功夫電影専科

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特集・好小子たちの戦い(番外編) 『幽霊道士』

2008-03-22 23:24:30 | カンフー映画:駄作
「幽霊道士」
原題:疆屍小爺
英題:Magic Story/Young Master Vampire
製作:1986年

●今回の好小子特集では、キョンシー映画は敢えて除外しています。その理由についてですが、必ずしも好小子自身によるアクションがあるとは限らないし、ホラーコメディだとファイトシーンが存在しない可能性もあるからです。
しかし、大きなムーブメントを起こしたキョンシー映画というジャンルは、子供をメインに据えた好小子作品と通ずるところがあるのも事実。という訳で、今回はちょっと寄り道して、キョンシー映画から1つだけ紹介いたします(とはいえ、あくまで寄り道ですので“番外編”扱いです)。

 ある真夜中、キョンシーの家族の中からベビーキョンシーが行方知れずとなる。父・母・祖母のキョンシーは彼を探して街を徘徊。これによりキョンシーの被害者も多発していく。一方、吸血鬼の研究家である董驃(トン・ピョウ)は、助手(自分の娘と恋仲)と共に吸血鬼(キョンシーもその一種であるため研究対象)を調べていた。
しかし警備隊長の米奇とその部下である孫國明(ソン・コクミン)は、霊幻道士の火星(マース)と共謀し、キョンシーで一儲けをしようと企んでいた…。

 てな感じのストーリーなんですが、ハッキり言って本作は『霊幻道士』と『霊幻道士2/キョンシーの息子たち!』のパクリです(爆
時代設定・キャラクターの立ち位置などは『霊幻道士』から、董驃のキャラやベビーキョンシーとキョンシー一家は『霊幻道士2』から拝借したもので、本作ならではという要素が何一つとして見えてきません(例外は祖母キョンシーぐらい)。
特に、米奇が演じる警備隊長は明らかに『霊幻道士』を意識しておきながら、非常に不快なキャラとなっていました。そもそも演じているのが米奇なので愛嬌のカケラも無く、キョンシー一家を惨殺してベビーキョンシーに何発も銃弾を撃ち込むなど、完全に外道と化しているので少しも笑えないのです。
 登場人物たちの行動もメチャクチャで、ラストではさっさとベビーキョンシーを家族の元に返せばいいのに、逃げ回って右往左往しているうちにキョンシーが全滅するなど、本末転倒な結果となっています。
アクション面でもその優柔不断さは炸裂し、『霊幻道士』テイストなキョンシーとの追いかけっこで見どころとなるのはクライマックスの一戦のみ。本作では孫國明や火星の他に、祖母キョンシーを演じた黎強權(ベニー・ライ)が控えていますが、スタントの方も思い切りに欠けていました。
 ブームに便乗しようとする下心が丸見えな珍作ですが、製作はなんとあの羅維(ロー・ウェイ)! もちろん妻の許麗華も一緒で、よくよく見るとキャストやスタッフにジャッキー映画にゆかりのある人物が多く見えます。
ひょっとしたら羅維は、キョンシーブームに加えてジャッキー人気にもあやかろうとしていたのではないでしょうか? ジャッキーに去られ、どうにかブームに乗ろうと四苦八苦している彼の姿を想像すると、なんだか切ない気持ちになってしまいます(爆

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2 コメント

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私は好きですよ♪ (Unknown)
2017-05-06 11:49:08
当時TV放送時の吹き替え版がたまらなく面白くて、今でも吹き替え版が欲しい熱は下がっておりませんw
ちなみに、ベニー ライは副隊長役ではなく、お婆キョンシー役のほうです。最後お札型の布に包まれて溶けちゃうキョンシー。
副隊長役はスン コクミンです。

初コメントで失礼致しました。
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返信。 (龍争こ門)
2017-05-12 14:43:34
 こんにちは、コメントありがとうございます。お返事お待たせ致しました。
私は字幕版のビデオでしか見たことが無いので、吹替え版の存在は実に興味があります。詳細は知りませんが、こちらは楽しく見れそうですね。
なお、演者の間違いについては後日訂正いたします。ご指摘ありがとうございました。
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