「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

愛情飢餓(3)

2005年12月14日 22時43分52秒 | ボーダーに関して
 『愛情飢餓』。
 それが心子の人生を縁取る根源的な苦悩でした。
 幼子が最も必要とするときに得られなかった親の愛情を、大人になってから死に物狂いで取り戻そうとする無意識の渇望です。
 それはどこまでも続く茨のような道なのでした。

 幼いときの親の愛情がいかに大切なものか、境界例の人はそれを私たちに教えてくれます。
 成長してからそれを取り戻すのは、何百倍も何千倍も難しいことになってしまいます。

 子供に適切な愛情を与えられない親が増えていると言われる現代、私たちは境界例の人たちが鳴らす警鐘をしっかり聞き取ることが必要ではないでしょうか。

 ただし、皆が子育てに杞憂することはないでしょう。
 私たちはごく普通の、自然な親子の愛情を育めばいいのだと思います。
 親が不安定になっては、平穏な家庭もできないのですから。




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