数年前に一度登った事のある熊伏山は長野県の最南端に位置している。
熊伏山の登山口は、信州諏訪大社と遠州秋葉神社を繋ぐ秋葉街道の随一の難所がある青崩峠で、崩落が絶えない事から現在国道152号線は兵越峠へ迂回している。
この兵越峠は静岡県と長野県の県境にあり、遠州軍と信州軍とが綱引きをして領地を広げる「峠の国盗り合戦」が毎年行われている。
遠州軍は静岡県浜松市天竜区水窪町、信州軍は長野県飯田市南信濃の商工会の青年部の強者が対戦するイベントで、勝った方が相手側に1mの領地を拡げるというもの。
兵越峠には峠の国盗り合戦により定められた国境が示されていた。
(兵越峠の名前の由来は武田信玄が兵を連れて越えたと言われている)
ここから静岡県ー
152号線の草木トンネルを過ぎてすぐ林道に入り、水窪側登山口から入る。
登山口を入るとすぐに武田信玄公腰掛岩という岩があった。
1572年、京を目指し甲府を出発した武田信玄は、27000の兵を率い青崩峠を越えて徳川家康との「三方ヶ原のたたかい」に挑む際の遠征の途中、この岩に腰かけたと書かれている。
信州は海がないので海のある遠州から塩が運ばれた。
石畳の残るその塩の道は歴史を感じさせてくれる道で、塩の道を通って青崩峠まで行く人も多い。
約15分、
青崩峠に到着。
青崩峠は標高1082m。長野県と静岡県の県境にあり、地蔵などが立ち並んでいて、
今は休憩できるスペースも設けられている。
こちら側が長野県側ー熊伏山登山口にもなっている。
青崩峠付近は中央構造線上にあり、山腹に広がるむき出しになった砂の様にざらざらと落ちて行く青白い岩盤から青崩峠と呼ばれている。
この険しい岩が露出する崖が熊も容易に寄せ付けない事から、熊伏谷と呼ばれ、それが山の名前になったらしい。
青崩峠から青崩の頭・前熊伏山を経て
登山開始から約2時間で山頂到着。
登山道に迷うことはないが、途中急斜面の直登やロープやワイヤーのかかった滑り易い場所もあり、
特に下山時には注意が必要。
山頂には休憩に適した場所があり、南アルプスの山々が見渡せる。
今回はヤマビルに遭遇しないで帰って来れたけれど、前回の登山の時にはヤマビルに数か所刺された事を思い出す。
熊は寄せ付けないかもしれないが、ヒルはいるのでご注意を!