岡山労働局は15日、津山公共職業安定所が10月26日に津山市で開いた障害者就職面接会で、求職活動中の障害者54人分の氏名や障害の種類などについて、本人の了解を得ないまま、記載資料を参加事業所13社に配布したと発表した。悪用などの二次被害は確認されていないという。
労働局によると、資料は事業所側が面接の参考とする全8ページの「求職者情報一覧」。参加登録者62人分の障害の種類や年齢、性別、希望職種などを記載している。本来は氏名の代わりに番号を振る形式だったが、担当職員が配布資料を作る際、2ページ目以降の氏名を削除していなかった。
面接会の2日後、事業所からの指摘で発覚。持ち帰った事業所から資料を回収するとともに、個人情報が流出した障害者に謝罪した。再発防止策として管理職によるチェックなどを徹底する方針。
岡山労働局は「あらためて深くおわびする。個人情報の漏えい防止に万全を尽くしたい」とした。
島田市落合の障害者支援施設に入所している重度心身障害者が施設職員から暴行を受けたとされる事件で、施設側が同事件の被害者とは別の入所者3人の頭部のけがを同時期に確認していたことが15日、関係者への取材で分かった。静岡県によると、施設側は当初、3人のけがを「事故」と判断し、県の担当部署などに通報していなかった。
島田署と県警人身安全対策課に暴行容疑で逮捕された施設職員の男(56)=焼津市すみれ台=が、男性入所者(55)の頭や腹を平手で殴打したとされるのは、7月15日午前6時ごろ。法人や関係者によると、同じ日にこの入所者とは別の男性入所者3人の頭部に内出血のようなあざが確認されていた。3人はいずれも重度心身障害者。同署などは、松井容疑者が同時期に入所者への虐待を繰り返した可能性を視野に入れ、3人が負傷した経緯を調べている。
県は8月上旬、「3人のけがが『事故』と判断されたが、虐待ではないか」との匿名の通報を受け、事態を把握。立ち入り検査や職員への聞き取りを実施した。
障害者虐待防止法は、施設従事者による虐待を受けたと思われる障害者を発見した場合、速やかに自治体に通報することを義務付けている。県の担当者は「けがの原因が分からなければ虐待を疑い、通報すべきだった」と指摘している。
施設を運営する社会福祉法人の担当者は取材に「原因不明のけがの場合、事故として処理していた。虐待という結果になれば、認識が甘かったということになる」と話した。
2016/11/16 @S[アットエス] by 静岡新聞
熊本地震の前震から7カ月を迎えた14日、県が整備を進めていた応急仮設住宅110団地4303戸全てが完成。益城町福富では、障害者が暮らしやすいバリアフリー型の仮設団地6戸も整備され、報道陣に公開された。
県によると、バリアフリー型仮設は東日本大震災の被災地でグループホームタイプが整備されたが、個別住宅タイプは全国初。通常の仮設住宅は室内に段差があり、車いす利用者から住みにくさが指摘されていた。県は障害者団体などの意見も取り入れ、9月に益城町でバリアフリー型仮設の建設に着工した。
バリアフリー型仮設は木造2DK37・3平方メートル(通常は約30平方メートル)。入り口や室内の段差をなくし、風呂とトイレは介助者も入れる広さを確保した。台所や洗面所はシンク下を空けるなど、車いす利用者が使いやすいよう工夫されている。
同町によると、16日に車いす利用者と視覚障害者ら4世帯10人が入居予定。県住宅課は「熊本モデルとして全国に発信したい。入居後も要望があれば細やかに対応したい」と話した。
県はこのほか、宇土市など5市町村7団地で建設された木造仮設28戸を「改良型スロープ棟」として整備。段差解消や引き戸設置などで高齢者や障害者が生活しやすいように配慮した。
西原村にも益城町と同様のバリアフリー型整備を予定していたが、対象者が既に木造仮設に入居していたため、改造で対応した。
この日は御船町木倉の落合仮設団地42戸も完成。県内では、4月29日に甲佐町と西原村で仮設住宅の建設が始まり、16市町村で整備を進めてきた。
入り口にスロープが設置された福富仮設団地。 車いすで作業しやすいようシンク下が空いたキッチンの使い勝手を確かめる障害者
2016年11月15日 熊本日日新聞
鳥取県は14日、障害者が暮らしやすい地域づくりについて定める「あいサポート条例」(仮称)の制定に向けた策定委員会を発足させた。障害福祉サービスの充実、情報コミュニケーション保障、障害者の権利擁護、障害者芸術の推進などを条例に盛り込み、来年2月議会での条例制定を目指す方針だ。
情報保障を盛り込んだ条例は、成立すれば全国の自治体で6例目となる見通し。
会議で県は「条例で県や民間の責務を明確化することで、障害者施策やあいサポート運動を継続させ、共生社会の実現を図りたい」と狙いを説明。出席者からは、平時も災害時も障害者に情報が伝わるよう「情報のバリアフリー」を求める声が相次いだ。
このほか「障害者を差別しない教育の充実」「障害者が社会に出て発信できる環境づくり」などを求める意見もあった。県は障害者団体の意見を反映させて条例案を固める。
2016年11月15日 日本海新聞
◆新宿で体験イベント
2020年の東京パラリンピックに向け、障害者スポーツに理解を深めてもらうイベント「パラスポフェスタ2016」(東京ガス主催)が15日、新宿区の新宿パークタワーで開かれた。
同フェスタでは、車いすバスケットボールや視覚障害者がアイマスクをして戦うブラインドサッカー、ボッチャ、競技用義足の体験コーナーが設けられ、来場者は障害者スポーツの難しさに驚いた表情を見せていた。
授業の一環で訪れ、ボッチャを体験した東大付属中等教育学校3年の井橋宙音(そらね)さん(15)は「ボールのコントロールが思ってたより難しかったけど楽しかった」と笑顔を見せていた。
また、リオデジャネイロ・パラリンピックの競泳男子で四つのメダルを獲得した木村敬一選手(26)や車いすバスケに出場した土子大輔選手(36)らによるトークショーも行われた。
体験コーナーはこの日のみだが、リオ大会での日本選手らの活躍を紹介する写真展や競技用の車いす展示などは今月末(一部は22日)まで行われている。
車いすバスケットボールを体験する人たち(15日午後、新宿区で)