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一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

中目黒 藤八

2008-09-05 | 飲んだり食べたり
「大衆割烹」と銘打ってますが世間では居酒屋の有名店です。
当地で31年目。今では居酒屋といえばチェーン店を除けば雰囲気のある店というポジティブな感があるのでしょうが、当時は「ホッピーは置いてないぞ」というくらいの気構えだったのではと思います。

中目黒といえばいまではオシャレな街というイメージですが、もともとは庶民的な街だったようです。

歴史的に言えば、目黒は江戸のはずれにあたります(こちら参照)。
何しろその先で殿様が鷹狩りをして帰りに寄ったというのが落語「目黒のさんま」ですから。
また、上の「町奉行所支配場堺筋」というのは都電の路線の範囲とほぼ同じというのは面白いです(参照
中目黒は築地までを結ぶ8系統(地下鉄日比谷線がその後をなぞっています。)の始発駅でした。

さて本題。

今回は友人との飲みだったので写真付き(そのかわりピンボケや、箸をつけてからおっとと、というのもありますが(汗))

自家製〆鯖。
酢が利きすぎておらず美味




イカわた




ネバネバ寄せ(納豆、オクラ、山芋、めかぶ)




ほや。ワタでなくて身のほう。
てんこ盛りです。




牛スジ煮込み。
見た目よりしっかりした味です。




名物イカのかき揚げ
半分食べてこの大きさです。




この店はオーソドックスな居酒屋といえます。
地酒が豊富というわけでもないですし(でも獺祭が置いてあります)、料理のメニューも刺身から焼鳥、コロッケ、さらにはブロッコリーや冷やしトマトなど「まんま」のものまでまんべんなくあります。

特筆すべきは店の雰囲気。
気持ちのいい喧騒があります。
場所柄、勤め帰りのオジサンや会社の飲み会、はたまた近くの業界系の人や、「こういう渋い店知ってるんだぜ」とガールフレンドをつれてくる若者など雑多な人々が気持ちよく飲んでいます。

その間を女将さんを中心にしたフロアのチームがきびきびと働いています。
最近の店に珍しくフロアの従業員の数が多く、それが皆きびきびと働いているのが好感できます。
なかでもお上さんはサッカーのボランチよろしく、片付け、オーダー取りやそれらの指示、そしてその合間に客いじりなどと大活躍です。
しかも、ボールを抑えてワンタッチしたらすぐ空きスペースに走りこむ呼吸が絶妙です。
フロアスタッフには中国人もいるのですが、愛想もよく商品知識も豊富で客あしらいも上手で、教育が行き届いています(OJTの結果?)。

忙しくなればなるほど店全体のグルーヴ感が出てくる、そんな感じの居酒屋です。

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暑気払いの総括

2008-08-27 | 飲んだり食べたり
一転してのんきな話題を。


暑さもひと段落という感じですが、7月からお盆前までは「今度暑気払いでも」という話をしていたのが次々と実現したせいで、飲みすぎ食べ過ぎが続きました。

太り気味の自らを省みて、今日は昼の会食の前に黒烏龍茶をはじめて試しました(効果あるのかしら?)。
ということでここ一、二か月脂肪吸収に貢献したお店の紹介です。


赤坂サカスのポルトガル料理カステロ・ブランコ
ベイラス地方(どこにあるのか知りません(汗))の料理で、名物の煮込み料理は美味しく、前菜も豊富。ワインも値ごろでコストパフォーマンスに優れます。


こちらもポルトガル料理。銀座泰明小学校の向いにあるヴィラ・モウラ
コストパフォーマンス的にはこちらの方がよりお得かもしれません。
大人数でワイワイガヤガヤにお勧め。


バル・レウトランテ ミヤカワ東京ミッドタウンでなく鳥居坂の本店の方。
スペイン料理の有名店だそうです。
タパスいろいろ美味しゅうございました。パエージャも美味しゅうございました。肉料理も美味しゅうございました。ワインも値ごろなものをお勧めいただきありがとうございました。


以前も取り上げた四谷荒木町京料理 八平
(ごく一部の人にはきんざいセミナーハウスの近く、というのがネタになるかもしれません)
今年は鱧のシーズンに。〆にでてきた鱧の佃煮のお茶漬けが◎


神田末広町(秋葉原のはずれ)の雲南料理の店過橋米線ぐっと庶民的な店ですが、料理は本格的。
過橋米線とはビーフンとは違う米からできた生の麺。これをスープにくぐらせていただきます。それと作るのに4時間かかると言われる「気鍋」。上のHPによれば「雲南人が日常に気鍋鶏を飲んでいますが、特に打撲したり、怪我したりした時に、これが不可欠な補養スープとして使われています」。夏バテ防止に効果的ですね。


蔵人厨ねのひ銀座店(HPには載ってませんが新しいビルだからでしょうか?)。
ソニーの盛田昭夫氏の実家の造り酒屋の直営店。ビルの10階で景色がとてもいいです。
料理もおいしいんですが、こういう酒蔵直営店に行くと、飲み比べと称してメニューの端から飲んでしまうので、そっちの記憶の方が強くなってしまいます。


神楽坂のちょい干してっ平(これも再訪)
すごくわかりにくい路地裏にある(といっても最近神楽坂はそれを売りにしている店が多いんですが(笑))自家製干物が自慢の店。
前回訪問時の反省を踏まえ、コースでなくアラカルトで注文。干物だけでなく季節柄夏野菜の焼物が美味しかったです。
焼酎の種類が豊富なのはいいけど、一杯の分量が少なすぎなのが玉に瑕。


魚菜料理 赤井 東銀座歌舞伎座のそばのカウンター割烹。ご主人が一人で切り盛りしています。自慢の煮穴子、美味しゅうございました。お値ごろで場所も便利なのですがいつ行っても客が50代以上のオジサンばかりなので女性客は入りにくいだろうな(という私もオジサン)。


南麻布あら喜
麻布界隈に多い高級居酒屋(=店構えは庶民的だけど料理のレベルが高い、ちなみに値段もそれなりに高い。)のひとつですが、ここは相当ハイレベル。刺身、酒肴、煮物、焼き物はずしがないです。佐賀の天吹はここではじめて知りました。


三軒茶屋の居酒屋赤鬼
東京でも有数の有名店で、予約が必須。
地酒の豊富さ、酒肴の美味さは特筆です。ついつい飲み過ぎてしまいますが、家が比較的近いので帰りにタクシーをつかまえて行き先を言える程度の正気さえ維持すれば後を考えずにすむのも魅力です。


番外編
小石川後楽園の中の涵徳亭
お庭を望む「集会所」ですが、会食もできます。しかも特筆すべきは飲み物の持込が可能なこと。
春の花見シーズンは予約殺到だとか。
俳句の会の隣の席で昼間から飲んだくれていたのは私たちです、はい。



あらためて見てみると、スペイン・ポルトガル料理が多いのは、やはりコストパフォーマンスがいいのと、夏場は南の料理の方が合うということもあるんだと思います。
そういえば今年は夏定番の沖縄料理とうなぎには行ってないことに気がつきました。

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上高地(食べ物編)

2008-08-07 | 飲んだり食べたり

涼しかった上高地を思い出しながら涼をとっている今日この頃です。


上高地はもともと穂高連峰への登山の拠点としてひらけたところで、現在は自然保護のために開発はおろか人や車の出入りも制限しているだけたあって、いわゆるリゾート地としてのインフラは用意されていません。

散策の後に紅茶とマフィンとかワインなど片手にのんびりできるオシャレなテラスのようなものはなく、ベンチでおにぎりをほおばる、という質実剛健さが求められます。

また、食べ物に関しては「これが」という名物はありません。
しいて言えば岩魚くらいでしょうか。
土産物や特産物としてお店で売っているものは、どれも「信州特産」ではあっても「上高地特産」ではないあたりが微妙な感はあります。
特に僕はそば粉アレルギーなので、「長野県=蕎麦」というステレオタイプな名産品・土産物が増えれば増えるほど選択の余地がなくなってしまいます。
上高地のバスセンターの売店で売っていた「おやき」までそば粉仕立てだったのにはがっかりでした・・・
また、「無農薬無添加地元の契約農家が作った野沢菜漬」というのもありましたが、そもそも野沢菜って冬のものだよな、などと考えてしまいます。どうやってこの時期に出荷できるのでしょうか?


学生の頃、ひとつ尾根筋の違う乗鞍の方にはよく行っていたのですが、そのころ地元で出された料理といえば花豆とか名前は知らないけど美味しいキノコ(トリップしていたわけではありませんw、取れる場所を教えるのも一子相伝、というようなまじめなものでした)とかで、見てくれは地味なものでした。
もともと山の料理ってそんなんですよね


で、結局岩魚の塩焼きなどを食べることになるのですが、さすがに写真にもあったように水のきれいなところにいるだけあって、川魚に対しては偏見のある僕でも満足できる美味しさです。

あとはちょっと贅沢して上高地帝国ホテルでランチ


オムライスとハッシュドビーフ、税サ合わせると3000円也という立派なお値段ではありますが、これは観光地価格というよりは帝国ホテル価格なんでしょう。



それから初めて食べたのが「信州サーモン」


信州サーモンは、長野県水産試験場が10年の歳月をかけ開発した、ニジマスとブラウントラウトから生まれた淡水魚です。
ニジマスとブラウントラウトを交配させた、信州独自の新品種で、「サーモンのような紅色の美しい身が特徴です。ニジマスに比べて肉のきめが細かく、肉厚で、豊かな味わい」が特徴だそうです(参照)。


実際に食べてみると、確かに川魚に特有の臭いはありません。
ただ、小ぶりな魚のためか身の締まりは若干本家には及ばない感じです。(刺身を厚めに切ってること自体で自白している感もあります。
ただ、さしの入り方や食感などは遜色がありませんので、刺身以外にもスモークとかサラダやマリネには活路があるかもしれません。


まあ、ここまで来たのであれば、美味しい空気と見事な景色だけで十分なおかずになるので、細かいことは気にしないほうがいいですね。


 

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卵かけご飯のコツ

2008-07-14 | 飲んだり食べたり

世間では常識なのかもしれませんが。

半年に一度まとめ買いをする、小豆島のヤマロク醤油さんからの案内の中に、こんな記事が。

~美味しい卵かけご飯の作り方~

① 熱々ご飯に、まず醤油をかける
  (ご飯の熱で醤油の香りが広がります。)
② その上から生卵を落とし、かき混ぜる。
③ 必ず笑顔で食べましょう!
【注意】直接卵に醤油をかけると、卵のまろやかさがなくなります!

僕もずっと「先に卵に醤油を混ぜてといたものをかけてかき混ぜる」という方式を疑いなくやっていたので、試してみました。
ただ、かけたのはあらかじめといた生卵で漸進的にやってみました。

①は子供の頃、ご飯に醤油をかけて海苔で食べるというのが好きで、親にあまり醤油をかけすぎるなと注意されたことを思い出しながら。
そこで卵をかける前に海苔でつまみ食いも楽しめます。
次に②ですが、確かに「卵と醤油をといたもの+ご飯」よりも「とき卵+醤油をかけたご飯」の方が、味の豊かさが出ます。
あくまでもご飯は脇役で、卵と醤油が主役なので主役同士の対決は後にしたほうがいい、ということですね。

それに、最初に醤油をかけることでご飯の熱が冷まされて、いきなり熱いご飯に卵をかけたときに卵が熱凝固してしまい食感を損なうことも防げます。


久しぶりの「目からウロコ」でした。

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岸田屋

2008-05-28 | 飲んだり食べたり
ろじゃあさんのブログで『美味しんぼ』の山岡士郎と海原雄山の「歴史的和解」を知りました。


『美味しんぼ』といえば個人的には月島の居酒屋「岸田屋」。
かれこれ15年以上前(ひょっとしたら昭和の頃かも)に内輪でブームになっていて、週一回は通っていました。
で、なんでここが『美味しんぼ』なんだというと、連載の第5話目でここのモツ煮込みが取り上げられていたのです(詳しくは全巻全話がブログ形式になっている「美味しんぼ塾ストーリーブログ」参照)。


つながりがこれだけなんですが(汗)ろじゃあさんのブログを見てホント久しぶりに再訪しました。




店は月島の商店街にあります。
聞くところによると、元々は酒屋産だったのですが併設した立ち飲みコーナーが人気になってそっちが本業になったとか。

店内はこんな感じ(久しぶりなので無粋に写真など撮りまくってすいませんでした)





煮込みだけでなく他の料理も美味しく、なにより値段が安いのが魅力。
おとなしくつまんで飲むなら2000円もあれば十分です。

地元の常連客が多い(いつ行ってもいるオジサンとかいたなぁ)うえに我々のような隅田川を渡ってわざわざ来る客もいて、いつもにぎわってました。
開店も5時からなので、5時半くらいに行かないと第一クールに入れず、あとは上のように列に並ぶか、遅い時間に行くか(品切れになるおそれあり)ということになります。


相変わらずの行列に並んで、店に入ったのが8時半頃。

昔は娘さんがひとりで接客を取り仕切っていました。
彼女は親切なうえに非常に腰が低く、こっちが「そんなに気を使わなくてもいいですよ」と言いたくなるくらいのいい人でした。

その娘さんは結婚されて(そりゃそうだよな)今は関西在住だそうで、今は妹さんとアルバイト(推定)のお嬢さん2人(そろって美形)が接客しています。
ときたまおかみさんも顔を出します(この辺の話はおかみさんと昔話のなかで聞きました。)

残念なことにご主人がお亡くなりになってしまい、今は刺身系のメニューを扱っていないそうです。
更に残念なことに、当日煮込みは品切れ。
家族営業の店なのでそういうこともあるわいと、かわりにこれも美味しい肉豆腐




ぬた(箸つけちゃったあとの写真ですいません)




くさや(古い話ですが『がきデカ』で「慣れると美味しいくさやの干物」というギャグがありましたね)



などをいただきました。


昔と変わったところといえば、上に書いた以外には

1.生ビールを出すようになった
昔は瓶だけだったと思ったのですが。
小さいタンクが普及したのでサーバーを置くスペースができたのでしょうか。

2.トイレが改装された
昔は男子用の小便器しかなく、女性は厨房の奥の家のトイレをお借りするというシステムだったのですが、ついに普通の洋式便器になってました。
男の「大」は用を済ませてから、腹具合の悪い奴は連れて行かない、最悪の場合近くの公衆トイレを使う、という制約も趣のひとつだったのですが、実質的な改善も必要ですよね。


20年近く経って、いろんなことがあっても、変わらずに美味しいものを安く楽しめるという居酒屋の王道を行く店といえましょう。
いつまでもがんばって欲しいものです。

またときどき顔を出そうと思います。


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確認はひとに任せて飲んだくれ

2008-02-20 | 飲んだり食べたり

<お知らせ>
一昨日のエントリ「空港会社の外資規制についての雑談」に追記しました。

さて、私といえばエントリの裏をとるのをコメントにお任せにして(「ある経営コンサルタント」さんありがとうございましたm(__)m)当の雑談の際に飲んだワインを尋ねて購入したお店に行ってました。

当のワインはこれ。

 

カリフォルニアのRobert Hallというワイナリーの Cabernet Sauvignon (Paso Robles) 2004

「酸味少な目、タンニン多目」という大雑把なリクエストへのお勧めで購入したのですが、香りと深みが豊かで大満足でした。
私の拙い表現力ではよくわからないでしょうからワイナリーのサイトの(2005ヴィンテージの)解説をご参照ください。

 Intense dark, ruby red color with complex plum, black currant and cocoa aromas echoed by rich, persistent flavors of plush ripe fruit, dark chocolate and spice all supported by balancing, rich velvety tannins.

以下のような賞や評価をとっているそうです。
Best of Class / Gold Medal – National Women’s Wine Competition 2007
Critics Gold – Critics Challenge Wine Competition 2007
90 Score – The Beverage Tasting Institute, September 2007 “Exceptional!”

酒販店の店主は「日本ではウチでしか輸入していない」と豪語していました。
(ネットショップのほうでは売っていないようですがお店にはおいてありました。)
価格もワイナリーの通販でUS$18を税込み3000円未満と比較的リーズナブルです。

調子に乗って、先日候補に上げてもらった他の二種類も一緒に購入してしまいましたので、また飲んだくれて適当なエントリを書くことになるかもしれませんが、あらかじめご寛恕いただければ幸いです(^^;

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久しぶりの神楽坂

2008-02-15 | 飲んだり食べたり
久しぶりに旧友と神楽坂

自家製の干物が自慢という「ちょい干してっ平」
毘沙門天の向かい側、表通りに立ち並ぶビルの間の狭い路地を抜けたところにあります。



神楽坂の路地裏によくある民家を改造したお店で、一階は小じゃれた雰囲気な一方で二階は普通の民家の6畳二間をぶち抜いたところにテーブルが並んでいるといういたって庶民的な感じになります。

最初だったのでコース料理を頼んだのですが、味は美味しいもののお店の人の言うとおりちょっと足りずに、カサゴを追加注文。
このカサゴが美味しかったです。
結果的にはコースでなく大き目の干物を2尾くらい+野菜焼き+単品何品か、というのがいいと思います。
また、冬場は焼酎豚鍋(周りで食べている人がいなかったのでどんなものかはわからず)もお勧めだとか。

もう一度来てガッツリ食べてみようかと思います。
ただ、飲みすぎたときは帰りの急階段に要注意です。


二軒目は共通の友人の親戚がやっている「naorai」という紹介制のバー。
紹介制といっても怪しい店ではなく、落ち着いて飲んでほしいということからのようです。
コンセプトは「国産酒バー」ということで、日本酒、焼酎だけでなく国産のワイン、地ビールも珍しいものがたくさんあります。

今回気に入ったのが大和葡萄酒の古代甲州という白ワイン。
口当たりにコクというかインパクトのある味わいで、美味しい肴とちびちびとという日本酒のような飲み方が似合います。
地の酒には地の肴と改めて実感しました。


友人と人生談義のつもりが、店主を交えて酒談義になり、閉店まで長居してしまいました。

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今年の飲食総集編

2007-12-29 | 飲んだり食べたり
今年はこの「飲んだり食べたり」というカテゴリのエントリをあまりアップしませんでした。

どうもレストランで写真を撮るというのが礼儀を欠いているように思えることと、ブログを書いていることを公言していないので同行者の手前撮りにくい、というあたりが主な理由です。
しかも、それほど料理に対する表現力がないので、結局「美味しい」「それほどでもない」「割高」などの陳腐な表現に帰着してしまいそうたというのも理由のひとつです。


とはいえ年末と言うことで、備忘もかねて今年記憶に残ったお店などをざっと棚卸ししてみます。



まず、年末に話題になったミシュランで星を取ったお店で(ミシュランが出る前に)行ったところ(五十音順)。


櫻川(☆)
マンダリン・オリエンタルの入っているビルの二階、千疋屋の脇にある日本料理。吉兆の新宿伊勢丹店の料理長だった方が独立して開業し、ここに移ってきたとか。
会席から期待される「上品・少量」をいい意味で裏切ってくれます。
サービスもよく、個室に窓がないことを十分補ってくれます。


シグネチャー(☆)
こちらはマンダリンオリエンタルの上のフレンチ。
ランチだったのですが、2時間たっぷりかけておなかいっぱいになりました。
素材の味を生かした料理と器や盛り付けにも凝ったところがいかにもヌーベル・クイジーヌ風です。
ランチでもけっこういいお値段なのですが、ほぼ満席だったのには驚きです。
ビジネスマン以外に、奥様方やOL2人組、それから日本橋三越で(多分外商の担当を引き連れて)買い物したであろう裕福そうなお年寄りが多いのがい印象的でした。
難点はおなかいっぱいになってしまい、あまりシリアスな商談にはなじまないことでしょうか。


竹葉亭(☆)
ここも昼の利用。
確かに美味しいのですし、おなじ鰻にしてもそこはかとない上品さが漂うのはなぜなのでしょう。(個人的にはもう少し量が多くてがっつりいきたい気もするのですが←全然グルメではないw)
鯛茶もおいしいです。


とよだ(☆)
これも昼の利用。
日本橋の裏通りにひっそりと建っている店です。
昼間見ると建物自体はかなり古い(クラシックというのでなく)のですが、中のしつらえは上品にできています。
2000円くらいの定食を食べたのですが、小鉢の一つ一つまで手を抜かずに作ってあり、「夜に来たら高いんだろうなぁ」と暗黙のプレッシャーを感じさせるできばえでした。


ひのき坂(☆)
リッツカールトン東京の上にある日本料理店。
ここだけは予約がミシュラン前で行ったのはミシュラン後。
オープンしたてはオペレーションが落ち着かないとか、寿司コーナーや鉄板焼きコーナーと外国人におもねったコンセプトがいかん、などと事前の評判はあまりよくなかったのですが、日本料理の会席のコースはかなり充実していました。
個室も昔の茶室を移築した部屋以外なら室料も高くないし、サービスもフレンドリーでしかもタイミングよく次の料理やお酒も出てきて、満足度は高かったです。
両親の記念日に行ったのですが、「わかりやすい」設定には十二分に使える店だと思います。
ちなみに最初にシャンパンを頼んだのですが、ワインリストはメインダイニングのもので、(確かにいいものなのですが)相当いいお値段でした。
ここでは日本酒をいただくのがいいかと。


ベージュ(☆)
銀座のシャネルのビルの上のフレンチ。
非常に凝った内装と上品な店員と気取った客層の中で僕のテーブルだけオヤジ度炸裂だったのではた迷惑だったのでは、という負い目を持った訪問でした。
オヤジのひがみも入っていますが、たしかに美味しいし凝っていますがちょっと気取りすぎかな、とも思います。
まあ、私は客としてターゲットに入っていない、ということでしょう。


(おまけ)
「あすなろ企画」として計画中なのが濱田家(☆☆☆)
一見で入れないでしょうが、たまたま知り合いに先代のオーナーで明治座の社長だった三田政吉さんが仲人だった人がいて、いずれ機を見てお願いしてみようかと思ってます。請うご期待(あ、その前に軍資金か・・・)。



さてつぎは今年行った中でブログでとりあげておらず、かつ印象に残っているお店(新規開拓・久しぶり再訪店を中心に)


Union Square Tokyo
本家NYの店は2,3ヶ月前でないと予約が取れないらしのですが東京ミッドタウンの店は2週間前で大丈夫でした。
イタリアンベースの現代風料理(こういうのをニューヨーク風というのかも)
サービスの方がフレンドリーなのが最近の流行の店に共通する部分で、僕の席に着いた方も(たまに滑るけど)気持ちよくかつ一生懸命で好感が持てました。
ワインリストを見るとバカ高いのもあるけど、安めのもの(一番安くても9000円くらいなのですが)を選んでもそんなにはずれはないです。
見栄を張らなければリーズナブルに楽しめます。(あ、見栄を張るための店だったか・・・)


ピッツェリア・トラットリア・ナプレ
同じく東京ミッドタウンですがこちらはカジュアルに楽しめます。
お客も肩の力を抜いて楽しんでいるいい雰囲気の店です。
人気なだけに予約がとりにくいのが難点です。


ハーレム
外苑前のトルコ料理。
トルコ料理といっても「トルコ宮廷料理」と名乗っているだけあり、シシケバブやドネルケバブといった屋台料理とは一線を画していて、肉料理だけでなくオリーブや野菜料理、チーズなども充実しています。
ワインによく合います(そもそもワインの発祥の地はこっちのほうですしね。)。
うかがったときには店長がテナント契約が切れるのに移転先が見つからない、と心配されてましたが、無事同じ外苑前で見つかったようです(あれ、ということは行ったのは去年かな?)。


八平
四谷荒木町の京料理店。
カウンターに座ると厨房のキビキビ感が伝わってくる気持ちのいい店です。
料理の質は高いですが敷居は高くありません。
行ったときが鱧の終わりかけの頃だったのが心残りです。


金八
築地の居酒屋
席数が少なく、カウンター4,5席と狭い小上がりにテーブル3,4席。
しかも座敷は掘りごたつになっていないので女性向きではなく、客層もオヤジ度炸裂です。
魚はうまいし日本酒も種類豊富なので、女性が進出して混雑が激化しないバリアフルな店作りは歓迎です。


はし田
勝どきの奥のほうにぽつんとある寿司店。
3000円のランチ(予約で5000円というのもある)という贅沢をしたのですが、ネタが大きく、軍艦巻きなど軍艦だったら転覆しそうなくらい(たとえて言えば駆逐艦の上に戦艦大和の装備を載せたような感じ)ネタがてんこ盛りになっています。
しかも奇をてらっているわけでなく、ネタがすべて上質。
値段だけのことはありますし、満足感と満腹感が夕方まで長続きします。
ただ、(確認したわけではありませんが)夜に行くには財布の覚悟が必要だと思います。


鯉寿司
こちらはちょっとイロモノ、中目黒「創作寿司」を名乗っているお店です。
かなり実験的なものも出してくれます。つまみのほかに「創作にぎり」を注文しましたが、8貫中おっと思わせるもの3貫、さすがにそれは実験的すぎるのではというもの3貫という感じでした。
ご主人の熱いトークも面白く、店名は実は「濃い寿司」なのではないかと。
値段もかなりお手ごろですし「地元のちょっと変わった寿司屋」にちょっと寄ってみよう、という感じでいくお店ですが、好き嫌いは分かれるかもしれません。


大喜
江東区枝川の焼肉店
豊洲側からタクシーで行くと「朝鮮学校を左折、その先のキムチ屋を右にまがってください」という道案内をしてたどり着く焼肉店の並ぶ一角にある店。
味・量・コストパフォーマンスいずれにも優れます。
おいしいだけあって「激安」ではないですが、支払いのときに味と飲み食いした量の満足感の割りには思いのほか安く感じます。
肉もそうですが、キムチなどの料理系もしっかりとしてます。
自家製との噂もあるマッコリもお勧めです。


五鉄
こちらも焼肉(八丁堀)。
尿酸値と中性脂肪と財布(といってもフレンチに比べれば安い)を気にしなければ、そして社長にをお願いする(要予約)と至福の時を過ごすことができます。
肉も「この肉はばらして3週間目でちょうどいい」「タンは最初に食べちゃダメ」など薀蓄も十分楽しめますし、焼酎のキュウリ入りロック(ここまではよくある)に山葵を溶くという技なども伝授してくれます。
(ちなみに、試してませんが、白ワインに山葵を軽く溶いて飲むとガンガン飲めてそのうちコロッといくそうです)



ざっと思いつくまま書きましたが、今年も飲んでばかりの一年だったような・・・

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そういえばミシュラン

2007-11-25 | 飲んだり食べたり
ばたばたしている最中に発表されていたので、本自体も買っていないのですが、新聞記事で☆のお店はわかってしまったので、多分買わないと思います。
考えてみれば『地球の歩き方(日本版)』を買うようなもんですから。
(もっとつっこむと、本家フランスなのですから本来「ミシュラン・ガイド」ではなく「ミシュラン・ギデ」と言うべきですよね。そうでなければ「ミシュラン案内」とか。)


私ごときは☆を獲得したようなお店にそうそう顔を出すような身分ではないので、雑誌やWebの記事や知り合いの話を聞くばかりなのですが、ざっと見た限りでは、ミシュランの調査員は寿司とふぐと鉄板焼きがお好きのようです。
そのかわりすき焼き(とかしゃぶしゃぶ)の店がないのも興味深いです。

また、濱田屋とか福田家(昔からある接待向け高級料亭)がはいっているところは、接客もポイントになっていると思われます。
福田家は元は料亭旅館でビルに建替わった以降も政治家御用達の店。
濱田屋は日本橋浜町にあり、明治座の経営です(濱田屋のある日本橋浜町は山県有朋が浜町に払い下げを受けて(別邸を自分でした?)柳橋(を活動拠点にしていた伊藤博文)に対抗すべく料亭「常磐」を作った以降料亭が集まりだしたそうなので、明治座より濱田屋の方が本家なのかもしれません)。
ガイジンにはそういうエピソードもアピールするのかもしれませんね。小笠原伯爵邸も入っていますし。

それから日本人が海外で日本食を食べたくなるのと同様、フランス人は日本でもポール・ボキューズやジョエル・ロブションの店で食事をしたいようです。

また、マンダリンのシグネチャーとか帝国のレ・セゾン、ニューオータニのなだ万、リッツカールトン東京のひのきざかなど、ホテル内のレストランも外国人にはアクセスがよかったのかもしれません。


個人的には、今度行ってみようと思っていた神楽坂の石かわが☆2つを獲得してしまったので、当分予約は取れなそうなのが残念です。


ところで、麻布のかどわきが審査を拒否したというのも記事になってましたが、拒否したことも言わなきゃもっとかっこよかったのにと思います(かどわきの「トリュフかけご飯」など斬新(見方によってはけれんみたっぷり)な料理をフランス人がどう評価するかにも興味があったのですが・・・)。


ちなみに私の今年下半期に食べたもので一番美味しかったのは、外房で釣った(普段釣りはしないのですが付き合いで行きました)剣先イカとうるめ鰯をその晩自分で刺身にしたものです。
酒は獺祭の生酒とくれば文句のつけようがありません^^

食べ物なんて、そんなもんですよね。



PS
リンク切れ防止と備忘のため記事にあった☆を獲得したお店をコピペしました(まあ、行くことはほとんどないと思いますが。)。

○三つ星に選ばれたレストラン(8軒)
・神田(日本料理)
・カンテサンス(現代風フランス料理)
・小十(日本料理)
・ジョエル・ロブション(現代風フランス料理)
・すきや橋 次郎(日本料理 寿司)
・鮨 水谷(日本料理 寿司)
・濱田家(日本料理)
・ロオジエ(フランス料理)

○二つ星に選ばれたレストラン(25軒)
・石かわ(日本料理)
・一文字(日本料理)
・臼杵ふぐ山田屋(日本料理 ふぐ)
・えさき(日本料理)
・エメ・ヴィベール(フランス料理)
・菊の井(日本料理)
・キュイジーヌ[S] ミッシェル トロワグロ(現代風フランス料理)
・湖月(日本料理)
・さわ田(日本料理 寿司)
・サンパウ(現代風スペイン料理)
・鮨 かねさか(日本料理 寿司)
・醍醐(日本料理)
・拓(日本料理 寿司)
・つきじ 植むら(日本料理)
・つきじ やまもと(日本料理 ふぐ)
・トゥエンティ ワン(フランス料理)
・ピエール・ガニェール(現代風フランス料理)
・菱沼(日本料理)
・福田家(日本料理)
・ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション(現代風フランス料理)
・リストランテ ASO(現代風イタリア料理)
・龍吟(現代風日本料理)
・ル・マンジュ・トゥー(現代風フランス料理)
・●家菜(●は厂がんだれに萬)(中華料理)
・和幸(日本料理)

○一つ星に選ばれたレストラン(117軒)
・あさぎ(日本料理 天ぷら)
・味満ん(日本料理 ふぐ)
・阿部(日本料理)
・あら井(日本料理)
・●皮(●は鹿を三つ重ねた字)(ステーキハウス)
・アルジェント ASO(現代風イタリア料理)
・アルバス(フランス料理)
・アロマフレスカ(現代風イタリア料理)
・うを徳(日本料理)
・うかい亭(日本料理 鉄板焼)
・うち山(日本料理)
・海味(日本料理 寿司)
・恵比寿(日本料理 鉄板焼)
・大野(日本料理)
・オオハラ・エ・シーアイイー(フランス料理)
・小笠原伯爵邸(現代風スペイン料理)
・翁(日本料理 そば会席)
・オーグドゥジュール ヌーヴェルエール(フランス料理)
・おざき(日本料理)
・おはらス(フランス料理)
・ガストロノミー フランセーズ タテルヨシノ(現代風フランス料理)
・きくみ(日本料理)
・キャーヴ ひらまつ(フランス料理)
・久兵衛(日本料理 寿司)
・銀座寿司幸本店(日本料理 寿司)
・銀座ラ・トゥール(フランス料理)
・クーカーニョ(現代風フランス料理)
・クチーナ・ヒラタ(イタリア料理)
・クレッセント(フランス料理)
・けやき坂(日本料理 鉄板焼)
・コジト(フランス料理)
・古拙(日本料理 そば会席)
・小室(日本料理)
・近藤(日本料理 天ぷら)
・桜ヶ丘(日本料理)
・櫻川(日本料理)
・笹田(日本料理)
・さざんか(日本料理 鉄板焼き)
・ザ・ジョージアン・クラブ(フランス料理)
・三亀(日本料理)
・シェ・イノ(フランス料理)
・シェ トモ(現代風フランス料理)
・シェ・松尾(フランス料理)
・シグネチャー(現代風フランス料理)
・重よし(日本料理)
・シュマン(現代風フランス料理)
・招福楼(日本料理)
・真(日本料理 寿司)
・すがわら(日本料理)
・すし おおの(日本料理 寿司)
・鮨 さいとう(日本料理 寿司)
・すし匠 齋藤(日本料理 寿司)
・鮨 なかむら(日本料理 寿司)
・すずき(日本料理)
・赤芳亭(日本料理)
・竹やぶ(日本料理 そば会席)
・たつむら(日本料理)
・タテル ヨシノ(現代風フランス料理)
・田はら(日本料理)
・竹葉亭(日本料理 うなぎ)
・チャイナブルー(中華料理)
・中国飯店 富麗華(中華料理)
・トゥールダルジャン(フランス料理)
・とうふ屋うかい(日本料理)
・と村(日本料理)
・とよだ(日本料理)
・ドン・ナチュール(ステーキハウス)
・中嶋(日本料理)
・なだ万 山茶花荘(日本料理)
・なだ万 ホテルニューオータニ店(日本料理)
・ナルカミ(フランス料理)
・花山椒(日本料理)
・青空(日本料理 寿司)
・万歴龍呼堂(日本料理)
・ピアット スズキ(イタリア料理)
・樋口(日本料理)
・ひのきざか(日本料理)
・ひらまつ(フランス料理)
・ひろ作(日本料理)
・深町(日本料理 天ぷら)
・福樹(日本料理)
・ブノワ(現代風フランス料理)
・ベージュ(現代風フランス料理)
・まき村(日本料理)
・未能一(日本料理)
・ミラヴィル(フランス料理)
・六雁(現代風日本料理)
・室井(日本料理)
・メゾン・ド・ウメモト 上海(中華料理)
・メゾン ポール ボキューズ(フランス料理)
・モナリザ(フランス料理)
・桃の木(中華料理)
・森本 XEX(日本料理 鉄板焼き)
・山さき(日本料理)
・やま祢(日本料理 ふぐ)
・有季銚(日本料理)
・ゆう田(日本料理 寿司)
・幸村(日本料理)
・よこ田(日本料理 天ぷら)
・与太呂(日本料理 天ぷら)
・よねむら(現代風日本料理)
・よねやま(日本料理)
・ラ・ターブル・ドゥ・ジョエル・ロブション(現代風フランス料理)
・ラ・トゥーエル(フランス料理)
・ラノー・ドール(フランス料理)
・ラ プリムラ(現代風イタリア料理)
・ラ・ボンバンス(現代風日本料理)
・ラリアンス(現代風フランス料理)
・ランベリー(現代風フランス料理)
・リストランテ濱崎(現代風イタリア料理)
・リストランテ ホンダ(現代風イタリア料理)
・ル・シズィエム・サンス(現代風フランス料理)
・ル・ジュー・ドゥ・ラシエット(現代風フランス料理)
・レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ(現代風フランス料理)
・レザンファン ギャテ(フランス料理)
・レ セゾン(フランス料理)
・分とく山(日本料理)
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どん兵衛

2007-11-10 | 飲んだり食べたり
今週どこでだったか「どん兵衛」の味が東西で違う、という話を聞きました。

最近はカップ麺はめったに食べないのでなかなか実感がわかないのですが、日清食品のHPを見たら詳しく書いてありました。


マーケティングして何がわかったの?
3. うどんのスープは東西で違った!!!
東日本と西日本ではうどんやそばのスープの味は違うということから、東西のうどんの嗜好にあわせて東西で味の異なる2種類のスープを開発しました。

東西でスープの味は違うの?
「1964年に新幹線が開通したこともあり、東西の味覚の差はまもなくなくなるのではないか」という意見もありましたが、うどんやそばの歴史的な嗜好の特徴を重視して、どん兵衛は東西でスープの味に変化をつけました。
カツオ、昆布、醤油を基本にしていますが、東日本ではカツオの割合を多くして濃口醤油のスープに、対して西日本では昆布の割合を多くして薄口醤油で仕上げています。そのため東西のどん兵衛のスープは見た目にも色が違っています。
開発当時はスープだけの違いでしたが、今は、具材のおあげも東西で味を変えています。どん兵衛は、全国展開の商品において地域別に味を分けた初めての商品です。

スープの味は東西でどうやって分けたの?
どん兵衛の開発にあたりどん兵衛のマーケティングと研究所の担当者は、東海道新幹線の「こだま」で新横浜から各駅で途中下車をしては駅の近くとその郊外のそば屋に立ちよってはうどんの試食を繰り返しながら、西に向かって進んでいきました。
彼らのニックネームは“ベロメーター”。舌で味覚を調査することからそう命名されました。小田原、熱海、三島…と進みながらうどんの味を舌で調査してどん兵衛の東西の境界線をきめました

東と西はどこで分けたの?
関が原を境界線とし、 ここより東(東:愛知県、岐阜県、三重県を含む)を東日本味、ここより西(福井県、富山県、石川県、を含む)西日本用として 販売しています。
東西の見分け方は、 商品パッケージにある「原材料」の囲み枠下に(E)または(W)と記号を表示していますが、 この(E)と(W)が東西を見分ける記号で、(E)=東日本用、(W)=西日本用という意味になります。


こんな感じだそうです。




関が原を境界線にしたあたりには象徴的な意味をこめているのかもしれませんが、ちょうど「アホ」と「バカ」の境界線にあたる(参照)というのも興味深いものがあります。


「アホ・バカ」については、実は境界の愛知・岐阜に「タワケ」ゾーンがあるのですが、残念ながらどん兵衛には中京バージョンとして「味噌煮込みうどん」が無いのが残念です。

商品ラインナップ(こちら)をみると、中国・四国・九州限定の「ごぼう天うどん」というのもあります。
消費期限や販売数量の問題もあるのかもしれませんが、ポッキー同様「ご当地どん兵衛」のシリーズ化に期待したいところです。
(でもお土産にはかさばるかw)
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宮城産「島豚」、犬が探したトリュフ

2007-11-08 | 飲んだり食べたり

先日食べたイタリアンのメニューに「宮城産島豚」というのがありました。

島豚(アグー)といえば沖縄だろうと思ったら、宮城県の方で飼育しているところがあり、産地としては有名なんだそうです。
確かにこちらによると

『奄美大島在来原種豚 幻の島豚』 は、戦後改良種による急速な雑種化が進み絶滅したと思われたが、一部島民により飼育されていた。絶滅寸前の原種の保護を東京農業大学教授 田中一栄教授託され、絶滅希少品種として子孫の保存に着手する。その島豚は、現在宮城県、久保勇氏(仙台黒豚会・久保畜産代表)よって子孫を残すため保護・育成されている。

「島豚」は品種ですから、島で育ってなくてもいいんですよね。
それに宮城ならドングリもいっぱい取れそうですし(それはイベリコ豚ですねw)、島といえば名勝松「島」だってあります。 



また、季節ものとしてトリュフもいただいたのですが、最近はトリュフ探しにも豚でなく犬を使っているそうです。
犬が見つけようが豚が見つけようがトリュフはトリュフですもんね。


そのときに見かけたのがこんなトリュフのスライサー



写真は別のところから拝借したものですが(トリュフも白トリュフでした^^)、豚の顔をイメージして耳の部分がとがっています。
将来はこういうところにしか豚の名残は残るだけになってしまうのかもしれません。


ところでこれ、どことなくアルフォンス・エルリックに似てませんか?
(って誰も知らんか・・・w)

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李白(下のエントリと同一内容です)

2007-09-26 | 飲んだり食べたり

※ goo blogの設定でカテゴリがひとつしか設定できないので、後日の検索の便宜のため同じエントリを別のカテゴリで立てたものです。

島根県松江の李白酒造の「李白 純米吟醸 超特選」です。

李白、といえば中国の詩人

 

ですが、この酒蔵の名前は李白酒造のHPによれば同じ松江出身の若槻礼次郎が命名したそうです。

松江が生んだ政界の巨星、故若槻礼次郎氏は、また“詩を愛し酒を愛し”とりわけ松江のお酒、李白を愛されました。昭和五年、晴れのロンドン軍縮会議にも、李白の菰樽をたずさえて朝夕愛飲されました。清酒李白の名は、克堂こくどう若槻礼次郎氏がみずから酒仙李白に因んで命名された由緒ある酒名です。

なるほどラベルには

李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠

という漢詩の一部が印刷されています。


肝心の味は、非常に木目細やかでなおかつあっさり過ぎず濃すぎず、淡麗と濃醇の間の微妙なバランスを保った非常に美味しいお酒です。
一時期の「淡麗辛口」ブームでは、あっさりりしているほどえらい、という時代があったのですが、最近は焼酎やワインブームに押された結果、逆に玄人(というか単なるのんべ)好みの香りや味わいのある酒が評価されていて、うれしい限りです。

実はこれ、デパートで駐車場の無料券目当てに酒蔵の人がキャンペーンをやっていたところを見て試飲もせずに買ったのですが、クリーンヒットでした。
売り子さん曰く、酒蔵の規模があまり大きくないので、限られた店にしか置いていない由。確かに飲み屋でも見たことがなかったので、掘り出し物感が強い買い物でした。


ところで上のラベルの漢詩は李白の作でなく、同じく中国唐代の詩人杜甫が李白を評した詩(八仙に因んで当代の名だたる酒客八人を選んで作った『飲中八仙歌』の一部)です。

そこで思い出して本棚にある『李白と杜甫』(このブログを始める前に読んだのでエントリはありません。)をパラパラとめくってみました。
僻地に生まれ、立身を目指しついには玄宗皇帝に召抱えられながらも自由な創作を求めた李白と、下級官吏の家に生まれ出世を目指しながらも最後まで縁遠かった杜甫という同時代(李白の方が11才ほど年長だが一時期交流があった)の代表的な詩人の人生と詩作を対比させながら描いている著作です(著者は別のエッセイでひとことで「ネアカの李白とネクラの杜甫」と言っていますが。)。

そして、杜甫の「李白一斗詩百篇」についてこう言っています。

李白の詩の九割がたは酒と女だ、と誰かが悪口を言ったように、確かに李白には酒の詩が多い。しかし・・・この詩を作ったのは李白の精神にたくわえられたエネルギーであり、酒はそのきっかけを作ったにすぎない。たとえて言えば李白の精神はダムの貯水池にたくわえられた厖大な量の水であり、酒がその水門の戸を引いたのである。
 (中略)
杜甫が<飲中八仙歌>で「李白一斗詩百篇」と言ったのはそこのところである。李白は酒一斗飲んで詩百篇作る。一斗はおろか十斗飲ませても一篇の詩もできぬやつもいる。水門をいっぱいに開いてもちょろりの水も流れぬからっぽのダムであり、つまり只の酒食らいである。李白のばあいは、ひとたび一斗の酒を与えて水門を引けば、言語は壮大なエネルギーを荷って奔騰し、詩百篇すなわちここに成る。文学にとって甚だ飲ませがいのある酒なのである。さすがに杜甫は李白の創作のからくりをよくのみこんでいた。

酒は「場」や「機会」を提供する、それをどう生かすかは個人の器次第ということですね。
この「李白」は凡人を安楽にさせるに足る十二分な魅力を持っています。
その魅力に安住するという楽しみ方でいいのか、それとも己がこの酒をきっかけに解き放つべき何かを持っているかが問題ということです。

酒飲みとしては耳に痛い問いかけであります。



 






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久しぶりの九段斑鳩

2007-08-19 | 飲んだり食べたり
近くを通りかかったので、久しぶりに九段斑鳩に行きました。

前回から2年半以上ごぶさただったことになります。

もともと普段は行列に並んでまで食べるということをあまりしないのですが、土曜なので大して並んでいないだろうというのと、曇り空でさほど暑くなかったので10分ほど並びました。
行列に並ぶ前に食券を買って、先頭の方は空きそうになった時点で食券を取って調理にかかるというカンバン方式風な待ち時間解消策(回転向上策?)を取っているので、列の長さの割には待たなくてすみます。

今回は「特製塩本鰹ラーメン」(ちょっとピンボケですね)




普通のラーメン(魚介と動物系のダブルスープ)よりもさっぱりして、鰹の香りも楽しめます。個人的にはこっちの方が好みかな。

とろりと柔らかく崩れるチャーシューと、塩味のしみこんだ半熟の卵も興をそそります。

今日はご主人は不在だったようですが、店員さんは皆愛想よく、きびきびと働いていました。


普段の行動範囲にあればもっと頻繁に来たいお店です。(でも行列がなぁ・・・)
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勝沼醸造のワイン

2007-08-08 | 飲んだり食べたり
最近は高層ビルやマンションが立ち並び、駅前再開発でヨドバシカメラの巨艦店ができるなど、雰囲気が一新している秋葉原ですが、その中でいまだにごちゃごちゃ感の残る昭和通り口側にある葡萄屋という店に行きました。
駅出口から昭和通りを渡ってパチンコ店やコンビニの立ち並ぶごちゃごちゃしたところに、一間の間口で地下に降りていく階段がぽつんとあります。
中に入るととても落ち着いた雰囲気なのですが、なかなか表を歩いているだけでは見つけられなさそうです。

「和食とワインの店」というコンセプト。
ワインの品揃えもリーズナブルなものから高級ものまで幅広くあります。

食事は和食が基本ですが、チーズをつかったり洋食風なアレンジをした皿もあります。
たまに実験的メニューろ思しきものがありましたが、これもご愛嬌かと。

最初に頼んだのが鯛の塩辛とあわびうに(鮑と雲丹の和えた物)。これに合うお勧めを尋ねたら



勝沼醸造のARUGA BRANCA CLAREZA DISTINCTAMENTE(限りなく透明なアルガの白、という意味。詳細は
こちら)が一押しとか。

日本のワインは全体的に割高なうえに味が細い、という先入観があったのですが、これは甘すぎず軽すぎず、豊かな果実味と和食のアミノ酸を包み込むような奥深い味わいがあります。日本固有の品種「甲州」にこだわり世界に通じるワインを造りたいという意気込みが結実しています。しかも値段もお手ごろです。
新たな発見でした。


やはりその土地の食べ物にはその土地のお酒が合いますね。
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2007-07-28 | 飲んだり食べたり

今年の土用の丑の日は7月30日ということで、街の鰻屋さんにはのぼりが立ち、スーパーでも鰻コーナーができています。
そこをみると、どれも「国産」を大きくアピールしています。

以前から中国産鰻は抗生物質を大量投与しているなどという話があり品質が問題視されていたのですが、昨今の一連の中国製食品問題などの中で、土用の丑の日だからと言って無理に中国産の鰻を食べよう、という人も少ないと思います。

それにしても急に国産の鰻ばかり店頭に並ぶのはどういうわけでしょうか。
地鶏ブームのときも急に地鶏が増えるわけでもあるまいに、と思ったのですが、やはりいまひとつ釈然としません。

実は加工が日本なら日本産と表示できるのではないか、という話を昨日していたのですが、うなぎ加工品品質表示基準(平成13年4月25日農林水産省告示第589号)によるとそれほどゆるくはないようです。

(表示の方法)
第3条  輸入品以外のうなぎ加工品の原材料名の表示に際しては、製造業者等(中略)は、(中略)使用した原材料を、次の(1)及び(2)の順に、それぞれ(1)及び(2)に規定するところにより記載しなければならない。
(1)  食品添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多いものから順に、次に定めるところにより記載すること。
ア  うなぎにあっては、次に定めるところにより記載すること。
(ア)  「うなぎ」等とうなぎの名称をもって記載し、その名称の次に括弧を付して、原産地について、国産品にあっては国産である旨を、輸入品にあっては原産国名を記載すること。ただし、国産品にあっては、国産である旨に代えて生産(採捕を含む。)した水域の名称(以下「水域名」という。)、水揚げした港名又は水揚げした港若しくは主たる養殖場が属する都道府県名、市町村名その他一般に知られている地名を記載することができる。
(イ)  輸入品にあっては、(ア)の規定にかかわらず、原産国名に水域名を併記することができる。


いろいろ調べていたらスーパーで買った98<WBR>0円の鰻の蒲焼を、家<WBR>庭で凄旨にする方法を<WBR>教えて下さい。というのを見つけました。

加熱するだけでなく、一度蒸してから火を通すのがポイントのようです。

面白そうなので早速やってみました。
ちょうど串を通してあるものが売っていたので、それを使うことに。
蒸した後のやわらかくなったものを扱ったり、焼くために裏返したりするには串が打ってないと素人には無理ですね。
「串うち三年、裂き八年、焼きは一生」というだけあり、串も重要だと実感します。

最後の焼きのところが火が強くてちょっと焦げ気味になってしまったのが反省点(オーブン・トースターでやった方がよかったかな?)ですが、そこそこうまくできました。

ただ、手間と焼きたてのものを食べられることを考えると近所の鰻屋さん(けっこう美味しいお店がります)で食べた方がずっといいですね。
 

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