(1/22追記あり)
システムの処理能力不足問題についてふと思ったこと。
今回問題が顕在化するまえから、ネット取引の急増と機関投資家の小口に分けての注文の増加はわかっていたわけですから、システム増強のための設備投資を先送りにしていたのは、株式公開を意識して
設備投資と資金負担(借り入れ)でB/Sを悪化させたくない
株価上昇で収益が向上している中で、金利負担と償却費でP/Lを悪化させたくない
というような考えがあったのではないか。
そうだとしたら、決算数字を必死になって作っていたライブドアと精神構造においてはどこが違うのだろうか?
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(1/22追記)
東証システム、耐用期限過ぎていた 導入は10年前
(2006年 1月22日 (日) 10:58 朝日新聞)
次期システム開発は、東証と日立で数年前から進めていたが、04年後半に迎えた耐用期限に間に合わず、その後は現行システムの保守・整備で対応していた。
ということです。
投資をけちったのか計画が杜撰だったのか、いずれにしても肝心かなめのところが脆弱だったというのは何とも情けない話です。
マネックスは自社のシステムを頑強にするのにお金をかけていて、東証を批判する資格が一番ある会社なのです。
それでマネックス「方面」から東証宛に常々言われてた苦言が現実になってしまったものだから「ほれみたことか」と言われたくないばかりに金融相を「使って」先制攻撃をしたようです。
ズレた所で喧嘩をするというのは、当事者の必死さに反して、実はのどかな光景だと思います、はい(笑)。
需給関係で相場が変動するから「市場」なのに、そこで値がつかない株の担保評価を高いまま据え置くことのほうが、よっぽど不合理ですよね。
そもそも担保なので実行するときのfire sale分だけ時価より低く評価するわけですし。
それから「更新投資を怠るほど見かけの収益が上がる」というのは企業にとっては麻薬のようなもので、本来適正な情報開示を求めるべき東証がしてはいけないことだと思います。