陸に上がったカッパの海無し県生活

潜りから漁師へ。身体を壊し船を下りた。
海の話、釣りの話。脳脊髄液減少症。

千曲川釣行 その時、絶叫がこだました。

2009-09-18 16:33:29 | 釣行記 千曲川編
始めに
前回のタイトルに、少し誤解を招く部分があったかもしれません。
前回、最終釣行と記したのは、あくまでも群馬県内利根川釣行の最終を表すものです。
あしからず。

改めまして。
本日の釣行記に入らせて頂きましょう。



「やった、獲った」
九分九厘、そう思った。

タモに手を掛け、差し伸べる。
その先、僅か50センチほど先に、見事な鼻曲がりの40アップのヤマメが浮いている。
しかし・・・。

「あっ、あっ。あ~!!」
「何でだよ、ちきしょ~!!」
タモ入れ寸前で、無情にも糸が舞い上がった。
針外れだ。
思わず、絶叫。
大声を上げてしまった事には、伏線があった。
その前に何と、明らかな尺物を含めて、7連続のバラシ劇を演じていたのだ。

こんな事は滅多にある訳じゃ無い。
自分の中の、何かが狂ってしまっている。
信・じ・ら・れ・な・い・・・。

あまりの出来事に、手がブルブルと震え始めていた。


コスモスの花が揺れる岸辺

春先以来、今年2回目の千曲川は、静かに流れていた。
最初のヤマメのアタリを捉えたのが、釣り開始から既に1時間半が過ぎていた頃。
1匹目は、期待に反して?21センチの小型だった。
1時間に1回、それが、千曲川佐久漁協管内での、アタリが出る期待数値。
過去の経験から導かれた目安の数字だ。
決して、魚影が濃いとは言えない。
勿論、これが嬉しい誤算になる時もある。
ある藪を掻き分けて出た段々瀬が続くポイントで、アタリが頻発することになろうとは。
正に嬉しい誤算だった。

しかし、バラシ、バラシ、またバラシの連続になる、そんな誤算までが重なっていようとは。
夢にも思っていなかった。
その中の1匹が、前述の40アップだったのだ。
足場の悪い段々瀬、その中の、一番流れが強い急な瀬の中で奴は来た。
掛かった瞬間に、物凄いスピードで下に走り、一段下の瀬に落ちてしまった。
足場が悪いから、こちらは一歩も動けない。
強引に竿で止めるしかない。
何とか止まって、暫く堪えた。
ボコッ。
奴は口を開け、頭を水面に浮かせた。
誰でもが、貰ったと思える。
そんな状況だろう。
だが、急な流れの中、疾走を強引に止めたのだから、
奴の口にも大きな負荷が掛かっていたのだろう。
寄せる時も、こちらが下に下がれないから、強い流れを無視して上流に寄せねばならない。
口を開けて浮いた巨体には、更に強い力が加わる。
恐らく口切れか、針の掛かった部分の皮が伸びたかして外れてしまったのだろうと思う。
外れたその時、一瞬の間があって、奴は反転して流れに翻った。


完全に、力が抜けてしまった。
その後、バラシは9連続にまで伸びてしまった。
「一体、どうした事か・・・」


9連続バラシの後の、27センチ
この後すぐに、22センチを追加。
大型を何本か掛けていた後だけに・・・。
だが、ホッと一息。

バラシが悔しくて、珍しく昼過ぎまで頑張ってしまった。
だがきっと、こんな日は何をやってもダメなんだ。
何か納得の行かない、とてつもなく大きなものを引きずりながら、竿を納めた。
明日は多分、肉体的にも精神的にも、辛い一日になるだろう。

今日はきっと、何か自分の中で、気持ちに欠ける物があったのだろう。
それが何なのか、自問自答しながらも、また来年に向けて頑張ろう。

一日に100匹掛けようが200匹掛けようが、バラシてしまっては釣果でも何でもない。
だが、バラシてしまうことも必要なのだ。
何故、バラシ劇を頻発してしまったのか?自分の何が一体いけなかったのか?
明日に繋がる何かを、そこから掴まなければいけない・・・。


「こんな日も、年に何回かはあるさっ」
自分を慰めるように、そして強がるように、そう呟いて秋の千曲川を後にした。


残り、後1回。
釣れても釣れなくてもいい。
再来週釣行予定の魚野川で、今年の釣りも幕が閉じる。



釣果 ヤマメ 21センチ 22センチ 27センチ

竿   ハイパードリフトサツキ75
道糸  0.6号
ハリス 0.6号
ガン球 1号~5B
針   メーカー各種 8~9号
餌   ミミズ 黒川虫