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一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

漏洩問題つづき

2011-03-01 | よしなしごと

入試問題漏洩の件、相変わらず妙な方向で続くようなのでこちらもおつきあい。

早稲田は答案全件を確認したり、被害にあった大学間で受験者データを照合(ちなみに個人情報保護法の第三者提供の例外は厳しく限定されていて、また国立大学法人は行政機関でないので警察の捜査協力でないとダメということのようです)したりするようですが、そんなことを急いでやる前に、同種の手口を防止するための方策を優先すべきだと思います。

当然犯人に対しては応分の処分は必要ですが、別に入学を許しても事後的に退学処分にすればいいだけです。
その方が当の本人も入学手続きをするのにリスクがあるので一定の抑止効果になるし。


さらに、昨日テレビを見ていたら、立教大学の人が記者会見で「入試制度の根幹を揺るがす暴挙だ」と言っていました。  
そもそもカンニング一つで揺らいでしまう入試制度の根幹というのも情けないような。

なら、学部の試験で学生のカンニングをみつけたら「単位制度の根幹を揺るがす」とかいって退学処分にしているのでしょうか。せいぜい停学処分くらいでは? 
マスコミに乗せられて「被害者の怒り」を言い過ぎると、いずれ自分のところに戻ってくるので、ほどほどにしておいたほうがいいと思います。  


試験問題の漏洩で思い出すのが司法試験委員で慶応大学法科大学院だった植村栄治教授が司法試験問題を漏洩した件。

こちらによると 事実関係は植村氏は

・ 慶応大法科大学院の学生らを対象に、考査委員が禁じられている答案練習会を7回開き、試験問題に関連する判例の要旨などを学生に一斉メールで送った
・ 試験直前の先月6日、試験で書いた論文を再現したものがあれば個人的に採点するとした一斉メールも学生に送った

ということのようです。

これに対して植村氏は 

「立場を考えれば公正さを疑われても仕方がない。今となってみれば軽率な行為だった」と話した。  
実際の試験で、練習会で取り上げた「都市計画法」や「外国人の退去強制処分」などに関する問題が出たことについては「ことさらに試験に出そうな論点を外す配慮はしなかったが、問題を漏洩(ろうえい)するようなことはしていない」と説明した。

といっています。  

結果的に、植村氏は司法試験委員を解任され、慶応大学教授を辞任しました。 

ただ、同時に弁護士から刑事告発されていた後の顛末ははっきりしません。
報道されなかったということは立件されなかったのでしょう。  

こっちの方こそ出題者の不正であり司法試験制度の根幹を揺るがす不祥事だったように思いますけど(今回、慶応大学は対象になっていなくてホッとしているのではないでしょうか)、それでも刑事事件にはなっていません。 

今回犯人が摘発されたとしても、
①入試会場にいるAが会場外のBに問題を送信
②BはYahoo知恵袋に投稿した
のは事実だとしても、
Aは「Bに『こんな難しい問題が出て困った』とメールしただけ」、Bは「自分も正解に興味があったのでYahoo知恵袋に投稿しただけ。Aがそれを見たかどうかは知らない」などと白を切ったときに立件できるのでしょうか。 

警察としても、事件の重大性の判断で植村氏の件との比較を持ち出されたときに困るのではないでしょうか。

犯人探しや謎解きはひとまず置いて、公正な試験会場の環境整備に力を入れて欲しいです。


PS
ちなみにwikipediaによると植村氏は現在、大東文化大学の教授をやっているようです。


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