昨日はいやな事件がおおかったのですが、取り上げられ方に違和感があったのがこれ。
切り付け直後に登校か=「変わった様子なかった」-補導の中2次男・出雲市教委 (2009年7月8日(水)06:05 時事通信)
島根県出雲市の市営住宅で、会社員男性(43)が殺害された事件で、補導された中学2年の次男(13)が、切り付けた直後に登校していたとみられることが8日、分かった。同市教委は「(事件発生の)7日午前は授業を受けており、特に変わった様子はなかった」としている。
朝のテレビで教育委員会の人が記者会見をしていたのですが、こういうことにも教育委員会はコメントする必要があるのでしょうか。
確かに保護者のうち父親は被害者だし母親は取材に応じられる状態ではないでしょうが、そういう場合に「誰かがコメントをしなければいけない」ということでもないと思います。 (教育委員会が自発的に記者会見をするとも思えないのですが記者クラブあたりから教育委員会に「強い要請」をしたのでしょうか。)
そもそも家庭内のトラブルについては教育委員会の責任ではないし、厳密にいえば日頃の素行についてはプライバシーの部分もあるんじゃないでしょうか(興信所の調査に対して教育委員会が生徒の日頃の素行を話したりしたらマスコミに袋叩きにされそうです。)。
14歳未満の犯罪は刑事責任を問わず児童相談所(経由で家庭裁判所)の判断になるので(参考)、必要であればそこからの事情聴取に応じればよいだけではないかと思うのですが。
それから、「格差」とか「セーフティネット」の議論もありますが、貧しかろうがなんだろうがやっちゃいけないこと、という社会常識が薄れつつあるように思うのが二件ありました。
事件時、失業保険切れ=経済的な行き詰まり原因か-パチンコ店放火殺人・大阪府警
(2009年7月8日(水)20:03 時事通信)
大阪市此花区のパチンコ店が放火され、4人が死亡、19人が重軽傷を負った事件で、殺人や現住建造物等放火容疑などで逮捕された無職高見素直容疑者(41)が事件の約1カ月前、「失業保険が切れた。仕事もまだ見つからない」などと話していたことが8日、関係者への取材で分かった。
大阪府警此花署捜査本部は、高見容疑者が200万~300万円の借金を抱えていた上、再就職のめども立たないなど経済的に追い詰められ、事件を起こした可能性があるとみて調べている。
千葉の路上、ガソリンかけ火つける ハローワーク女性重傷 女を現行犯逮捕
(2009年7月8日(水)15:45 産経新聞)
8日午前8時すぎ、千葉県野田市山崎の東武野田線梅郷駅付近の路上で「女性が火を付けられ、火だるまになっている」と通行人から110番があった。
野田署によると、同県柏市に住む国家公務員の女性(40)が女に火を付けられた。野田市消防本部によると、女性は茨城県内の病院に搬送された。上半身にやけどを負っており、重傷という。
野田署は現場近くにいた自称中国生まれで、柏市内に住む無職、樊玉萍容疑者(45)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。現在の国籍は不明。
県警によると、被害者の女性はハローワークに勤務。樊容疑者は「仕事を探していたが見つからず、自暴自棄になって脅かそうとした。自分も死のうと思った」と供述している。
下については、こういうときは「110番」でなく「119番」じゃないか、というつっこみはさておき、こういう動機をことさらに報道すると、経済的に追い詰められたら赤の他人を殺すこともありうる、というのが「通り相場」になってしまいそうです。