功夫電影専科

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特集・好小子たちの戦い(番外編) 『新・桃太郎』

2008-03-25 23:37:51 | 女ドラゴン映画
「新・桃太郎」
捉鬼雜牌軍
The Child of Peach
1987

●日本でキョンシーがブームを巻き起こした時、二匹目のドジョウを狙って『キョンシーズ』のスタッフが作ったのがこの作品である。どちらかというと前回紹介したようなキョンシー映画より、こちらの方が好小子作品としては面白いが、特にメインで取り上げられてはいないため、今回も特集の番外として紹介する次第であります。
桃太郎は桃太郎なので基本となるストーリーは皆さんご存知の通り。桃から生まれた桃太郎が犬・猿・雉を引き連れて鬼が島で鬼退治…という話だが、そのまんま映画にしてもあっという間に終わってしまう。そこで本作は色々と脚色をしているのだが、オリジナルを踏まえて見てみると「なるほど」と思うような独自の設定が組み込まれている。
だが、子供に見せるにはちょっと微妙な場面もあったりするのが台湾映画(苦笑)。ばっちいシーンやえっちいシーンのほか、残虐なカットもあったりするから油断できないのだ。
特に過激なのが残虐シーンで、劇中鬼たちは村や城などを襲撃し、家を燃やして人々を虐殺しまくるという場面がある。子供向けにしてはちょっとハードじゃないか?と思うところだが、本来童話などでは触れられない鬼の"悪事"を描くのは画期的な事だし、実際に鬼が悪事を働くのであればこうなるだろうという描写をそのまんま具現化したワンシーンとして興味深いものがある。
主演はボーイッシュな魅力に定評のある林小樓(リン・シャオロウ)だが、好小子特集として本作を取り上げているので、今回は犬・猿・雉を演じている3人の好小子にスポットを当ててみたいと思います。
まず犬役を演じた陳子強は、『キョンシーズ』でお馴染みのチビクロ役を演じていた人。成長後は甄子丹の『ヒート』にも出演しているが、ここではあの『カンフーキッド』の左孝虎も出演しているので、好小子ファンは要チェックの作品といえるかも。猿役の徐育達は本作以外だと『ドラゴン・キッズ』という好小子作品に参加している(こちらも特集で取り上げようと思ったが、近場で見つからず断念)。そして雉役の楊如球だが、この人だけは何故か本シリーズ以外での情報は掴めませんでした。
さて、そんな彼らのアクションを指導したのは趙中興率いる趙家班だ。
趙中興や趙家班については『ドラゴン特攻隊』の項でも取り上げたが、彼らはワイヤーアクションやスピーディーなファイトを得意としている。本作でもそれらを駆使した功夫アクションは見応え充分。功夫映画ファンとしては、クライマックスでの林小樓VS朱客(張徹作品などに出演したショウブラスター…本作では水の鬼に扮する)だけでも見て欲しいところ。
作品自体も、笑いありシリアスありのしっかりとした作りで面白い。『カンフーキッド』と合わせて見て欲しい作品です。

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