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一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

大人の話し合いができたと思います。(日中関係 その2)

2005-04-24 | 日中関係
アジア・アフリカ首脳会議での演説で、小泉首相は村山首相の1995年の談話を引用し、反省と謝罪の意を表した。
具体的には以下のとおり。

我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのお詫びの気持ちを常に心に刻みつつ、我が国は第二次世界大戦後一貫して、いかなる問題も、武力に依らず平和的に解決するとの立場を堅持しています。今後とも、世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意であることを、改めて表明します。(外務省HPからの引用)

基本的にはこれが正しい方向だと思う。
以前の記事でも書いたが、過去の話は過去の話として総括した上で、今後の友好関係について前向きな姿勢を見せる、というスタンスが大事ではないか。
※ 「経済大国になっても軍事大国にはならず、」というのはちょっと自慢/恩着せ風なので余計だと思うけど、過去のどこかの国の発言に対応するように外務省が周到に用意したという可能性もあるので、その辺は本職のセンスが正しいのでしょう。


その後の日中首脳会談もお互いのスタンスを確認しあった、ということで成果があったと思う。

胡錦涛主席の声明は
(1)日中双方が日中共同宣言など3つの文書の原則と精神を厳格に尊重する。実際の行動でもって21世紀の友好関係に資する。
(2)歴史を鑑とし、未来に向かうという精神を堅持する。侵略戦争に対して表明した反省を行動に反映させる。中国とアジアの人民の感情を傷つけるいかなる行動もとらない。
(3)台湾問題を正確に処理する。実際の行動でもって1つの中国政策を体現し、台湾独立を支持しない。
(4)日中両国間の問題や意見の違いを平等、協調の精神で処理する姿勢を堅持する。
(5)幅広い領域での交流を拡大するとともに、民間の交流をさらに促進する。
Nikkei Net(4/23)による)

(3)はどんな局面でもデフォルトで入ってくるのでおいとくとしても、(1)(4)(5)は結局「日中間の密接な経済関係を勘案し、将来に向けての発展的な問題解決が必要」と言う事だと思う。

個人的には、中国側からは公式にはもっと木で鼻をくくったようなセリフが出てくると思っていたので、ここは意外。
中国も国際社会を今まで以上に意識している、という証拠だろう。

多分一番大事なのは(2)で、ここには

①なんだかんだ言っても、今後の(両国の)経済発展が大事だよね
②サンフランシスコ平和条約と日中平和友好条約の中で、戦争補償についてあいまいにしてあげてることもちょっと考えてよね。
③国内を統一するために反日教育してきちゃったというウチの事情もちょっとは理解して欲しいな。あんまり逆撫でされると困るんだよね

という含意があるように思う。

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【4/28補訂】
その後よく調べたら日中共同声明の第5条に
「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。 」
とあります。
なので、②は誤りですね、訂正します。
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また、新華社通信も「日本が歴史問題や台湾問題で過去の約束に背いたことは、中国やアジアの国民の感情を傷つけ、大きな不満を引き起こした」との中国側の主張を報道。一方で、胡主席が「中日関係の悪化は両国に不利なだけでなく、アジアの安定と発展にも影響する」などと述べたと強調、全体としては日中関係改善に力点を置いた伝え方になっている。(サンケイ新聞(共同通信配信)による)というように、かなり配慮している。


つまり、中国は「政権の権威が傷つくようなことをされると困るけど、多少の民衆の騒動はコントロールするよ」というサインなのではないか。

基本的にはこの線に乗っていくのが正解だと思うし、中国政府が過剰にdemandingになってきた場合には、都度しっかり釘をさせばいいと思う。

これに関して、町村外相が「反日教科書」に改善求めるというような発言をしている。
小泉首相との不仲も噂されているが、まあ、これくらいのジャブは必要だと思う。


こうなると、小泉首相の靖国参拝問題が焦点になってくる。


※以後(気が向いたら)次回へ続く(続かなかったらごめんなさい)
コメント
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