で色々の音楽の取り組みをされているUさんご夫婦とお会いした。小渕沢リゾナーレ音楽祭のことが話題になった。

アダージョの森に帰りつくと、5時30分を回り、大分薄暗くなってきた。今日は、買ってきた新鮮な刺身を使って「手巻き寿司」としよう。炊き上がったご飯を桶に取り、寿司酢を混ぜると「しゃり」が出来上がった。ついでに、「がんばろう宮城・石巻」とシールが貼られた、真緑の「原そう三陸産わかめ」を使って、酢の物と添える。

こうなれば、飲むのは地酒「谷桜」。折角だから、備前に旅行に行ったとき買った備前焼のとっくりとおちょこを使って燗をしよう。

手巻き寿司をつまみながらちびりちびりの飲む酒は冷えてきた秋の夜にはぴったりだった。

 


ロープの結び方始め

2011-09-23 | 日記

台風が過ぎ去った。やや雲があるものの空は晴れている。外気温8度、室温18度、湿度46%。
秋分の日に合わすかのように、外気温が8度に下がってきた。室温も20度を切って、半袖では寒い感じだ。最低気温が8度以下に下がると、木々の紅葉が進むと言われているので、色づきが楽しみだ。

朝食は「ママカリ」のみりん干しの炙り焼き。さすが、あまりに美味しくて、自分の家の「おひつ」が空になり、隣の家から「飯(まま)を借りてくる」と言われるだけあって美味しい。

庭に出ると、シュウメイギクが美しく咲き誇ってきた。紐でしっかり支えてやったので、花も喜んでいるようである。

作業の前に、ソーチェーンを交換する。と言っても全く新しいものではなく、以前使っていたもので、刃を研ぐことを知らなかったので、次々と買い替えていた頃の刃が何本がある。それを装着して、研いでみると、なんとヤスリにしっかりした手ごたえがある。十分使える刃だ。

今日は、薪小屋の西側にある3本の木のうち、左側の栗の木を伐採しよう。木というのは、なかなか垂直に育っている木は少ない。陽の光を求めて少しでも多く吸収できる方向に、曲がってくるのである。この栗の木は、初めは、南の方に傾き、その後は、北東の方に枝を張り出してきている。倒したいのは南側で、北東には薪小屋があり、こちらに倒れると屋根を痛めることになるのでそれだけは避けねばならない。

南側に受け口を刻み、反対方向から切っていく。やはり、ソーチェーンが新しいと、切れ味が全く違う。栗の木は上手く南側に倒れたが、今度は、ウリカエデの真上に倒れ、のっかってしまった。一つ一つの枝を主幹から切り離し、ようやく、伐採作業は終了。小枝の山が出来上がった。

栗の木なので、今年の栗の実はどうなっているかと調べてみると、なんとなんと、栗の実がただの一つも見当たらない。小さい実すらついていない。今年は、「裏年」になるのであろうか。

食後は、デッキで「ロープの結び方」の特訓を始める。ロープやひもを結ぶといっても、これまで、どんなものでも「本結び」「花結び」でやってきた。これしか知らないのだ。最近、樹木を倒したい方向に牽引して、しっかり結ぶためには、これでは役に立たないということが分かってきて、他の結び方を知りたくなってきた。そういえば、大阪に「ひもとロープの結び方百科」という本があるのを思い出した。大阪に戻っている妻に連絡して、こちらに送ってくれるように頼んでいたのが、台風15号来襲の日に、こちらに届いたのだ。

世界中に4000種を超える結び方があると言われている。人は生活のいろんな場面で、紐やロープを使っていて、用途に応じて様々な結び方を編み出してきた。それほど多くの結び方を知らなくてもいいが、山での生活に役立つ結び方を是非身につけておきたいものだ。

今日は「ひと結び」「ふた結び」「ねじ結び」から始める。本を見ながらやってみると簡単なのだが、、本を離れてやるとなると、これが意外と難しい。それでもここまでは、何回かやると覚えることができた。

ところが「巻き結び」「二重巻き結び」「てこ結び」となると、何度やっても直ぐに忘れてしまう。今日はここまでにしておこう。


3時から5時までフルート練習をする。アルテ21課「トリル」の練習をする。小指、薬指がほとんど動かないのがつらいところだ。夕方からまた雨が降り出して来た。

最適気温が8度になるとやはり温かい鍋ものが欲しくなるものだ。今日は甲州名物「ほうとう」を食べよう。豚肉ベースに、大根、ニンジン、里芋、カボチャをドバッといれ、薄アゲとネギを散らす。目の前で炊きながらフウフウいいながら食べると、根菜の味がしみ込んだ「ほうとう」は俄然旨くなるのだ。いよいよ「食の秋」がやってきた。


青空が戻ってきた

2011-09-22 | グルメ・クッキング

朝5時には台風15号は、北海道襟裳岬沖まで進んでいた。晴れて青空が広がり、清々しい朝がやってきた。
今朝は、食パンの朝食にする。肉厚のベーコンがジューシーだ。

デッキから庭を見ると、明るい陽が射してきたので、外に出る。

山々はどうかと見に行くと、真っ青ん空だが残念ながら南アルプス、八ヶ岳はともに雲に覆われてしまっていた。

台風が通過した後はどうなっているのか、庭と周辺の様子を見に行く。枯れ枝がいたるところに落ちている。

栗の実も落ちていた。大分実ってきているようだ。


蕎麦畑の蕎麦は、ほとんどが倒れてしまっていた。台風12号に続いて、2度も台風にやられたことになる。収穫は相当落ち込むのであろうか。

畑は特に影響はなかった。二十日大根が一斉にカイワレ大根になっていた。間引いた苗はサラダにして食べることにしよう。

庭のシュウメイギク、リンドウ、などが倒れているので紐で支えを作る。こんな作業をしていると、あっという間に、昼になったので、今日の庭仕事は終了だ。

午後からは、だんだん雲行きが悪くなっていて、風も吹き始める。今日は、昨日台風のためにできなかった燻製をやろう。乾燥させていた、イカ、茹で卵、エビ、秋鮭。

材料が多いので「1号機」にもう一段網をセットする。スモークウッドに火をつけ、ザラメ砂糖を置く。

それに、「1号機」を覆いかぶせる。しばらく様子を見ていると、どうも煙の出方が少ない。スモークウッドをみてみると煙が出ているのだが、ほとんど消えかかっている。再度チャッカマンでしっかり火をつけてセットする。しかし、風が吹いてきて、「1号機」の中の温度が30度ぐらいにしか上がらない、まぁ、冷燻ということにしよう。

燻製をセットして、フルートの練習をする。いつも通り、ロングトーン、「毎日の練習」「各調のスケールとアルペジオ」をやってから、アルテ20課のNO2、NO3をやる。

途中で、燻製の様子を見に行くと、やはり、冷燻状態でイカがほとんど燻せていない。これではいけないので、イカと卵は、「2号機」に移す。「2号機」にチップをセットして、カセットコンロで燻すと、こちらは、熱がぐんぐん上がってきた。ほっておくと100度を越してしまうので、蓋を開け燻製器の内部温度を下げる。

そのままにしておいて、またフルート練習の再開だ。「名曲31選」から、ビゼー「アルルの女メヌエット」、フォーレ「シチリアーノ」ヘンデル「ラルゴ」、ドボルザーク「ユーモレスク」シューマン「トロイメライ」を練習した。

その間も、燻製が気になって仕方がないので、何度も様子を見る。「2号機」のイカと卵はできたようだ。「1号機」はまだのろのろと煙を吐いているが、内部温度は30度どまりだ。6時になったので、全ての材料を燻製器から出す。まずまずの出来上がりだ。

 

今夜の夕食は燻製定食としよう。今日作った燻製を並べるとなかなか見栄えはいい。もちろん全ては食べきれない畑で採れたオクラを湯がいて、かつお節をまぶし、うどん出しをかける。キュウリとワカメの酢物を添える。

卵が割れてしまったのは、乾燥時間が長すぎたからだろうか。イカは、内部温度を上げ過ぎて、少し焦げてしまった。逆に冷燻の秋鮭とエビは、上手く仕上がっていた。色々の違ったものを一度に燻製すると楽しいのだが、乾燥時間が違い、燻製の温度や長さも違うので、少し考えものだ。同じ種類のものを多く作る方がよさそうだ、と反省した。


初めてのベーコン作り

2011-09-21 | グルメ・クッキング

昨夜から風雨が強くなってきた。午前3時ごろ、樹木が風の音で唸ったり、家がギシッと鳴ったりして目覚める。しばらく寝付けなかった。朝の外気温16度、室温22度、湿度55%。暑くも涼しくもない。

今朝は、パトリック・ガロワのCDでフルート曲を流す。音を絞って流すと、朝にはぴったりだ。朝食は、味噌汁に大根と豆腐を入れ、納豆と昨夜の厚揚げの煮物に塩鮭、それに、ぬか漬けの水ナスビとズッキーニ。大豆尽くしになってしまったが、畑で採れた水ナスの漬物は最高に美味しい。

午前中は、時折強い風と雨だ。インターネットでNHKのラジオ放送を聞くことができるの、台風情報がよくわかる。台風15号は近畿の南を通過し、東海~関東地方をうかがっている。
こうなれば、することはフルートを吹くことだけだ。ロングトーン、基礎練習をした後、アルテ20課の2曲を練習した。この2曲ともほぼ大丈夫かな。続いて21課トリルの練習をやって、午前中の練習は終わりだ。

昼食は、冷蔵庫にある焼きそばめんを使ってソース焼きそばを作る。エビ、イカ、豚肉たっぷり、もちろんキャベツたっぷりなので、食べごたえも十分だ。ビールを飲みたいところだが、我慢我慢。

台風で室内に閉じ込められたこの機会に、ベーコンの燻製をまとめておこう。ネットで色々レシピが出ているが、今回は、金太郎の息子さんに教えていただいた「燻製.net」を参考にさせていただいた。

最初に豚のバラ肉500グラムに塩をすりこむ。

それをパックし、おもしを乗せて、冷蔵庫に1日置く。それを水洗いして、いよいよ本漬けだ。ピックル液に黒コショウ、ニンニク、三温糖、みりん、ローズマリーを入れて、よく混ぜる。それをナイロン袋に入れ、そこに豚肉を入れ、よくもんでから、冷蔵庫に入れる。

冷蔵庫で5日間、毎日、上下を入れ替えてなじませる。それが終わりと、冷蔵庫から取り出して、2時間塩抜きをする。その後、冷蔵庫で1日乾燥させる。それからやっと燻製が始まる。

燻製1号機で、スモークウッドを使って、3時間ほど燻製する、と、いい色になった。

いい色になった。

それを燻製器から取り出して、冷蔵庫で3日間熟成した。冷蔵庫から取り出す。いよいよ来るべき時が来た。

胸躍る一瞬である。端を切って口に含んでみると、香り高くコクが深い、売っているものとはケタ違いの旨さである。あえて言えば、塩抜きが弱いのか、やや塩味が強いかな。次回には改善しよう。ま、それだけの手間がかかっているから美味しいのは、当たり前と言えば当たり前だ。文字通り「手塩にかけた」ベーコンは保存しておこう。

昼の、2時半ごろ、浜松に台風が上陸した。そのころ、「今日は」と窓を叩く人がいるので見てみると、郵便の宅配だ。「こんな嵐の日に届けてもらわなくてもいいのに、ありがとう」とお礼を言う。仕事と言えばそれまでだが、最近の「郵便局」=郵政事業はよくやっていると思う。いや、末端で働く人は、これまでもよくやっていたのであろうが、接触する雰囲気が、本当に変わった。

その後、風雨がものすごく強まってきた。庭の木々は、全身を左右に大きく揺さぶり、木の葉を舞い落としながら、暴風を防いでくれている。さながら、身を挺して要塞を守る野武士のごとく、といった風情である。5時ごろ、台風は、まともに甲府付近を通過していった。

6時30頃、まだ暴風圏に入っているものの、風雨は弱くなってきた。ようやく台風も収まったということか。今夜の夕食は、冷蔵庫の余り物を一掃することにしよう。と言っても、残っているものを酒の肴にしようというもの。省エネを言うなら、冷蔵庫の中にやたら無駄なものを詰め込んで冷蔵能力を弱める愚は避けねばならない。とか何とか理屈を捏ねたくなるが、要は食事を作る手間が省けていいのだ。

台風が遠くへ行ってしまったのだろうか、夜は静かに更けてきた。