「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

愛情飢餓(2)

2005年12月13日 21時30分38秒 | ボーダーに関して

 普通子供は、乳児期に親から全面的に抱かれ、何の心配もなく育っていくことができます。
 子供は両親から無条件で愛護されることによって、自分は大切にされているんだ,この世に生きていていいんだという、人間として生きる基本的な精神が無意識に養われていきます。
 ところがこの時期に相応の愛情が与えられず、身体的にも快適なアタッチメントがないと、子供は自分の存在を肯定できず、安心して愛情を信じることもできなくなってしまいます。

 心子も右へ左へ浮き草のように漂い、愛情を欲しながら人の愛情を疑う、非常にアンバランスな心性を持つようになってしまいました。

 それを補償するために、自分をどこまでも抱き留めてくれる、限りのない愛情を欲するのでしょう。
 そうしなければ、自分が存在する価値,生きていていいということを確かめられないのです。

(続く)



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