一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

戦わずして

2012-10-02 | よしなしごと
知り合いの航空自衛官の話。

今回の尖閣問題のようなことが起きなくても、沖縄に赴任していたときは、中国軍機はけっこう頻繁に領空近くに出没してスクランブルをしていたそうです。

レーダーでは偵察機だと思っていると、すぐ後ろに戦闘機が隠れていて、いきなり出てきてミサイルのロックオンをしてきたりするそうです。

ただ、F-15には相手の信号を解析する装置があって、ロックオンした相手の機種がわかり、そうすると搭載しているミサイルの性能がわかるので、万が一発射されても回避可能だから余裕なんだとか。


そんなことまで話していいのかなと思ってたら、別に秘密でもなんでもないようで、ググッたら出てきました。
RWR(RADAR WARNING RECEIVERS・レーダー警報受信機)

これによれば、分かるのは相手の航空機の機種のようで、機種ごとの装備と性能が分かっていると安心できるというわけですね。

逆に言えば、相手の航空機の性能の方が上回っているときは、戦意喪失してしまいそうです。

なんだか剣を交えずに構えただけで「参った」という剣豪同士の立会いのようですが・・・


ただ、こういう装置によって兵器の性能とそれについての情報が非常に大きなウエイトを占めるようになってきて、自軍の損失を最小限にするためには新型兵器の導入へのインセンティブが働くという構造が加速するようにも思います。

また、兵器メーカーにとっては、性能の情報は購入予定顧客以外に秘密にするよりも、広く公開したほうが売れ行きに貢献することになります。


よくできたマーケティング手法ですね。


話を尖閣に戻すと、中国は現在の兵器の性能格差を埋めようと継続的に予算をつぎ込むのでしょうし、一方で軍事予算に逆風が吹いている米国は、極東の安全保障(を重視するなら)中長期的に中国に対抗するためにはますます日本や台湾と協力する必要があるという構造にもつながるのかもしれません。




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