一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「私見」といえども見識は問われます

2007-09-01 | まつりごと

「司法試験合格者3千人、多すぎる」 法相が「私見」
(2007年8月31日(金)23:28 朝日新聞)

司法制度改革の柱として司法試験合格者を年に3000人程度に増やす政府の基本方針について、鳩山法相は31日、報道各社によるインタビューで「ちょっと多すぎるのではないか」との見解を示した。法科大学院の現状についても「質的低下を招く可能性がある」と述べ、現在の政府の計画に疑問を呈した。  

裁判官や検察官、弁護士ら「法曹」となる司法試験合格者は現在は約1500人。10年までに3000人とするのが政府の計画。法相は「私見」と前置きしたうえで「毎年3000人増えるのは多すぎる」と発言した。  

法曹人口を増やすために新設された法科大学院についても「法科大学院の発想は(修了者の)半分か、半分以上が法曹になるというもの。検事や裁判官も含め、格別に難しい試験を通った人だから信用しようという考えが、我が国にはある」との考えを述べた。

就任早々の発言とはいえ、国民への司法サービスを充実させる、という司法制度改革の経緯や目的の説明を受けていなかったのでしょうか。


そもそも「人数が多い」という問題とレベルが下がる恐れがあるという問題は別だと思います。

もし合格者のレベルが下がっているとしたら、それは人数の問題でなく試験のレベルの問題だと思います。
法科大学院の乱立によるレベルの低下(というのがもしあるなら)、法科大学院を学校経営の打開策にしようとした大学側の思惑とそれに乗って許認可を与えた文部科学省の問題ですし、試験を一定レベルに保てばレベルの低い法科大学院はと打たされるはずです。

またもし合格者の平均レベルが下がっているとしても、人数が増えれば合格時点で一定レベル以上の合格者の人数は増えるとも考えられるわけで、裁判官や検察官においては人事考課なり能力査定が機能すること(査定でなくても一般人の声を反映させようと裁判員制度が出来たはずですよね)、弁護士においてはそれぞれの提供するサービスについて評価するマーケットがあることの方が大事ではないでしょうか。


何か深い考えや政策案があるならともかく、就任早々床屋談義のような発言をされると、折角の実力派内閣(のはずですよね?)の名が泣くと思います。 


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