陸に上がったカッパの海無し県生活

潜りから漁師へ。身体を壊し船を下りた。
海の話、釣りの話。脳脊髄液減少症。

郡上竿考察

2009-12-28 20:59:24 | 釣りの話
ここにきて、何本かの古い渓流竿のリリアントップを、回転トップに換えた。
今更なのだが、何本かの竿を並べてみて、ふと気が付いた。
「えっ、郡上竿の穂先って全然太くないじゃん」、って。
(竹の郡上竿には触れたことは無いが)

郡上竿が紹介される都度目にするのは、
手元からグニャリと曲がる総調子で、その穂先は太く硬い。
恐らく、そのような書き方がされていることが多いと思う。
自分でも、その穂先は太くて硬いと思っていたのだが。
確かに、時代背景の変遷もある。
本流竿など存在しなかった時代、渓流竿と言えば先調子、極先調子の竿が殆どだった。
穂先の太さも、0.6ミリとか0.7ミリという太さの竿しか存在しなかったのではなかろうか。
そんな時代から存在したこの郡上竿は、確かに穂先が太く、
異端児といった感があったのだろうと思われる。

7.2mで1mm。
8.1mで1.1mm。
これが、宮田作 「郡上あまご」の穂先の太さ。
実際には、言われるほど太くない。
写真上の赤い竿が、7.5mで1.6mm。
現代の最新の本流竿の穂先は、殆どが「郡上あまご」よりも太くて硬い。
(ゼロロッドやシマノの一部製品を除いて)
だが確かに、郡上竿を伸ばしてみると、実はあまり太くなく結構軟らかなその穂先が太く感じるのだ。

何故だろうか?
そうだ、短いんだ。
それも、穂先と穂持ちの2本が。
仕舞い寸法は長尺だが、この部分は小継ぎ竿と大して変わらんぞ。
そういう訳だったんだねと、妙に納得。
短いから、テーパーが急になっている。
それが、太いと感じさせる要素なんだろう。

さて、カーボンに取って代わった郡上竿でさえ、使いこなすには相当の慣れが必要だとされている。
でも、写真の2本を使い比べてどちらが使いやすいかと言えば、
自分にとっては圧倒的に郡上竿なのだ。
軽い錘でも振り込みやすく、風にも強い。
勿論、重い錘でも何らの問題も無い。
食い込みも良く、針掛かりさせた後のバラシも少ない。
ただ一つ問題があるとすれば、重さかな?
でも、確かに8.1ではその重さに辟易としたが、7.2の重さなら全く問題無し。
今更ながら、本当に良い竿だと感心させられる。

何でこんな事を書いてきたのか?
あくまでも個人的な考えなのだが、最近の本流竿のような、余りにも太くて硬い穂先は要らない。
そう思うからなのだが・・・。
胴調子、総調子の竿ならば、大きな魚が掛かれば穂先なんて糸と一直線になってしまうんですからね。
ある程度の重さのガン球が振り込めれば、それでいいのです。

がまかつの龍渕や下野(しもつけ)の本流竿のように、
替え穂先を備えた竿がもっともっと沢山あればいいのになぁ。と、そう感じます。

まあ、資金さえ潤沢にあれば、竿のバリエーションは豊富だから、
自分のような悩みも無くなるのでしょうが。
しかし、今時の竿なんて高くて高くて困ったもんだ。
4~5万が廉価版、高級品は10万を軽く越えてしまうなんて。
そんな竿を何本も揃えられませんからね、この厳しい御時勢に。
道具には拘りたいが、単なる道楽者の収集と紙一重になってしまいかねません。
メーカーさんも、もうちょっと考える時代に入ってきたのではないのでしょうか?

現代の郡上竿と言えば?
シマノ原点流か、ダイワ本流アマゴ・サツキシリーズのニューバージョンかな?
欲しくても、今はちょっと手が出ないね。
このどちらかが、そのままの仕様で2万以内。
それなら買うが。
まっ、到底無理な話しかっ。
「郡上あまご」がもう一本手に入るならば、ガンガン使っていきたいが、
それも叶わぬ今、大事に取っておきたいという相反するものもある。
代わりになる竿が欲しいものだが。

そう言えば、この間立ち寄った釣具店のご主人がボヤいていましたっけ。
「今年は、年末になっても竿なんて全然売れない。こんな年は経験したことが無い」って。












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