一月初め、鳳来寺山に登った際に立ち寄った道の駅「アグリステーション 名倉」で手作りの岩伏山の地図を見つけました。
雨にも強い紙に丁寧に書かれた地図を見ていると、何か、山への愛情と人への優しさが滲み出ている気がして、
一度この山へ登ってみたくなりました。
長野県のすぐお隣、愛知県北設楽郡というところにあります。
標高は983m、2時間で往復できるくらいの里山です。
中高年のハイキングを愉しむ人たちにはちょうどいい山です。
登山口の駐車場には生息する動植物や鳥の紹介の看板がたくさん並んでいて、
あちらこちらに登山者への気配りを感じます。
登山口の津島神社でお参りをして出発。
途中、山の中のお地蔵さまや大きな岩にも、村の歴史や言い伝えの書かれた看板が立てられていて、
普段なら何も考えずに通り過ぎてしまうような場所も、村人と山との繋がりを感じ取ることができて登山が楽しくなります。
手作りの橋や、迷いやすい分岐点に立っている青い矢印に導かれて歩くと、
矢作川源流の看板発見。
矢作川は愛知県中央部を南西に流れ知多湾に注ぐ長さ117キロメートルの川で、
いくつかの支流を集めて大きな川となっています。
個人的にこの「源流」探しが好きで山に登った事もあったけれど、
ここから先には水がないという場所ーここまで源流に達したのは初めてだったので、
ちょっと感動を覚えました。
雨水が大地に浸み込み、清水となって地上に流れ出し川となり、
小さな支流を集めながら大きな川となって海に注ぐ。
そんな川ストーリーにロマンを感じるのです。
約1時間くらいで山頂に到着。
山頂からは御岳山や恵那山、
南側には次回登ろうと思っている宇連山や、以前友達と登った岩古屋山と鞍掛山が見えました。
山頂には武田信玄ののろし台跡。
武田信玄ののろし台跡は各地に残っています。
数年前から南信州では、長野県内や山梨県の狼煙場や狼煙台跡を見直し、
狼煙リレーをしながら地域のつながりを愉しむイベントも行われています。
山頂から別ルートを下ります。
こちらのルートはアセビや山つつじ、広葉樹などが多く鳥もいて、四季折々美しい自然が見られそうです。
急な下りもあり注意が必要ですが、看板やロープでの整備がされていて安心でした。
奇妙な石や岩を見ながら、
日当たりの良い登山道を下ると登山口の津島神社に到着です。
人の温かさを感じる山でした。