ゴエモンのつぶやき

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15歳、残酷な傷「苦しんだ」 旧優生保護法 国提訴

2018年01月31日 11時34分22秒 | 障害者の自立

 「不良な子孫の出生防止」を名目に、障害者らに不妊手術を強いた旧優生保護法。子どもを産み育てる基本的人権を奪われたとして、四十年以上前に手術を強制された宮城県の六十代女性が三十日、国に損害賠償を求めて提訴した。「障害者はいなくなればいいという思想であまりに残酷な手術」と義理の姉。支援者は「全国の被害者救済の第一歩に」と司法に期待を寄せた。

 「お姉さん、頑張ってね」。不妊手術を強いられた六十代の女性がつぶやいた。約四十年間生活を共にしてきた義理の姉が、知的障害のある女性に代わり、訴訟の準備を進めてきた。「(当事者は)苦しんで、ひた隠しにして生きてきた」。姉は三十日に開いた提訴後の記者会見で障害者差別の解消を訴えた。

 「かわいいでしょ」。今月下旬、宮城県の自宅で女性は自分で縫った雑巾を手に話した。緑やオレンジなど色とりどりの糸で刺しゅうした星やネコ。福祉事業所で得意の洋裁をしたり介護施設で友人と折り紙や体操をしたりして毎日を過ごす。提訴した三十日の朝は「私はちゃんと(留守番)しているから」と姉を見送った。

 十五歳で不妊手術を強いられた。へその下には縦約八センチの傷が残るが、本人に手術の記憶はない。姉は「手術の恐怖で忘れたのでは」と推し量る。術後に腹部の痛みを訴え、怖さからか、受診した婦人科では数人がかりで押さえ付けなければならないほど暴れた。

 「あまりに残酷だ」。姉は県に情報開示を求め、「遺伝性精神薄弱」との診断で手術されたことが昨年七月、分かった。一歳の時に手術を受け、麻酔の影響で知的障害になったと家族から聞いており、説明が食い違う。国も「当時は適法だった」「実態調査は考えていない」と繰り返すだけ。「裁判をしなければ何も変わらない」と提訴を決めた。

 女性は、食器を洗ったり洗濯物を畳んだりと家事の手伝いもでき、簡単な日常会話は可能だ。姉も「個性を生かすことができれば、障害があっても明るく生きられる」と話す。

 インターネットに書き込まれる、障害者への偏見や中傷の言葉。旧優生保護法が改定されても「障害者はいなくなればいい、生きていては良くないという思想は消えていない」と感じる。「今まで声を上げられなかった方々も、勇気を持って声を出してほしい」。障害者が立ち上がり社会が変わることを願った。

◆「被害者救済の一歩に」支援者ら司法判断期待

 「全国にいる被害者を救済する第一歩になってほしい」。三十日午前、旧優生保護法下で不妊手術を強制された原告の支援者ら約三十人が「国は謝罪と補償を」と書かれた横断幕を掲げて仙台地裁前に集まり、国への憤りや司法判断への期待を口にした。

 障害者支援団体代表の永井康博さん(58)は「時間が経過するほど、責任の所在は分かりにくくなる。国は早く姿勢を改めるべきだ」と厳しい表情。一九六三年に知的障害を理由に不妊手術を強いられたという宮城県の七十代女性は「提訴をきっかけに、他の被害者も声を上げてほしい」と話した。

 約十五年にわたって支援活動を続けてきた杉山裕信さん(51)は「やっとの思いで提訴までこぎ着けた。障害者の人権が守られる社会になってほしい」と訴えた。

 弁護団長の新里宏二弁護士は「国は当事者をずっと放置し続けてきた。裁判を通じ、差別されてきた人々への謝罪と補償を早期に実現したい」と語った。

原告の60代の女性。自分で縫った雑巾について話してくれた

2018年1月30日 夕刊   東京新聞


障害者へ不妊強制、なぜそんな法律が?20年前まで可能

2018年01月31日 11時10分50秒 | 障害者の自立

 アウルさん 不妊(ふにん)手術を強制された人たちがいるんだって?

 A 約40年前に障害を理由に不妊手術を強いられた女性が、国を相手に裁判を起こしたよ。優生保護法という法律によって、20年ほど前までこうした不妊手術が可能だったんだ。

ア どんな法律なの?

 A 「不良な子孫の出生を防止する」ことなどを目的に不妊手術や人工妊娠(にんしん)中絶について定め、1948年に施行(しこう)された。遺伝性とされた病気のほか、精神障害や知的障害のある人に対し、本人の同意が不要な不妊手術を認めていた。手術は医師が申請(しんせい)し、するかどうかを都道府県の審査会が決めた。やむを得ない事情があれば体を拘束したり、だましたりしていいと当時の厚生省は通知していた。

 ア なぜ、そんな法律をつくったんだろう。

 ログイン前の続きA 戦後、国外からの引きあげや出産ブームで人口が急増した。貧困や食料不足を背景に、人口をおさえることが大きな政策課題だった。同時に、病気などの遺伝を防いで国民の「素質の向上」を図ろうとする、優生思想があったんだ。

 ア ひどい。

 A 病気や障害のある人を差別し、子どもを産む権利をうばう人権侵害(しんがい)だ。70年前後から障害者が抗議(こうぎ)の声を上げ、国際機関からも批判された。法律から差別的な規定が削除(さくじょ)され、「母体保護法」に改まったのは96年。それまで約半世紀にわたり、統計に残るだけで1万6千人以上が不妊手術を強制されたんだ。

 ア 国は謝らないの?

 A 「当時は適法だった」と、謝罪や補償(ほしょう)はしていない。同様の手術をしたドイツスウェーデンは謝罪や補償をしている。今回の裁判の原告側は「社会に残る優生思想をなくすため」に訴(うった)えたという。過(あやま)ちをくり返さないよう、国が事実と向き合うことを求めているよ。

写真・図版 

2018年1月30日   朝日新聞デジタル


障害者ら、相模原事件を語る 大分でシンポ

2018年01月31日 11時05分30秒 | 障害者の自立

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら46人が殺傷された事件をめぐり、障害者や家族らが語り合うシンポジウムが28日、大分市大津町2丁目の県総合社会福祉会館で開かれ、約100人が参加した。

 障害者らで作る「だれもが安心して暮らせる大分県をつくる会」などが主催。シンポは2017年7月に第1回が開かれ、「あまりにも深く大きい問題」(徳田靖之共同代表)として、引き続き多様な意見を聞くために開かれた。

 シンポでは当事者らがリレー形式で壇上に立った。

 頸椎(けいつい)の損傷で重度の身体障害がある河野龍児さん(49)は、「事件が自分の中でまだ整理しきれていない」と打ち明けた。脳性マヒの影響で、人工呼吸器をつけて車いす生活をする吉田春美さん(64)は、「障害者は不幸しか生まない」という植松聖被告に対し、「この生活を悲しいと思ったことは一度もない。命の大切さと生きている喜びを多くの人に伝えたい」と話した。

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障害者虐待が常態化 県が指導・勧告

2018年01月31日 10時59分14秒 | 障害者の自立

ハピネスさつま

 入所する知的障害者への暴行、傷害容疑で職員2人が逮捕された兵庫県加古川市の障害者支援施設「ハピネスさつま」で、2013年以降、障害者を閉じ込める虐待が複数発生していたことが県などへの取材で分かった。県による改善勧告や文書・口頭指導は計7件に上っていた。県は「体質改善が見られない」として昨年12月、施設の運営法人「博由社」(明石市)に対して理事長らの退陣を勧告。これを受け、法人は全理事6人のうち理事長を含む4人を交代した。

 厚生労働省によると、障害者虐待で理事の大幅入れ替えまで求めるのは異例。

毎日新聞   2018年1月30日


障害者競技に本腰 パラリンピック参加へ 福祉改善アピール

2018年01月31日 10時42分44秒 | 障害者の自立

 【ソウル共同】北朝鮮は2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪に続き、3月のパラリンピックにもノルディックスキー選手が招待枠で参加する見通しとなった。障害者福祉は1990年代の経済難で遅れ、差別的待遇も指摘されるが、2016年に障害者権利条約を批准するなど最近は好転をアピール、スポーツ大会出場にも本腰を入れ始めた。韓国の専門家は「国威発揚の側面もあるが、改善しつつある」とみる。

 「障害者って何ですか?」「わが国にそんな人はいません」。