(前の記事からの続き)
○激怒
BPDの人は 感情に圧倒されて、
感情を吐き出すために 荒れ狂わなければなりません。
大切な人を遠ざけてしまうと 分かっていても、
自分を保護するための 試みなのです。
誰かに激怒する時には、 相手はもはや 感情を伴った人間ではなくなり、
憎悪の対象であり 苦悩の原因でしか なくなってしまいます。
多くの場合 BPDの人は、 もっと強力な感情 --
つまり見捨てられ恐怖を 覆い隠すために、 怒りを使っているのです。
怒りは 恐怖よりも単純で、 BPDの人を困惑させません。
攻撃される前に 攻撃するのです。
non-BPDの人は 激怒を容認できないということを、
一貫して BPDの人に 行動で示さなければなりません。
そうしないと BPDの人は 怒りが効果があると思い、
激怒は 強化されてしまうでしょう。
激怒に対して 個人的境界を設定しましょう。
一時的に その場を離れることです。
しかし 怒りの正体は 見捨てられ恐怖なので、
non-BPDの人がいなくなると
BPDの人は 脅かされてしまうかもしれません。
その時は BPDの人に 選択権を与えましょう。
落ち着くことを選べば、 non-BPDの人は その場にとどまります。
怒る方を選べば、 その場を去ります。
選ぶのは BPDの人です。
境界設定をするのは BPDの人が 安定しているときです。
去って行った場合も 必ず戻ってくるのだと、 BPDの人に 安心させましょう。
そして 一貫性の重要さを 覚えておきましょう。
今日、 怒りを受け入れないと言ったら、 明日も 受け入れてはいけないのです。
〔 「BPDのABC」 ランディ・クリーガー/E・ガン (星和書店) より 〕
(次の記事に続く)