一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ダンケルク』

2017-09-17 | キネマ

撤退戦の「やられ放題」をやられる側からの視点だけで半端ないリアリティで描いた映画。

顔のあるドイツ兵が一人も出てこないし(飛行機と魚雷の航跡と銃の着弾だけ)、せりふでも「ドイツ軍」とも「ナチス」とも呼ばれす単に「敵」(良くて「メッサーシュミット」「ハインケル」「Uボート」)しか言わない。

とにかく追いつめられた側のリアリティ--船に乗る部隊の優先順位は厳密にあるし、一方で兵士は自分が生き残るのに必死だし、司令部も当初はそこまでの大人数を救う作戦ではなかったというあたりも含めて--一本でストーリー展開して、敵方の視点がないので、その分息がつまる。

「主人公」や「ヒーロー」は「敵役」がいるから成り立つとすると、今回の敵役は状況そのものということになる。
実際、主役級だけでなく脇役も含めて「(小さく)格好いい」シーンやせりふが要所に配置されていて、それが救いになっている。

最後に、映像だが、前評判通りの迫力。
戦闘機の空中戦などはほとんど実写でCGを使っていないらしい。
後で知ったのだが、全体の70%がIMAXカメラで撮影されたらしく、IMAXで観たのは正解だった。

 

 


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