(2/1追記あり)
※ オチもひねりもないエントリになってますので備忘録程度に。
イオン、オリジン東秀にTOB ドンキと争奪戦に
(2006年 1月30日 (月) 23:26 朝日新聞)
オリジン株をめぐっては、ディスカウント大手ドン・キホーテがすでに敵対的TOBを実施中だが、オリジンは「企業文化が大きく異なる」と反対している。イオンの提案に対しては、オリジンの取締役会と労働組合がともに賛同を表明しており、イオンが友好的買収者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」になった形だ。
ドン・キホーテの公開買付のリリースによると
・・・そのため、当社はオリジン東秀との事業提携を具体化するために、平成17 年8月、創業者のご遺族から発行済株式総数の約23.62%(当社単独では約8.63%)に相当する株式を取得しました。 しかし、・・・両者の事業提携を成功に導く上で必要な条件であるスピードが不足していると言わざるを得ない・・・ そこで・・・両者の事業提携の強化に向け、取締役の派遣などを含めて、オリジン東秀の経営へのコミットメントを高めることを選択し、本公開買付けの実施を決断するに至りました。
これに対して、オリジン東秀の取締役会の TOBに反対の意向表明によると
昨年8月にドン・キホーテ・・・は、当社発行済株式総数の約23%を突如として一方的に取得しましたが、それ以降、当社は、ドン・キホーテがそれらの株式の取得を当社に事前に通知しなかったことの一事に拘泥することなく、・・・事業提携等・・・に関し・・・誠実に同社と協議・・・を行ってまいりました。・・・しかしながら、上記準備過程を通じて・・・問題が多数存することなどが明らかになってきております。・・・しかも、上記協議、検討、検証の過程においても、また、本公開買付けにおいても、ドン・キホーテが「新しい時代の新しいビジネスモデルである」と主張する「次世代型コンビニエンス・ストア」という提案内容の詳細は、未だ当社に示されておりません。
提携について試験的な実施や協議にどこまで本気だったか、というあたりが双方の言い分の食い違うところでしょうが、もともとの23%の株式取得が業務提携についての合意を前提としたものでないとすると、「大株主になったので業務提携をしろ」と土足でづかづかと入り込んだあげくにTOBというのは、ライブドアvsフジテレビ・楽天vsTBSを経た後ではもはや流行らなくなっているやりかただと思います。
当初の株式取得は昨年8月と楽天よりは前だったのでそのまま力ずくで押し切ろうとしているようですが、半年で潮目が変わったので、世間的にはドン・キホーテのやり方は賛同を得られにくいように思います。
また、オリジン東秀にとって、イオングループはThe Body ShopやTalbotなど、資本参加した子会社の独自性を生かしながら育てるのが(本業のGMSより?w)得意な(または目利きがうまい)ようですから、ホワイトナイトとしてはいい会社が現れたんじゃないでしょうか。
※ もともと私はドン・キホーテに対しては悪印象があるので、リリースを見てもオリジン側の方が説得力あるように見えてしまい勝ちであることを申し添えます(^^;
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toshiさんのエントリにコメントされた方が、そもそもドンキの当初の株取得自体が、創業者一族と現経営陣の確執の間に入ったいわばホワイトナイトだ、という指摘がありましたので、ちょっと調べてみました。
もともと創業者社長が店頭公開(97年末)後ガンが発病し、いなげやからスカウトしてきたのが現社長です(2000年6月就任)。その後創業者は会長となるも2002年10月他界しました(このへんの経緯は現社長のインタビュー記事参照)
その後2005年3月にJASDAQから東証2部に上場、8月にドン・キホーテが株を取得してます(この際のオリジン側の他人行儀なリリースはこちら)
とまあざっと見たかぎりではどのような確執があったのかよくわからりませんでした。
「会社(特に上場企業)は誰のものか」を考えるときに、「大株主である創業者一族」(尊重されたい気持ちはわからくもないし、現にトヨタなどでは大きな影響力を持っている)、「現経営陣」、「後から買った大株主」、「一般株主」、「TOBをかけるホワイトナイト」のそれぞれの利害関係を考えるいい見本になるかもしれませんね。
(追記までしまらないエントリになってしまった・・・)