一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ティンブクトゥ』

2010-09-26 | 乱読日記
機内で読んだ本。

ポール・オースターの小説は、リアリティを追求したものでもファンタジーでもなく、現実からちょっとだけ浮遊したところに精緻に作られた空中庭園という感じで、そこにストーリー・テラーの真骨頂があります。

この本は、ホームレスの自称詩人のパートナーである犬の視点から描いています。
普段人間が観察する犬のふるまいや反応を裏うちしたり、予想を裏切ったりしながら、主人公としていつしか犬の目線になって感情移入させられていきます。

あいかわらずの名人芸を堪能できました。



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