一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ハンティング・パーティ』

2008-11-17 | キネマ
※ネタバレ注意


ユーゴ紛争で国際指名手配にな(ってい)たセルビアのカラジッチを追跡したジャーナリストの米国版"Esquire"誌に掲載された実話を基にした映画です。

以前『カルラのリスト』のエントリを書くときに拘束後のカラジッチをめぐるニュースを読み返していた関係で、副題の「CIAの陰謀」を見て「追い詰めたら実はCIAが保護していた」というのが「驚愕の真実」でした、以上終わり。の映画かなと借りた瞬間にちょっと後悔したのですが結果的には楽しめました。

CIAの関与は重要なポイントではあるのですが、戦場ジャーナリストの「情報網と勘と機転とハッタリと出たとこ勝負」という取材スタイルが登場人物の設定や科白回しで生き生きと描かれています。
今年になってカラジッチが逮捕され、現実の方が先行してしまった部分もありますが、それを除いても楽しめますし、実際にどのように匿われていたのかという部分は今でも新鮮です。

エンディングで映画の登場人物の誰が実在し、どこを変えたかのネタばらしがあります。
実際にあそうもない人物が実在したりして「事実は小説より奇なり」と改めて思います。
さらに、結末の創作部分だけがとってつけたような感じになっていることも、事実の力を感じます(それなりによくできているので「創作は無力」と言ってしまっては気の毒でしょう)。


主人公の一人、フリーの戦場ジャーナリスト役のリチャード・ギアは僕は役者としてあまり好きではない(うまいと思わない)のですが、食い詰めたジャーナリストといううさんくさい役ではそこそこいい味を出しています。






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