陸に上がったカッパの海無し県生活

潜りから漁師へ。身体を壊し船を下りた。
海の話、釣りの話。脳脊髄液減少症。

笑っちゃう話し 笑えない話し

2013-11-10 18:58:45 | 脳脊髄液減少症

ふと、「あんな事があったなぁ~」なんて思い出した事がある。

「○○さん、良い人がいるんだけど、会ってみない?」こんな会話から始まる話しなのだが、

これには勿論、続きがあって、「器量良しで品がある良いお嬢さんがいるんだけど、付き合ってみない?」という喜ばしい話などでは全く無い。

こちらが、実態の無い、得体の知れない痛みなどで苦しんでいるのを聞き付けた、世話好きの御節介おばさんから掛けられた言葉である。

「その人しかない特別な力で、沢山の人が、病気や苦しみから救われてるのよ、信じなくても良いから会ってみない?」

「あ~、そっちの話しね」「お決まりの文句、宗教に誘う時の常とう手段だね」内心そう思いつつも、普段から良く接して貰っている手前もあって無下には断れず、

取り敢えずは会ってみる事に。

そしたら これがまた、出会う形が違っていれば、その出会いを見逃す訳にはいかないと思うほどの、若く美しい女性だったんですけどね。

何でも、何とかっていう聞いた事も無い団体(勿論、怪しい宗教)の、その中でも相当な力を持つ女性なのだとか何だとかで、滅多に診て貰えないのよ。

と、そんな紹介を受けたような覚えがあります。

その女性の、高尚な施しを受ける前に、この話を持ってきた御節介おばさまから、「まあ、ジュースでも飲んで」と出されたのが、冷蔵庫に入っていなかった生温いポカリスエット。

そして、「このポカリ、いつものと何か違わない?」と聞くので、「少し甘いのかな?」なんて、わざとらしく答えると。

してやったりと得意げな顔で、「そうでしょっ、この女性の持つ力で、味を変えてしまったのよ、凄いでしょ」なんて、のたまいやがった。

生温いポカリスエットが、冷えているものよりも甘ったるく感じるのは、至極当たり前の事で、

「煙草の味も変えてしまうのよ」何て言うから、「今度は、古くて湿気った煙草でも吸わせる気か?」と思ったが、それは無く。

思い返してみれば、コップに注ぐ前に、ペットボトルに手をかざしていたような。

「あぁ~、その宗教ね」と、思いつつも、こちらはバカらしくて落胆した気持ちを抑えつつ、いよいよ、不思議な力で僕の病気を診てくれる時がきました。

どの位の時間だったか、無言で僕の体のあちらこちらに手をかざし、しばしの沈黙の後に返ってきた言葉は・・・。

「私の持つ力では、あなたの体は治せない、私のパワー以上の悪さがあなたの体にあって、これ以上のことは出来ません、すみませんでした」と、言う言葉でした。

僕はすぐに、その後の言葉を推測していました。

「これを買えば治る」と、例えば、壺だとか数珠だとか、印鑑だとか、そんな物を勧めてくると思っていました。

が、不思議な事に、そんな勧誘も無く、「また来てください」との言葉もなく、帰路に着いたのですが。

今思えば、「あれは一体何だったのだろうか?」と、不思議な気持ちです。

「もしかしたら、あの、若く美しい女性は、本当に不思議な能力を持っていて、本当に、その力が足りずに治せなかったのかも知れない」

「もしかしたら、あの得体の知れない宗教に誘いこむつもりだったのが、本当に病気で苦しむ僕を見て、良心の呵責から騙すのが悪くなったのかも知れない」

そんな事を考えつつも、また普段の日常に戻りました。

この話には、後日談はありません。

話しを持ってきた(持ってきてくれた?)おばちゃんも、「ごめんね、何も力になれなかったね」と言っていたので、本当に僕の体を心配してくれての事だったと思います。

ね、笑っちゃう話しでしょ?

いや、笑えない話しかな?

もっと笑えない話しもありますよ。

これは、僕が入院中に知り会った女性(彼女も入院中)から聞いた話しなのですが、

その女性Aが、病院の待合室でちょっとした会話をし、友達のようになった女性Bがいたそうです。

Aは、Bも入院中だと思い、自分の部屋番号を教えました。

翌日、Aが部屋を出て戻ると、部屋の中から、大きな異様な声が聞こえてきました。

その声の主は、Aのベッドの横で念仏のようなものを唱える、Bだったのです。

「あなたの病気を治してあげる」そのような事だったらしいですが、Aは怖くなって部屋を飛び出したそうです。

Bは、看護師によって連れ出されたそうですが、その病院の患者ではありませんでした。

自らが信心する宗教の勧誘の為に、病院の待合室で罠を張っていたのです。

俄かには信じられない話しかも知れませんが、人の弱みに付け込む格好の場所だったのです、病院の待合室が。

また、こんな話しもあります。

これは、僕の友人が経験した話しです。

僕と知り会う前に、その友人の家で火事を起こし、家が全焼した事があったそうです。

そして、焼け跡を片付けている最中に、何回も何回も、宗教の勧誘がきたそうです。

「あなたの信心が足りないから、こんな事になったのです。私たちと一緒に活動してみませんか?」と。

友人は、「こいつら本当に殺してやろうか」と思ったそうで、「人が、どん底に落ちている時に、あれには本当に参りましたよ」と、僕に話してくれました。

ともすれば、病気などで落ち込んで心が弱った時、宗教に縋りついてでも・・・。

そんな気持ちになる時もあります。

僕は、決して全ての宗教を否定する者ではありませんから、本当に良い宗教に巡り会え幸せになれれば、それは良い事だと思います。

ですが決して、人の弱みに付け込んでくるような奴ら(敢えて、こう呼ばせてもらう)の毒牙に掛らぬよう、お気を付け下さい。

 

 

 

 

 

 


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