1978年(昭和53年)に出版された江戸絵噺いせ辰12か月という本の箱絵に江戸時代の熨斗の絵が書かれていて
解説がありました。
「絵美良図譜」より
江戸末期に用いられた種々の(のし)を集め、のし尽くしと申して千代紙ふうに仕立てたもの。
大小の区別が少々曖昧ですが、たばねのしと説明にあるものは、引幕にも用いられたものですし、玄魚のしは十二センチくらいの寸法が使いごろ。
蓬莱掛のしは正月の床、又は床柱にかけられるもので、長さ五尺くらいあり、松葉のしは松の葉を採集して、生のまま使っているものでございます。
のしの原型はとれたてのアワビを長く平らに裂いて干したもので、干した栗を勝ち栗としたように、出陣の儀式など縁起の良いものとされた必需品です。
神前では海の幸の代表として神様にささげられ、その後、贈り物に添えられ敬意を表したものです。
江戸時代に使われていた(のし)を見る事ができる貴重な資料です。
「折りのし」は現在でも、基本は同じ形で折られています。